2020年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 感性芸術学 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 山田 忠彰 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | P24G |
クラス |
概要
学修到達目標 | ・心の多様な働きを理解し、その表現や解釈を通じて、世界のつながりを多角的に考えることができる。 ・気づいたこと、感じたこと、考えたことについて、様々な言葉を駆使して、表現することができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
芸術の本性と可能性について探究するだけでなく、創作と鑑賞における思考プロセスを多様な実例で追体験しながら、身のまわりの作品に立ち止まり、その効果や意味を読み解く目と、それを語る語彙を養う。 また、作者が作品に結実させた力とそれを可能にした表現の関係を観察・推理し、作品とのふれあいにおいて生じる出来事の行方をねばり強く探究するために、作品を媒介とした着眼力、観察力、対話力、思考力、表現力を鍛える。 なお、探究に際しては、視聴覚教材等も使用し、作品の鑑賞も含みつつ検討していく。 |
履修条件 | 総じて、芸術をめぐるあらゆることに関心のある学生。それと対極的に、関心のない学生(指向転換の可能性のために)。 文化教養サブメジャーコース設置科目 |
授業計画
第1回 | 現代芸術の境位―「アートワールド」とはなにか? 【事前学習(80分)】芸術とはなにか、なにが、あるオブジェを芸術たらしめるのか、を考えておくこと。 【事後学習(160分)】配布された資料の内容を、講義内容を踏まえて、吟味し、理解を確実にしておくこと。 |
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第2回 | 「芸術のおわり」の到来とはなにか? 【事前学習(80分)】「芸術のおわり(衰退)」の歴史的様相について、可能なかぎり調べておくこと。 【事後学習(160分)】現代における「芸術のおわり」の特質を、講義内容を踏まえて、確認すること。 |
第3回 | 「歴史的物語(ナラティヴ)」と評論(批評) 【事前学習(80分)】歴史とはそもそもどのように捉えられるものなのかを、調べ、考えておくこと。 【事後学習(160分)】とりわけ、芸術史とはなにかを、講義内容を踏まえて、理解すること。 |
第4回 | モダニズムと「純粋芸術」 【事前学習(80分)】モダニズムの特質について、調べておくこと。 【事後学習(160分)】芸術史におけるモダニズムの特質について、講義内容を踏まえて、確認し、「芸術のおわり」との連関を考察しておくこと。 |
第5回 | 美学を超えて! 【事前学習(80分)】古典的美学の特質について、調べておくこと。 【事後学習(160分)】古典的美学を超える境位にあろうとする作品の論じ方について、講義内容を踏まえて、確認しておくこと。 |
第6回 | 「純粋性」の消滅へ 【事前学習(80分)】「抽象表現主義」について、調べておくこと。 【事後学習(160分)】芸術と現実との関係について、講義内容を踏まえて、考察しておくこと。 |
第7回 | ポップ・アートの歴史的意義 【事前学習(80分)】ポップ・アートについて、一般的なことを調べておくこと。 【事後学習(160分)】ポップ・アートの歴史的事件性について、講義内容を踏まえて、確認しておくこと。 |
第8回 | ポスト・ヒストリカルな地平へ 【事前学習(80分)】絵画の特質について、調べておくこと。 【事後学習(160分)】絵画と写真との関係ならびにポスト・ヒストリカルな芸術について、講義内容を踏まえて、考察しておくこと。 |
第9回 | 絵画の凋落? 【事前学習(80分)】いわゆるモノクローム絵画について、調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、絵画の「ある種の」降格のもつ、他方面への影響について考えること。 |
第10回 | 美術館のおわり? 【事前学習(80分)】美術館の歴史的特質・役割等について、調べておくこと。 【事後学習(160分)】これからの美術館のあり方について、講義内容を踏まえて、考察しておくこと。 |
第11回 | 歴史的諸相の展開―しかし、美の「約束」はあるのか? 【事前学習(80分)】現代芸術の様相について、一般的に調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、歴史的「生の形式」の芸術とわれわれとの関係の仕方を反省しておくこと。 |
第12回 | 美とアヴァンギャルド―美の「侮蔑」? 【事前学習(80分)】美について、一般的に調べておくこと。 【事後学習(160分)】美について、講義内容を踏まえて、楽観的な(お目出たい)ことは、もはや語りえないことを確認しておくこと。 |
第13回 | 美と美化のパラダイム―美は生命史の核心か? 【事前学習(80分)】芸術美と自然美について、調べておくこと。 【事後学習(160分)】新たな美の様相について、講義内容を踏まえて、確認しておくこと。 |
第14回 | 美と政治 【事前学習(80分)】芸術と政治の関係について、一般的に調べておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、とりわけ優れた政治的芸術作品を確認しておくこと。 |
第15回 | スタイルと人間〈わたし〉―生と美 【事前学習(80分)】〈わたし〉と美の関係について、考えておくこと。 【事後学習(160分)】講義内容を踏まえて、美が生に不可欠であるゆえんを確認しておくこと。 |
その他
教科書 |
授業で配布する資料・プリントなど。
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参考書 |
授業のなかで、適宜紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業回数の1/3以上欠席した場合は、原則として評価対象外。 授業中に、リスポンス・シートの提出(30%)、 学期末に、(まとめ的な)レポートの提出(70%)、 総合して、評価する。 |
質問への対応 | 講義後などに受けつける。 |
研究室又は 連絡先 |
yahecro@icloud.com |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
芸術をめぐる理論的考察に興味のあるひとを、歓迎したい。 芸術を「永遠に不変・不滅の美」を追究するものと考えるひと、あるいは、芸術は自分とは無関係と、芸術談議に白けているひとに、とりわけ伝えたい。「芸術はおわった」と。だが、それは、実は、芸術のあり方の「変容」にほかならない。現代芸術の境位のこの歴史的特質に気づくことによってこそ、芸術的思考力、観察力、(自己)表現力、さらには創造力の高度化が可能になる。この境位を自覚して、自らのものとし、これらの能力を発揮することができる。 |