2020年 大学院理工学研究科 シラバス - 土木工学専攻
設置情報
科目名 |
土木構造学特論Ⅴ
橋梁の破壊を学ぶ
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設置学科 | 土木工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小西 拓洋 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A45A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 鋼構造物の破壊事例から,破壊に基づいた構造物設計,製作,維持管理の原理を理解する. ①構造物がなぜ破壊するかを知る. ②橋梁等の破壊,事故の原因調査手法を習得出来る. ③破壊に対する構造物の照査方法を習得できる. ④破壊事故を防ぐための製作,施工技術を知ることができる. ⑤破壊事故を防ぐための維持管理技術を知ることが出来る. |
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授業形態及び 授業方法 |
パワーポイントにより,基礎知識,事例を示し,板書を併用して理解を深めるための説明を行う.基礎知識の理解のための演習を数回実施する.授業後に課題を出し,次の授業前に提出してもらい,その授業の最初に解説を行う. (教員は橋梁の設計,製作,維持管理の実務経験(26年),大学教員経験(8年)を持つ) |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
毎回の授業前に,教科書,参考資料の指定範囲を熟読しておくこと |
授業計画
第1回 | 鋼材の力学的性質:鉄と比べた場合の鋼の特徴,力学的性質を理解する. |
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第2回 | 材料の破壊:材料の破壊形態として,脆性破壊と延性破壊の違い,疲労破壊について説明する. |
第3回 | 引張りによる破壊の制御:引張り部材の耐力評価法について講義を行う.引張りを受ける部材部材の内部の応力分布は,偏心,応力集中等により不均一となる.このような影響を考慮した部材設計方法について説明する. |
第4回 | 引張破壊事例:ケーブルなど主要引張り部材の破壊事例研究:引張による破壊がどのような場合に発生するか,防食,応力集中の緩和などその対策について説明する. |
第5回 | 圧縮破壊の制御:鋼圧縮部材の主たる破壊は座屈現象であり,これによる強度低下とその設計法について講義を行う. |
第6回 | 脆性破壊:脆性破壊により構造物の重大事故が発生する場合がある.その事例を紹介し,危険性,破壊のメカニズムについて講義を行う. |
第7回 | 疲労破壊(理論):疲労は劣化破壊であり,耐荷力と荷重で破壊が決まるような力学現象と破壊基準が異なる.その破壊基準と発生,進展に影響する種々の要因について説明する. |
第8回 | 疲労破壊(調査):鋼構造物の疲労損傷事例を紹介し,疲労亀裂の検査法,原因の調査手段,評価法を体験し学ぶ.実際の橋梁点検を3次元シミュレータを用いて体験する. |
第9回 | 疲労破壊(設計):鋼構造物の疲労設計法を学ぶ.疲労損傷事例に対し,疲労破壊危険性の評価方法,防止対策設計を理解する. |
第10回 | 劣化(寿命)予測:疲労などの劣化現象について、劣化曲線の推定法,劣化レベルの予測法を学ぶ。橋梁の寿命予測を演習形式で行う. |
第11回 | 継手の破壊:構造物の破壊は接合部において発生することが多い.溶接継手とボルト継手の設計法について,まず解説する.講義では溶接継手とボルト継手の長所,短所を学ぶ.特に溶接継手については終局状態は疲労により決まること,その破壊への影響要因を説明する. |
第12回 | 破壊解析(1):一般的な限界状態の照査にはFEMなどを用いた非線形解析的が必要となる.VBAを用いた骨組みFEMプログラムにより,FEM解析手法を理解する. |
第13回 | 破壊解析(2):骨組みFEMプログラムを用いて破壊耐力の推定法を学ぶ. |
第14回 | 破壊制御設計法:破壊を限界状態と考えた限界状態設計法について学ぶ.実構造物の限界状態の照査法を演習により習得する. |
第15回 | 平常試験及び全体解説:破壊に関して学んだスキルを確認し,不足している部分については補講を行う. |
その他
教科書 |
三木千壽 『鋼構造』 テキストシリーズ土木工学10 共立出版株式会社 2004年 第2版
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
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成績評価の方法 及び基準 |
講義最後に示す課題に対するレポートの内容 9割 理解度確認試験(15回目) 1割 |
質問への対応 | |
研究室又は 連絡先 |
takuyokonishi@gmail.com 090-4524-4593(携帯) |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |