海洋建築工学科/専攻
杉田 陽平
株式会社竹中工務店
2014年3月 海洋建築工学専攻修了
現在のお仕事の内容を教えてください。
設計部に所属し,建築設計を専業として活動しています。昨年,富山県南砺市の多雪地域で集会施設が竣工しました。この建物は高齢の利用者への配慮から,雪下ろしが不要で隣地や道路への落雪,氷柱の形成を防ぐ設計が求められました。雪が特徴的な街のため,積雪解析を行い積雪被害のない多角谷型の蓄雪屋根をデザインしました。また,心地の良い空間を目指し,春や秋の中間期には敷地の目の前に広がる河川から「川風」を取り入れようと自然換気解析を実施しました。そして,建物の壁を凹凸のある形状にし,風を効果的に受け止める構造にすることで自然換気を促進しています。このような地域の自然環境を意識した建物の設計を行っています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?
海洋建築工学科では身近にある川や海,風からの影響など自然環境を取り入れた設計に関する知識が重要で,ここで修得した自然と社会の持続可能な建築手法が,現業で大いに活かされています。また,学外活動に参加した経験も大きな影響を与えており,ワークショップやセミナーで,当時のトレンドや技術に触れ多様な視点を養うことができました。さらに,建築賞への応募を通じて自己表現の重要性を実感しました。プロジェクトを発信し,他者からのフィードバックを受け取り,成長する機会を得ました。これらの経験は,建築主に対してクリエイティブな提案を行う基盤となっており,私のキャリアに欠かせない要素となりました。
大学院に進学して良かったことは何ですか?
特に「研究室」での活動が大きな魅力です。研究室では「自由は責任」という言葉の下,社会性のある自主的な研究活動が奨励され,仲間と共に切磋琢磨できる環境が整っています。また,研究室同士のつながりもあり,この自由な雰囲気は研究の質を高めるだけでなく,私自身の成長にも寄与しています。さらに,在学中に海外の設計事務所での勤務を経験し,国際的な視点を持つことの重要性を実感しました。この多様な経験は卒業後のキャリアにとっても大きな財産となっています。大学院での学びは,専門性を高めるだけでなく,私の視野を広げる貴重なステップとなりました。
学生生活での思い出を教えてください。
学生生活での思い出の一つは,日本大学ならではの多様な建築系学部や学科とのつながりを活かし,建築を学ぶフィールドを広げられたことです。特に,海洋建築工学科からの紹介で建築家事務所での活動に参加できたことは,非常に貴重な経験でした。実際の現場での活動を通じて,教室では学べないリアルな知識や技術を身につけることができました。また,所員とのコミュニケーションを通じて,さまざまな視点やアイデアが交わされ,自分の考えを深める機会も増えました。設計のプロセスを間近で見ることで,建築の魅力をますます実感し,自分の将来の目標もより明確になりました。そして,建築に対する情熱をさらに高め,私の成長に大きく寄与しました。
海洋建築工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。
日大理工の海洋建築工学科では,専門性を深めながらも,個人としての視野が広がる機会が待っています。そして,学内外問わず多様なプロジェクトに参加する機会があり,自分の興味を追求しながら知識を深め,実践的なスキルを身につけることができます。さらに,個人活動の自由度が高く,アイデアやビジョンを具現化することができる環境が整っています。この自由な発想が創造力を引き出す重要な要素です。また,自然環境を学べることも魅力の一つです。海洋環境や都市計画についての理解が深まることで,持続可能な建築やデザインの重要性を実感でき,自分自身の成長につながります。この学科で学ぶことで,専門的な知識と広い視野を持った建築家として成長できると思います。