2020年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
| 科目名 | 教）教育相談 | ||
|---|---|---|---|
| 設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
| 担当者 | 伊藤 令枝 | 履修期 | 前期 |
| 単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜5 |
| 校舎 | 駿河台 | 時間割CD | Y15B |
| クラス | |||
概要
| 学修到達目標 | 学校における教育カウンセリング（教育相談）の基本を理解し、児童生徒に対して、そして、教育に対して真摯に向き合う姿勢を身につける。また、カウンセリング・マインドを理解し、共感的理解や受容的態度の基本を習得する。 青少年を取り巻く様々な問題を理解し、学校教育の現状を考える。さらに、スクールカウンセラーや、青少年問題を扱う専門機関との連携の必要性を理解する。 |
|---|---|
| 授業形態及び 授業方法 |
教育相談活動とその内容、不登校やいじめなどの諸問題、各種心理療法やカウンセリング・マインドに関する理論などについては講義形式とし、パワーポイントによる提示と板書を併用する。 共感的理解、受容的態度、傾聴などについては、グループでのワークショップやビデオ教材を活用する。 毎回、授業内容に応じた資料を配布する。 |
| 履修条件 | 「発達と学習」を受講済みであることが望ましい。 |
授業計画
| 第1回 | 教育相談へのアプローチ －教育相談活動の意義と内容、教育相談活動の歴史と展開、履修するうえでの心構え、学習の進め方 【事前学習】教科書の第1章を熟読する。（1時間） 【事後学習】自分自身の将来像をイメージしながら、教師としての資質を向上させようとする心構えを整える。（2時間） |
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| 第2回 | 教育相談活動と児童生徒理解 －心理検査、質問紙調査、観察法、面接・面談による児童生徒理解、教師と児童生徒との相互作用 【事前学習】エリクソンの発達理論について再学習し、教科書の第2～3章を熟読する。（2時間） 【事後学習】中高生の教師に対する態度について、自己の経験から具体的にふりかえる。（2時間） |
| 第3回 | 教育相談活動と連携 －校務分掌と校内連携、チーム支援、スクールカウンセラー制度、外部専門機関との連携、教師の役割と専門性 【事前学習】教科書の第11～13章を熟読する。（2時間） 【事後学習】出身校や実習先、学生相談室等のスクールカウンセラーに話を聞き、カウンセリングやスクールカウンセラー制度について具体的に理解する。（3時間） |
| 第4回 | 不登校 －不登校とその実態、不登校の背景とメカニズム、不登校対応のための視点 【事前学習】教科書の第10章を熟読する。（2時間） 【事後学習】地方自治体の教育委員会が所管する教育相談所（室）について調べる。（2時間） |
| 第5回 | いじめ －いじめの定義と特徴、ネットいじめ、いじめの発生する背景、いじめに対する基本的認識、早期対応の重要性 【事前学習】教科書の第9章を熟読するとともに、旧文部省・文部科学省によるいじめの定義を調べる。（1時間） 【事後学習】ネットいじめの特徴を調べ、よりよい対応や対策を考える。（3時間） |
| 第6回 | 非行と暴力 －非行とその実態、現代の非行の特徴、薬物乱用とその危険性、学校での暴力行為、非行対応と外部連携 【事前学習】教科書の第15章を熟読する。（1時間） 【事後学習】非行少年に対する指導案を考える。（3時間） |
| 第7回 | 児童虐待 －児童虐待とその実態、児童虐待による身体的・精神的影響、早期発見の意義と学校の役割 【事前学習】教科書の第14章を熟読する。（1時間） 【事後学習】児童虐待と思われる事例に遭遇した時に、教師として行える支援を考える。（3時間） |
| 第8回 | 自殺と自傷行為 －日本における自殺の特徴、追いつめられる青年の心理、自傷行為の実態とメカニズム、対応の原則 【事前学習】参考書「中高生のためのメンタル系サバイバルガイド」を概観する。（2時間） 【事後学習】教科書の第6章を熟読する。（2時間） |
| 第9回 | 発達障害（1） －発達障害の定義、学習障害(SLD)の理解、注意欠陥多動性障害（ADHD）の理解、学校での指導と支援 【事前学習】教科書の第4章を熟読する。（1時間） 【事後学習】学習障害をもつ子どもに対する学習支援の方法を考える。（3時間） |
| 第10回 | 発達障害（2） －自閉性スペクトラム障害（ASD）の理解、「心の理論」とASD、学校での指導と支援 【事前学習】教科書の第5章を熟読する。（2時間） 【事後学習】コミュニケーションに著しい困難を抱える子どもに対する支援の方法を考える。（2時間） |
| 第11回 | カウンセリング・マインド（1） －クライエント中心療法の概要、カウンセラーに求められる基本的姿勢、カウンセリング・マインドとその活用 【事前学習】教科書の第7～8章を熟読する。（1時間） 【事後学習】日常生活のさまざまな場面で、他者の良さに気づく訓練を意識的に行う。（3時間） |
| 第12回 | カウンセリング・マインド（2） －精神分析療法の概要、他者を「聴く」こと・理解することとその実践、他者を思いやることとその実践 【事前学習】親に対して、そして友人に対して、自分がとっている態度を客観的にふりかえる。（2時間） 【事後学習】誰に対しても誠実に接することを意識しながら行動し、その過程を記録する。（2時間） |
| 第13回 | カウンセリング・マインド（3） －行動療法の概要、他者の気持ちを聴くために必要なこととその実践、共感的理解と受容的態度 【事前学習】他者の話を聞く時の自分の態度について、客観的にふりかえる。（2時間） 【事後学習】日常生活の中で、共感的理解と受容的態度をもって他者に接する訓練を行う。（2時間） |
| 第14回 | カウンセリング・マインド（4） －認知行動療法の概要、他者の気持ちと自分の気持ちの違いに気づくこととその実践、自己の状態への着目 【事前学習】他者の話を聞く時に、他者の感情や思いをキャッチすることを心がける。（2時間） 【事後学習】自分自身の思いや感情を他者に伝えるにはどうしたらよいか考え、日常生活の中で実践する。（2時間） |
| 第15回 | 平常試験及びその解説 【事前学習】半期間の授業を通して学習した内容を整理する。（2時間） 【事後学習】学生同士で教育相談にかかわるロールプレイングを行う。（2時間） |
その他
| 教科書 |
藤田主一・齋藤雅英・宇部弘子・市川優一郎（編） 『こころの発達によりそう教育相談』 福村出版 2018年
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| 参考書 |
松本俊彦（編） 『中高生のためのメンタル系サバイバルガイド』 こころの科学増刊 日本評論社 2012年
松本俊彦・岩室紳也・古川潤哉（編） 『中高生からのライフ＆セックス サバイバルガイド』 こころの科学増刊 日本評論社 2016年
仙崎武・野々村新・渡辺三枝子・菊池武剋（編） 『改訂 生徒指導・教育相談・進路指導』 田研出版 2012年
藤田主一・齋藤雅英・宇部弘子（編） 『新 発達と教育の心理学』 福村出版 2013年
内藤佳津雄・北村世都・鏡直子（編） 『発達と学習』 Next教科書シリーズ 弘文堂 2020年 第2版
和田万紀（編） 『教育心理学』 Next教科書シリーズ 弘文堂 2014年
その他、授業中に適宜紹介する。
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| 成績評価の方法 及び基準 |
レポート（約25%）、ワークショップへの取り組み（約35%）、平常試験（約40%）による総合評価とする。 課題や平常試験等の詳細については授業内で伝達や解説を行うこととするが、提出された後に返却はしない。 |
| 質問への対応 | 授業前後に受け付ける。 |
| 研究室又は 連絡先 |
授業前後に駿河台校舎1号館講師室に在室している。 メールや電話等による問い合わせは一切不可とする。 |
| オフィスアワー | |
| 学生への メッセージ |
講義に関連する事項を各自で調べて理解を深めるとともに、児童生徒の実態の把握に努めてほしい。但し、情報収集を行う時には、その信頼性に留意するとともに、単一情報にかたよることがないように心がけてほしい。 与えられた課題をただ闇雲にこなすのではなく、学校教育に関心を持って有意味的に学習に取り組んでほしい。そして、自分自身に真摯に向き合い、周囲の人々に謙虚さと思いやりをもって接してほしい。 ワークショップへの積極的な参加を期待する。ワークショップを通して、自分自身のこころの状態と行動をふりかえってほしい。また、ワークショップには誠実性と相互協力の姿勢が必須である。そして、ワークショップ実施中に他者から得た個人情報を、外部に漏らしたり、授業以外の目的のために使用したりしてはならない。 |