2020年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 電磁気学Ⅲ | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 高野 良紀 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M52O |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 2年次の電磁気学I,IIならびに電磁気学演習で学修した内容が再確認できる。また、これらの内容を基礎として、マクスウェルの方程式を出発点とした電場と磁場が密接にかかわる現象が理解できるようになる。さらに、電磁気学が単に机上の学修だけでなく、身の回りの現象と密接にかかわっていることが理解できる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
板書による講義形式。必要に応じてパワーポイントを使用することがある。 |
履修条件 | 電磁気学I,II、電磁気学演習、回路理論、解析力学、相対論を履修していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 電磁気学I,IIの復習(クーロンの法則、ガウスの法則、ビオ・サバールの法則、アンペールの法則 など) 電磁気学I,IIならびに電磁気学演習で学修した内容が再確認できる。 【事前学習】電磁気学I,IIの講義ノートや配布されたプリントおよび電磁気学演習の問題集において、該当の場所を確認し、理解しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った基本的な問題の解答を確認する。(2時間) |
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第2回 | 電磁気学I,IIの復習(ファラデーの電磁誘導の法則、ローレンツ力、電気双極子と磁気双極子 など) 電磁気学I,IIならびに電磁気学演習で学修した内容が再確認できる。 【事前学習】電磁気学I,IIの講義ノートや配布されたプリントおよび電磁気学演習の問題集において、該当の場所を確認し、理解しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った基本的な問題の解答を確認する。(2時間) |
第3回 | 磁場の起源(特殊相対論による磁場の導出) クーロンの法則と特殊相対論によりビオ・サバールの法則が法則を導くことができる。 【事前学習】ローレンツ力、ビオ・サバールの法則および相対論の基本的な事柄について理解しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第4回 | 電磁波(平面電磁波とポインティング・ベクトル) 電場と磁場が密接にかかわる現象として最も基本的な平面電磁波について理解できる。また、エネルギー流密度としてのポインティング・ベクトルについて理解できる。 【事前学習】マクスウェルの方程式およびデカルト座標系におけるベクトル・ラプラシアンについて確認しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第5回 | 電磁ポテンシャルとゲージ不変性 電場と磁場で表現されるマクスウェルの方程式がスカラー・ポテンシャルとベクトル・ポテンシャルで表現できることが理解できる。ゲージ変換ならびにマクスウェルの方程式がゲージ変換について不変であることが理解できる。 【事前学習】電磁場とスカラー・ポテンシャルおよびベクトル・ポテンシャルの関係を確認しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第6回 | 遅延ポテンシャルと双極子放射(因果律およびアンテナ) 極座標系における電磁波の取り扱いの基本的な例として、双極子放射における電磁場およびベクトル・ポテンシャルについて理解できる。 【事前学習】ポアソンの方程式ならびに電気双極子について確認しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第7回 | 電磁波の複素数解析(導体中に侵入した電磁波など) 交流回路理論の延長として、微分方程式を代数方程式に変換して解くことが可能であることが理解できる。導体や絶縁体中に侵入した電磁波の振る舞いについて理解できる。 【事前学習】マクスウェルの方程式ならびに交流回路の複素数解析について見直しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第8回 | 電磁場の一般論(対称性の悪い場所での電場や磁場と完全楕円積分) 電磁気学I,IIでクーロンの法則、ガウスの法則、ビオ・サバールの法則、アンペールの法則など用いて電場や磁場を求めるのは、対称性の高い場所に限定されていた。ここでは、完全楕円積分を利用することにより、対称性の悪い場所における電場や磁場が求められる。 【事前学習】電位やベクトル・ポテンシャルから電場や磁場が得られる過程を第1回目の講義で配布した基本的な問題を通して確認しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第9回 | 電磁力学(荷電粒子および電磁場のラグランジアン、エネルギー保存則など) 解析力学の拡張として、荷電粒子のラグランジアンからローレンツ力が導かれることが理解できる。また、電磁場のラグランジアンからエネルギー保存則が導かれることが理解できる。 【事前学習】力学I,IIおよび解析力学で学習したラグランジュ形式、ハミルトン形式について確認しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第10回 | 電磁力学(荷電粒子と電磁場の相互作用、エネルギー保存則、電磁質量など) 電磁場の運動量密度とエネルギー密度の関係ならびに電磁質量について理解できる。 【事前学習】力学I,IIおよび解析力学で学習したラグランジュ形式、ハミルトン形式ならびに、電磁気学I,IIで学習したマクスウェルの応力について確認しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第11回 | 電磁場の変換(1)(電磁場のローレンツ変換など) 電場と磁場は独立なものではなく、慣性系の違いにより両者の見え方が変わってくることについて理解できる。 【事前学習】「磁場の起源」で学修した内容を復習しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第12回 | 電磁場の変換(2)(電流密度、電荷密度のローレンツ変換など) 電流密度や電荷密度も慣性系の違いにより両者の見え方が変わってくることについて理解できる。 【事前学習】前回の「電磁場の変換(1)」で学修した内容を復習しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第13回 | 電磁気学のやさしい応用(物理学実験を例にして) 講義科目と実験実習科目の関連は薄いと考えられがちであるが、ここでは、実際に物理学実験の中から1つのテーマを選び、実際にはそれらが密接にかかわっていることが定量的に理解できる。 【事前学習】物理学実験の指導書の「連成振動」の章を熟読する。相互インダクタンスにおけるノイマンの式について確認しておく。(2時間) 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第14回 | 電磁気学のやさしい応用(おもちゃの電磁気学) 電磁気学は力学と比べ、実体がなく、理解しづらいと考えられているが、磁石を用いた玩具は多く存在する。そのような玩具の中で電磁気学がどのように使われているかが定量的に理解できる。 【事前学習】磁石を用いた玩具にはどのようなものがあり、磁石をどのように用いているかを調べる。(2時間) 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。(2時間) |
第15回 | 理解度確認試験 第1回から第14回までに学修した内容と電磁気学I,IIならびに電磁気学演習で学修した内容を統合し、自らの電磁気学の体系を構築することができる。 【事前学習】第1回から第14回までに学修した内容について整理しておく。(2時間) 【事後学習】試験問題の中で解答できないものがあった場合には、資料などを参考にして解きなおしてみる。(2時間) |
その他
教科書 |
教科書は特にありません。
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参考書 |
参考書は特にありません。講義ノートを参考にして、自分に合う参考書を見つけてください。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート(60%)、定期試験(40%) |
質問への対応 | オフィスアワーで示された時間以外にも、研究室で随時受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎7号館1階711D 室 |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 12:10 ~ 13:10
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学生への メッセージ |
電磁気学I,IIを基礎として、マクスウェルの方程式を出発点とした電場と磁場が密接にかかわる現象について解説します。電磁気学演習で使用した問題集を毎回持参するといいでしょう。また、時間の許す範囲内において、学生の皆さんが疑問に思いがちな内容(講義担当者が学生時代に疑問に思ったことも含む)についてもに解説したいと思います。 |