日本大学理工学部創設100周年おめでとうございます。
高校時代とは全く違い、社会人として役立つ専門知識を身に付ける、それが大きな違いで、意識することなく入学しました。
精密機械工学科でよかった。今までとは違う仲間ができ、大学へ通うことが楽しかったです。若い時の特権でしょう。未来に向かって邁進する一歩一歩に希望がありました。
次世代が求める機械、情報、電気・電子などの多分野に精通したエンジニアになれるよう、基礎工学に重点を置いたカリキュラムを学ぶことができ、知らずのうちに自分を形成し、明日への糧に繫がっていきました。
機械製図では図面を手書きするため、鉛筆の研ぎ方、筆圧のばらつきがあるときれいに書けない、鉛筆の傾け方も学びました。何より対象物を投影し図面化するのが苦手でした。
工作実習実験では「つなぎ」の作業着を着て、フライス盤、旋盤、アーク溶接などを実習しました。独特な機械油の匂いでした。すごく上手にできる仲間がいましたね。
中でも特に印象に残る事といえば、4年生で計測と制御の研究室へ配属してもらい、生涯の師ともいうべき松代正三先生、木幡正敏先生に出会えたことです。
特に理工学部次長の松代先生は人間的に大きな先生で、先生のお人柄は、我々学生に大らかさと希望を与えてくれました。しかし忙しい人でした。身近で一緒にいて一番面倒を見てくれた木幡先生には、「制御系の設計手法に関する研究」などで背景、理論、実験評価に関してご指導いただきました。なかなか理解できず難しかったことが目に浮かびます。社会人としての心構え、思いやりや気遣い、先輩後輩との付き合い方など、これからの社会へのイロハを教えてくれたと思っています。
研修旅行では軽井沢研修所はすばらしく、朝は心地よいBGMが聞こえ、自然と目が覚めます。勉強会をやり仲間とのすばらしい思い出を作りました。研究室内では今後の人生について語り合い、よく遊びよく親睦を深めたものです。
卒業後はソフト技術者として会社にお世話になりコンピュータ制御による電子交換機、地図が簡単に描けるワープロ、そして公共事業に欠かせない防災システムなどに絡むことができました。
今でも他学科の横断的な校友に恵まれ、楽しいお付き合いの中、人間性を高めることができ、人生での大きな財産となっています。
最後に、当時ご指導をいただいた多くの先生方に感謝を申し上げます。日本大学理工学部のさらなる発展を祈念いたします。