2020年 理工学部 シラバス - 機械工学科
設置情報
科目名 | 軽量構造力学 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 機械工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 漆山 雄太 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F54N |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 自動車構造物の事例などを例題として,種々の中空ビームの力学的概念と知識を学ぶことが出来,軽量構造物に関する実践的な設計・解析の概念と基礎知識が身につく.技術の進歩の中でエンジニアの仕事が変化している中で,研究開発における実務経験から,講義を通じて「できるエンジニア」の素養についても習得するチャンスを提供する. |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
板書とパワーポイントスライドの併用の講義を主とする. 理解を深めるため,討論時間を設ける. |
履修条件 | 材料力学(梁),機械力学(静力学)の知識が必要.一般教養レベルの数学知識(微分・積分・三角関数)要.日本語. |
授業計画
第1回 | ・軽量構造力学の背景について解説する 1.軽量化のニーズと対応技術事例 2.力学的機能と構造 3.構造形式と特徴 予習:シラバスの内容を確認しておく.履修条件に記された基礎知識を確認し,不足知識なきように身につけておくこと(90分). 復習:自分が特に学びたい点とその理由についてまとめておく.(90分). |
---|---|
第2回 | ・構造形式と重量 1.第1回授業で提示した課題について討論を行う. 2.パネル構造,トラス構造,ラーメン構造の3種について限定された条件で重量剛性比を考察することで,構造形式の理解を深める. 予習:第1回授業の復習をしておく. 復習:講義中のノートテイクの内容を整理確認して,疑問点があれば質問事項として整理しておくこと.(90分) |
第3回 | ・一次元梁(Classical Beam)とその応用 自動車構造のからクロスビーム・ステアリングハンガービームなどで一次元梁理論の応用により,ジオメトリーによる軽量化について、ロードパスの概念を切り口に理解をする. 予習:片持ち梁の一次元梁たわみ計算ができるようにしておくこと(90分) 復習:講義中のノートテイクの内容を整理確認して,疑問点があれば質問事項として整理しておくこと.(90分) |
第4回 | ・薄板断面に加わる荷重(Point Loading of Thin-walled Section); 一次元梁とのちがい,局所変形とその対応. 予習:はりの曲げ変形とせん断変形について調べておく(90分) 復習:討論内容を要約し記録しておく(90分) |
第5回 | ・第1~4回の範囲で理解度確認試験を実施する. ノート,電卓等は持参のこと.書籍,文献,持ち込み可 PC,スマートフォンは持ち込み可だが、前回講義までに事前申告をし,使用条件を伝えるので従うこと.なお,外部との通信は一切認めない. 予習:ここまでのノートテイクの内容を確認しておくこと.(90分) 復習:試験内容について,疑問点あれば質問事項として整理しておくこと.(90分) |
第6回 | ・薄板断面のねじり(Torsion of Thin-wall Members); 閉断面のねじりと構造例,開断面のねじりと構造例 予習:軸のねじりについて確認おくこと(90分) 復習:講義中のノートテイクの内容を整理確認して,疑問点があれば質問事項として整理しておくこと.(90分) |
第7回 | ・両端補強の開断面のねじりと 構造(Warping of Open Section under Torsion)とラッピングビーム 予習:討議内容についての検討課題を事前に与える.(90分) 復習:討論内容を要約し記録しておく.(90分) |
第8回 | 1.構造物の性能とスポット溶接(Effect of Spot Welds on Structural Performance) ピールとシェア・スポット溶接フランジの実例 2.第9回講義 コンバーチブルボディ構造に関する討議課題について 予習:スポット溶接について調べておくこと.スポット溶接とは何か,その特徴,「適用分野,歴史など,(90分) 復習:講義中のノートテイクの内容を整理確認して,疑問点があれば質問事項として整理しておくこと.(30分).宿題課題の対応(60分) |
第9回 | ・自動車ボデーにおける薄板ビームの断面設計(Thin-Walled Section Design on Automobile);コンバーチブルボデーの構想討論 受講者全員が出された課題について解決策を考えてくる.一部の受講者にはプレゼンをしてもらい,ディスカッションをする.実践力の意義について体験を通して理解する. 予習:課題に関してプレゼン準備.(90分) 復習:討論内容を要約し記録しておく.(90分) |
第10回 | 第6~9回の講義範囲で理解度確認試験を実施する. ノート,電卓等は持参のこと.書籍,文献,持ち込み可 PC,スマートフォンは持ち込み可だが、前回講義までに事前申告をし,使用条件を伝えるので従うこと.なお,外部との通信は一切認めない. 予習:ここまでのノートテイクの内容を確認しておくこと.(90分) 復習:試験内容について,疑問点あれば質問事項として整理しておくこと.(90分) |
第11回 | 平板の座屈(Plate Buckling);実践的な解析のための境界条件を知る. 予習:座屈についてこれまで学習している者はこれまでの学習内容を復習する.座屈についてこれまで勉強していない者はJSMEテキストシリーズ材料力学7章柱の座屈を読んでおくように.(例題は除く)(90分) 復習:講義中のノートテイクの内容を整理確認して,疑問点があれば質問事項として整理しておくこと.(90分) |
第12回 | 平板の座屈後の特性(Post Buckling Behavior of Plates)と有効幅(Effective Width) 複雑な断面形状であっても,構造的な特徴を考察する力を養う. 予習:ここまでのノートテイクの内容を確認しておくこと.(90分) 復習:試験内容解説を確認して,疑問点あれば質問事項として整理しておくこと.(90分) |
第13回 | 薄板断面構造の損傷条件(Thin-Walled Section Failure Criteria) 本講義で学んだ範囲を活用して,複数の目標に対して,構造諸元の選択子の中からより良き解を考えながら探す. 予習:ここまでのノートテイクの内容を確認しておくこと.(90分) 復習:試験内容解説を確認して,疑問点あれば質問事項として整理しておくこと.(90分) |
第14回 | 軽量構造力学について総括討議 これまで学んだことについて,幅広く討議するととに,全授業で学んだことの相互の関係を整理し,実践に役立つための基礎的概念を構築する. 予習:ここまでのノートテイクの内容を確認し,質問・主張を発言できるように準備,整理しておくこと.(90分) 復習:講義中のノートテイクの内容を整理確認して,疑問点があれば質問事項として整理しておくこと.(30分) |
第15回 | 第1回~14回の範囲で理解度確認の試験を実施 ノート,電卓等は持参のこと.書籍,文献,持ち込み可 PC,スマートフォンは持ち込み可だが、前回講義までに事前申告をし,使用条件を伝えるので従うこと.なお,外部との通信は一切認めない. 予習:ここまでのノートテイクの内容を整理し確認しておくこと.(120分) 復習:必要に応じ各自対応すること. |
その他
教科書 | |
---|---|
参考書 |
1.Donald E Malen , Fundamentals of Automobile Body Structure Design, SAE International,2011; この本より例題などを多数引用する.この本で復習すると英語の勉強にもなる./
2.日本機械学会 JSAEテキストシリーズ 材料力学 丸善出版;
材料力学知識に関して,あるいは本科目の予習の時の勉強用としての候補本の一つ./
3.藤本雄一郎,漆山雄太,「自動車のマルチマテリアル戦略」NTS2017年;自動車のボデーに関する多くの軽量化技術要素が掲載されている.
|
成績評価の方法 及び基準 |
理解度確認の3回の試験で決定する. |
質問への対応 | 授業中に理解できないところがあれば、授業中および最後に質問の有無を確認するので、できるだけこの時に質問すること.質問が定まらなかったり,復習中に理解できないところがあった場合には,次回の授業にて質問すること. |
研究室又は 連絡先 |
|
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
討論・質問は授業の質を上げることにつながるので,受講者には積極的な発言を求める. 第9回、第14回講義では実践的な能力を学ぶために,一人ひとりの受講者が積極性発揮すればするほど,受講者全体の習得レベルがより上がるので,受講者には協力を求めたい. |