2020年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | 建築計画特論Ⅱ | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 本杉 省三 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C33A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 人は、生の喜びや悲しみ、祈りなどをさまざまな形で表現してきた。音楽、舞踊、演劇など今日舞台芸術と総称される表現芸術とそのための場・空間の歴史を振り返り、その根源的な意味やありようについて考えてみる。それらを通して、現代及びこれからの劇場や音楽空間について考察し、建築計画・建築設計が担うべき意味について学び、建築を考える上で必要とされる幅広い視点・価値観を身につける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
劇場・ホールの計画及び設計に関する実務経験に基づき、建築における諸問題をその歴史的変遷、現在に至る法制度と運営形態かあ建築デザインまで幅広い視点から考える。パワーポイントと板書を併用した講義とその講義を通して学生自身が考えたこと、調べたことを発表する授業を織り交ぜて行なう。本杉が主題を解説し、そこから話題を発展させながら学生の意見を求める対話的な授業形式で受講生の参加を促す。また、実地の施設見学を行うとともに、具体的事例を取り上げ、それを計画的視点から分析する演習的な内容も織り交ぜて行う。それらを通して、現代の劇場・音楽空間において求められる社会的役割、そのための空間について、受講者同士でディスカッションを行なう。また、必要に応じ、実務に携わるゲストを招きながら授業を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
毎回の授業は、前週に行った講義・学習から学生自身が考えたこと、調べたことなどを各自から発表してもらうことから始める。このため、授業後には、それに備えた学習をしておく必要がある。また、ここでの学習を劇場や音楽空間だけの課題として捉えず、人間社会における人と場との関係として考え、応用できるよう、普段から社会的な出来事に関心を持ち、社会状況や要請について考え、問題意識を持つことが望まれる。 |
授業計画
第1回 | 授業のねらいと成績評価 スケジュールと講義概要 |
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第2回 | 歌舞伎の誕生と芝居小屋の変遷 屏風絵を読む 豊國祭と阿国歌舞伎 |
第3回 | 古くて新しい音楽空間 コンサートホールの誕生と社会構造 音と音楽、音楽すること |
第4回 | ヨーロッパの歴史的劇場と現代の劇場・音楽空間 各地の特徴ある劇場・コンサートホールの紹介 歴史的劇場空間・音楽空間から学ぶこと |
第5回 | 制度としての建築・劇場 建築を作り出すもの、建築を縛るもの 劇場を縛るもの、劇場を作り出すもの 劇場法、文化振興条例 指定管理者と労働環境 |
第6回 | 課題発表とディスカッション 各自が設定したテーマ・関心に基づいて、建築タイプの原型を探り、それについて各自が調べたとこについて発表する。さらに発表内容に関する質疑応答などを行ない、それぞれのテーマを掘り下げる。 |
第7回 | 日本の祭/劇場空間の原型(1) 道空間:神を迎え、送る空間 春日若宮おん祭 四天王寺御霊会 |
第8回 | 劇場見学(見学先との調整があるので、この時間以外になることもあります) 運営者・管理者・技術者との懇談 |
第9回 | 日本の祭/劇場空間の原型(2) 祈りと喜びの空間 奥三河設楽町の神楽と歌舞伎 花巻市大迫の早池峰神社宵宮と例大祭 |
第10回 | 西洋における演劇的空間と劇場空間の始まり(1) ギリシャ演劇と劇場 演劇の最盛期と建築形式の完成時期の差 |
第11回 | 西洋における演劇的空間と劇場空間の始まり(2) キリスト教と演劇 宗教・政治と庶民演劇 |
第12回 | プロセニアム劇場の誕生 ルネサンスの探求がもたらしたもの 広範な視野と誤解 |
第13回 | シェークスピア時代の劇場 娯楽と芸能、酒場と宿屋と芝居 |
第14回 | 能の世界 幽玄の美 興福寺の薪能 |
第15回 | 講義の総括(理解度確認期間) 建築の評価と建築の価値 劇場・建築は変わるのか、変われるのか? |
その他
教科書 |
本杉省三 『劇場空間の源流』 鹿島出版会 2015年
本杉省三、井口直巳他『音楽空間への誘い』鹿島出版会、2002年
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
衛紀生、本杉省三「地域に生きる劇場」丸善出版、2000年
鈴木博之、本杉省三他「劇場・コンサートホール」SDSシリーズ 新日本法規出版、1995年
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート課題(70%)、授業内ディスカッション(20%)、施設見学(10%)の総合評価 |
質問への対応 | 授業内で受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
motosugi.shozo@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |