2020年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
総合講座
人工知能との共生のかたちを考える
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 勢力・高橋(聖) 他 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | S25H |
クラス | 全学科 |
概要
学修到達目標 | 人工知能とは何か。その研究の変遷、現状、将来の展望について理解を深め、説明できるようになる。 人間の知性や特徴、そして現代社会の特徴と諸問題に広く視野に収めながら、人工知能が他の科学技術と結びついて社会に普及していく際の多様な可能性をシミュレートすることができるようになる。 科学技術の社会実装に伴い生じる、法や倫理をめぐる切実な諸問題について深く考察できるようになる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
4名の教員によるオムニバス形式の講義。 |
履修条件 | 予備知識は必須ではないが、教員1人につき3回(あるいは4回)なので、できるだけ欠席をせず、予習、復習をすること。 社会コミュニケーションサブメジャー・コース設置科目。 |
授業計画
第1回 | 授業のねらいと各回の概要、注意事項や評価方法についての説明(担当教員全員) 【事前学習(80分)】 :この科目のシラバスを予め読み、何のために履修するのか、 「人間と科学技術の共生」というテーマは人工知能以外にどのような問題があるか、 予め考えておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき 文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までに まとめておくこと。 |
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第2回 | 人工生命研究に至るまでの経緯(荒関仁志) フレーム理論とフレーム問題など人工知能を取り巻く問題と、生命現象における創発現象について解説する。 【事前学習(120分)】 :各人の考えている人工知能とは何かをまとめておくこと。 特に人工知能の背景にある理論的仕組みをインターネットや文献から調査しておくこと。 【事後学習(120分)】 :講義で解説した人工知能のメカニズムを各自整理すること。 |
第3回 | 遺伝的アルゴリズム(荒関仁志) 進化計算とは何かを解説する。ここでは比較的簡単な構造を持つ遺伝的アルゴリズムのメカニズムの解説と遺伝的アルゴリズムの問題点について講義する。 特に遺伝的アルゴリズムの進化メカニズムを説明する。 【事前学習(120分)】 :遺伝的アルゴリズムとは何かを、インターネットや文献などを参照して各自まとめておくこと。 【事後学習(120分)】 :講義で解説した遺伝的アルゴリズムの構造を各自整理すること。また、可能ならプログラム可能なフローチャートなどを考える。 |
第4回 | 遺伝的プログラミングと強化学習(荒関仁志) プログラムの進化の必要性と遺伝的プログラミングのメカニズムと解説する。 また、遺伝的プログラミングの理論的な問題点も合わせて解説する。 さらに強化学習におけるモンテカルロ法とQ学習の構造と問題点を解説し、具体的な問題解決方法を考える。 【事前学習(120分)】 :遺伝的プログラミングとは何かを、第2回の講義で説明した遺伝的アルゴリズムとの対比で調査しておくこと。また、強化学習における学習メカニズムを各自調べておくこと。 【事後学習(120分)】 :講義で解説した遺伝的プログラミングとQ学習のメカニズムを各自整理しておく。なお、可能ならばプログラム可能なフローチャートなどを考える。 |
第5回 | 深層学習に至るまでのニューラルネットワークの研究と深層学習のメカニズム(荒関仁志) ニューラルネットワークの問題点とメカニズムの変遷と深層学習の意外と単純なメカニズムを解説する。また深層学習の応用としてのビックデータの活用法についても講義する。 【事前学習(120分)】 :ニューラルネットとはどのような記憶メカニズムを持っているかを調べて各自まとめておくこと。 【事後学習(160分)】 :授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を図書館などで自ら探し、それらを批判的に読み、かつ、これまでの授業をふまえて、与えられた課題に対する考察をまとめておくこと。 |
第6回 | 人間と人工知能は何が違う? ―それぞれの進化と意識(勢力尚雅) ・人間が個人や集団において発揮する「知性」や「学習」の特徴は何か? ・それを支えるもの、進化させるもの、妨害するものなどの特徴は何か? ※BBC『SHERLOCK』のホームズとワトソン、スティーヴンソン『ジキルとハイド』の間柄を参照しながら考察する。 【事前学習(80分)】 :組織の知的パフォーマンスを阻害する要因にはどのようなものがあるか、 知的な組織やシステムにはどのような特徴があるか、予め考えておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき 文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までに まとめておくこと。 |
第7回 | 人工知能の使い道を決めるのは人間の知性?それとも人工知能?(勢力尚雅) ・「人間の知性とは異なるエイリアン的知性」とは、どのようなものか? ・ 「生まれながらのサイボーグ」としての人間の強みと弱みは何か? ・「倫理的能力」とは何か?人工知能にその能力をもたせることは可能か? 【事前学習(80分)】 :人間の知性の強みと弱みには、それぞれどのような特徴があるか、 人間の倫理的能力とはどのような能力で、人間はそれをどのように獲得するのか、 予め考えておく。 【事後学習(160分)】 :授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき 文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までに まとめておくこと。 |
第8回 | 技術連関が要請する共進化のかたち―オープンダイアローグの時代(勢力尚雅) ・人工知能は私たちの生活や世界観をどのように変える可能性があるか? ・最大多数の最大幸福の促進は正義か?(正義とケイパビリティの関係) ・個人主義・自由主義からデータ至上主義への移行は何をもたらすか? ・集団的モノローグを打破するオープンダイアローグとそれを拓く技術思想と教育のかたち 【事前学習(80分)】 :データ至上主義社会でも手放したくない「正義」とは具体的にはどのようなものか、 人工知能社会において人間が担うべき役割と、そのための教育はどうあるべきか、 予め考えておくこと。 【事後学習(160分)】 :授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき文献(複数)を図書館などで 自ら探し、それらを批判的に読み、かつ、これまでの授業をふまえて、 与えられた課題に対する考察をまとめておくこと。 |
第9回 | AIと社会(高梨俊一) 近年自動操縦自動車の事故などで、AIの利用の社会的影響が現実の問題となっている。AIが現実社会で広く使われるようになった場合にどのような問題が発生するかについて考察する。 【事前学習(60分)】 :自動運転自動車について理解すること。 【事後学習(90分)】 :授業のレジュメをまとめ自分の考えを整理すること。 |
第10回 | 人工知能から人間とは何かを考える(高梨俊一) そもそも、人間とは何か? 考えるとは何か? 「自分」という意識はなぜ存在しどのような意味を持つのか? これは哲学の基本問題であるが、AIが「考える」ことができるか? AIに「意識」発生する可能性があるのかという具体的な問題に置き換えることもできる。このような視点から、思考と意識と人間について考察する。 【事前学習(60分)】 :あなた以外の人間があなたと同じような「自己意識」を持っていることを証明できるかを考えてください。 【事後学習(90分)】 :授業のレジュメをまとめ自分の考えを整理すること。 |
第11回 | 人工知能が高度に発達した社会はどうなるか?(高梨俊一) 人工知能は人間知能と共存できるか? 人間は人工知能をどう受け入れるか? ロボット三原則を守るロボットは可能か? もし可能としても、人工知能を人間の奴隷にするのは正しいか? 【事前学習(60分)】 :人間と「同じような」AI ないしロボットが存在すると仮定したら社会はどう変わるかを考えなさい。 【事後学習(90分)】 :授業のレジュメをまとめ自分の考えを整理すること。 |
第12回 | 人工知能研究の概要(高橋聖) 人工知能とはどんなものか、人工知能で何ができるかについての最近の話題に関するビデオを視聴する。 【事前学習(120分)】 :人工知能(特に技術的側面)について調べ、疑問点をまとめておく。 【事後学習(120分)】 :視聴したビデオの内容について、その内容や各自の考えを整理する。 |
第13回 | 人工知能研究の変遷(高橋聖) 古き良き人工知能 現在の人工知能 【事前学習(120分)】 :事前配布資料に目を通し、疑問点をまとめておく。 【事後学習(120分)】 :講義の内容を復習し、関連事項をさらに調べて各自の考えを整理する。 |
第14回 | 人工知能応用の現在(高橋聖) パターン認識 システム最適化 【事前学習(120分)】 :事前配布資料に目を通し、疑問点をまとめておく。 【事後学習(120分)】 :講義の内容を復習し、関連事項をさらに調べて各自の考えを整理する。 |
第15回 | レポート作成とその注意点の解説(担当教員全員) 【事前学習(180分)】 :各教員の課題に対して十分な考察をレポートに表現できるよう、事前準備をする。 【事後学習(200分)】 :授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題を考察するために参照すべき 文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、今後考察し続けたい問いと その問いをめぐる考察を洗練させ、その表現を他者に向けて試すこと。 |
その他
教科書 |
授業中に用いるプリントや資料を参照のこと。
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参考書 |
勢力尚雅・古田徹也『経験論から言語哲学へ』(放送大学教育振興会)。その他の参考書については、授業で指示する。
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成績評価の方法 及び基準 |
各教員が設定する課題に対してのレポート(100%) ※最終回に注意事項説明の上、授業内で作成する。 |
質問への対応 | 原則としては、授業中か、授業直後に質問に対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
勢力尚雅(船橋5号館532研究室) 高橋 聖(船橋2号館213研究室) 高梨俊一(tax@penta.ge.cst.nihon-u.ac.jp) 荒関仁志(araseki.hitoshi@nihon-u.ac.jp) |
オフィスアワー |
月曜 船橋 12:10 ~ 13:10 高橋
水曜 船橋 12:30 ~ 13:10 勢力
水曜 船橋 12:30 ~ 13:10 髙梨
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学生への メッセージ |
※受講者数が多い場合には、第1回目の授業を聴講した学生を対象として 受講資格抽選を行ないます。 |