交通システム工学科/専攻
原田 憲武
東海旅客鉄道株式会社
2019年3月 交通システム工学専攻修了
現在のお仕事の内容を教えてください。
静岡県富士市にある現業機関において,東海道新幹線の線路を保守する業務に携わっており,主に検査担当をしています。決められた周期・方法で漏れなく検査が行われるように計画・管理し,検査結果をとりまとめて分析し,必要に応じて修繕を手配しています。線路の状態は日々変化し,どれも異なるので,線路の状態を適切に把握できるよう検査を実施し,タイミングを逸することなく最適に処置されるように考えながら行っています。適切な処置を怠ると列車の乗り心地を悪化させ,場合によっては列車の安全にも影響を与える責任の大きな仕事であり,やりがいを持って今の仕事に従事しています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?
大学院の研究活動を通じて身についた,課題に対し多方面から分析し最適な解決策を導く論理的な思考力が現在の仕事に役立っています。大学院時代に取り組んだ修士論文では,高齢運転者による交通事故の減少を目的に,高齢者の運転特性に着目し,交通事故の発生には多様な要因が複合的に関連していることを明らかにしました。最初は何を考えればいいのかも分かりませんでしたが,試行錯誤を重ねることで,論理的な思考力が培われたと感じています。現在の新幹線の保守業務でも,単純な問題は少なく,自ら論理的に考えることで課題解決が図れています。研究活動で培ったこの論理的な思考力は,東海道新幹線の安全性や快適性の確保につながっています。
大学院に進学して良かったことは何ですか?
学部以上に交通工学に関する専門性を高められたことです。学部では講義を聞いて学ぶのが主であったのに対し,例えば,完全自動運転社会に変わる前に備えておくべき懸念材料を議論するなど,深い知識をベースに常に自分の意見を考えたことが印象的です。講義以外では,研究活動において多くの学会に参加し,他大学の先生や学生などと意見を交換するなど,多彩な交流ができたことも大学院に進学して良かった点です。以上のように,大学院では学部で学んだ知識をさらに深め,広げられたとともに,それらの知識をベースに自分の考えを持つことができ,さらなる成長につなげることができたと考えています。
学生生活での思い出を教えてください。
学生生活で印象に残っているのは,講義の一環で地域の交通実態を調査したりさまざまな交通インフラを見学したことです。その中でも最も印象に残っているのは,静岡県伊東市に足を運び,実地調査したことです。伊東市で課題となる交差点の抽出や,観光スポットである伊東マリンタウンの駐車実態調査等を行い,交差点制御の改善案やターゲットとすべき観光客の情報を提供するなどしました。講義を通して地域に貢献したことが今でも思い出として残っています。このように,鉄道施設や道路,港湾などを現地で直接見て,実態を捉えることや,実際の課題を目の前に実践的に検討することで,交通の仕組みや実社会の課題を肌で感じることができました。
交通システム工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。
日大理工の交通システム工学科では,人々の生活に密着した交通工学を学ぶことができます。座学だけでなく,実際に現場を訪れて交通インフラの現物を見たり,実地調査を通じて交通現象を理解したりする実践的な学びが得られます。このような経験を通じて,将来に役立つ知識やスキルを身につけることができます。交通分野は社会を支える重要な分野です。ぜひこの学科で自分の興味を深めながら社会に貢献する力を磨いてください!