応用情報工学科/情報科学専攻
青木 孝一郎
Spark Engineering株式会社
2004年3月 情報科学専攻修了
現在のお仕事の内容を教えてください。
大学院を卒業後,大手電機メーカーの子会社で約12年間エンジニアとして働きました。その後,外資系企業に転職し,シミュレーションソフトを販売する技術営業として4年間勤務。多くの企業の開発現場を見てきましたが,シミュレーションソフトを導入するだけでは解決できない課題が多くありました。そこで,根本的な問題解決を支援する会社が必要だと考え,2021年に独立し,会社を設立しました。仕事内容はシミュレーション技術を活用したソフトウェア開発を行っています。主に自動車業界の電動自動車,自動運転支援などに携わっています。さらには半導体業界のソフトウェアも手がけており,私の作ったものが海外の有名企業にも使われています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?
最初の会社では,ナビやカメラの製品を担当しました。もともとソフトウェアエンジニアを希望して入社しましたが,ソフトウェアだけでなく,電気回路,ノイズ試験,実機評価などの幅広い知識が求められ,一時は悩みました。ただ,大学ではプログラミングだけでなく,はんだごてを使って回路を組む実習,制御工学,電磁気学などを学び,また実験を通じてデータのまとめ方や分析方法を身につけていたため,なんとか仕事についていくことができました。大学時代は何のために学んでいるのか,目的を理解できていなかったことも多かったのですが,学生時代に基礎をしっかり身につけておくことで,社会に出た時に役立ったと感じる場面が多々ありました。
大学院に進学して良かったことは何ですか?
学部時代にサークル活動に力を入れすぎて,あまり成績が良い方ではなかったのですが,大学院に進学し,大きな刺激を受けました。特に1つ,2つ上の先輩方は非常に優秀で,先輩方と接することで自分の力不足を痛感しました。その経験から,もっと努力しようと思うようになり,社会に出た後も勉強を続ける習慣が身についたと思います。エンジニアとして成長するためには,優秀なエンジニアと一緒にいる環境がとても大切です。同学年の方と過ごすことも大事ですが,研究室のOB・OG,先輩や先生と過ごす時間を通じて,多様な考え方や価値観を学生時代に学ぶことができたのも貴重な経験でした。
学生生活での思い出を教えてください。
大学生活では,友人やサークル仲間と過ごす時間が多く,楽しい思い出ばかりでした。研究室に所属してから印象に残っているのが夏合宿です。夏合宿では,恒例のロボット大会があり,自分たちでルールを決め,決められた費用の中で簡単なロボットを作成し,そのコンセプトや競技内容を発表するという企画でした。数ヶ月前から準備するのは大変でしたが,自分のアイデアが採用された時の達成感は忘れられません。社会に出ると,正解がなく,ルールを守りながらもベストな方法を考えなければなりません。その選択が正しいかどうかはすぐには分かりませんが,日々試行錯誤を繰り返しながら答えを導き出す力が求められます。大学時代の経験が,こうした考える力を鍛えてくれたと思います。
応用情報工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。
ものづくり系のエンジニアは,自動車産業をはじめとする日本の基幹産業を支える大切な仕事です。現在は,自動車産業が100年に一度の変革期を迎えており,新しい技術が次々と生まれています。この流れは他の業界にも広がっていきます。これからの時代は,従来の方法にとらわれず,新しい技術に挑戦するエンジニアが求められています。そのためには,ソフトウェアだけに拘るのではなく,ハードウェア,システム工学,制御工学など幅広い知識が必要です。IT,クラウドやAIも話題ですが,日本の強みであるものづくりが発展すれば,関連する経済にも大きな影響を与えます。話が壮大になりましたが,日本の未来に貢献できるものづくりの世界に,ぜひ,飛び込んできてください。