2020年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 | 材料力学Ⅲ | ||
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設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 奥山 圭一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H21F |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 材料力学は航空機や宇宙機,自動車などの設計に必要であり,軽量化や安全性に寄与する.材料力学は機械設計において必須の素養である.ここでは,材料力学Ⅰ,Ⅱで学んだことを基礎として,“組み合わせ応力と応力集中”,“ひずみエネルギ”,“円筒と球殻”および“材料の破壊と強度”について講義する.特に,航空宇宙機構造の開発経験をもとに,過去の航空機や宇宙機の重大不具合や事故を事例にして,これらが発生した原因を分析し,材料力学を用いて回避するための方策についても講義する. |
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授業形態及び 授業方法 |
板書による講義を中心に,演習を実施する. |
履修条件 | 材料力学Ⅰ および材料力学Ⅱの内容を理解していること. |
授業計画
第1回 | ① 材料力学Ⅰ~Ⅲの全体の流れの確認 本学科で学ぶ材料力学Ⅰ~Ⅲの全体の流れについて確認する. ② 講義の概要 材料力学Ⅲにおいて学ぶ内容と位置付けについて確認する. ③ 航空機と宇宙機の構造概要 航空機と宇宙機の構造の概要,また比強度と比弾性(比剛性)の概念を確認する. 【事前学習】 シラバスの内容をよく読んでおくこと.(20分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,テキストの3章を読んでおくこと.(180分) |
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第2回 | ① 材料力学Ⅰ~Ⅱの復習 はりのせん断力と曲げモーメント(テキスト3章) ② 航空機と宇宙機の環境(1) ロケット打上げ時の機械的環境(振動環境と衝撃環境) 【事前学習】 テキストの第3章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第3回 | ① 材料力学Ⅰ~Ⅱの復習 はりの応力(テキスト4章) ② 航空機と宇宙機の環境(2) 航空機の機械的環境(運動荷重と突風荷重,着陸荷重と非常着陸) 【事前学習】 テキストの第4章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第4回 | ① 材料力学Ⅰ~Ⅱの復習 はりのたわみ(テキスト5章) ② 航空機と宇宙機の不具合と事故(1) 【事前学習】 テキストの第5章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第5回 | ① 組み合わせ応力と応力集中(1) “組み合わせ応力”と“モールの応力円”(テキスト9章) ② 航空機と宇宙機の不具合と事故(2) 【事前学習】 テキストの第9章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第6回 | ① 組み合わせ応力と応力集中(2) “3次元応力状態”と“応力集中”(テキスト9章) ② 航空機と宇宙機の不具合と事故(2) 【事前学習】 テキストの第9章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第7回 | ① ひずみエネルギ “ひずみエネルギ”,“衝撃応力”と“カスチリアノの定理”(テキスト10章) ② 航空機と宇宙機の不具合と事故の回避策(1) 【事前学習】 テキストの第10章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第8回 | 復習 これまでの内容を復習する. 【事前学習】 これまでの授業内容を復習しておくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習すること.(180分) |
第9回 | ① 円筒と球殻(1) “内圧が作用する薄肉円筒”と“内圧が作用する薄肉球”(テキスト11章) ② 航空機と宇宙機の不具合と事故の回避策(2) 【事前学習】 テキストの第11章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第10回 | ① 円筒と球殻(2) “内外圧が作用する厚肉円筒”,“内外圧が作用する厚肉球殻”と“組合せ円筒”(テキスト11章) ② 航空機と宇宙機の不具合と事故の回避策(3) 【事前学習】 テキストの第11章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第11回 | ① 平板の曲げ “長方形板の曲げ応力”と“円板の軸対称曲げ変形”(テキスト12章) ② 航空機と宇宙機の不具合と事故の回避策(4) 【事前学習】 テキストの第12章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第12回 | ① 材料の破壊と強度(1) “構造材料の破壊様式”と“材料の破損に関する法則”(テキスト14章) ② 航空機と宇宙機の構造設計の基礎(1) 【事前学習】 テキストの第14章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第13回 | ① 材料の破壊と強度(2) “微視的な破壊強度”,“非線形破壊力学”と“疲労強度”(テキスト14章) ② 航空機と宇宙機の構造設計の基礎(2) 【事前学習】 テキストの第14章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第14回 | ① 材料の破壊と強度(3) “高温強度”,“熱応力破壊”と“応力集中破壊”(テキスト14章) ② 航空機と宇宙機の構造設計の基礎(3) 【事前学習】 テキストの第14章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
第15回 | まとめ 第9回から第14回までの講義を復習し,航空機と宇宙機の構造の実際例を学ぶ. 【事前学習】 第9回から第14回までの講義で課された宿題を復習すること.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,宿題を解くこと.(180分) |
その他
教科書 |
野田直剛他著 『要説 材料力学』日新出版
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
材料力学ⅠおよびⅡで学習した“梁に作用するせん断力と曲げモーメント”,“梁に生じる曲げ応力”,“梁のたわみやたわみ角”の算出法などを用いて,“組み合わせ応力と応力集中”,“ひずみエネルギ”,“円筒と球殻”および“材料の破壊と強度”を理解できているかを評価する.また,過去の航空機や宇宙機の重大不具合や事故の発生原因を分析し,材料力学を用いてその回避策を立案できるかも評価する.評価は平常試験(80%)および課題(20%)を総合的に判断して行う. |
質問への対応 | 随時対応する. |
研究室又は 連絡先 |
3号館 2階 328A室 |
オフィスアワー |
月曜 船橋 13:00 ~ 17:00 第1回講義のときに案内します.
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学生への メッセージ |
材料力学は,航空機や宇宙機,自動車をはじめ家電やスマートフォンなど“ものづくり”の現場で必ず必要とされます.材料力学の知識は,製品の軽量化や低価格化に貢献するばかりでなく,大切な人命を守ることにも活かされます.重要な科目ですので,しっかりと学んで欲しいと思います. なお,材料力学Ⅰ および材料力学Ⅱの単位を取得していることが望ましいです. |