数学科/専攻
岡田 裕紀
東京都立府中工科高等学校
2014年3月 数学専攻修了了
現在のお仕事の内容を教えてください。
都立高校の数学科教諭として日々の授業を中心に,学校業務を担っています。授業では高校1年生から3年生まで複数の科目を担当し,今年度は副担任として学級運営にも関わっています。教諭には教科の授業とは別に校務分掌という仕事があります。私自身は進路指導部の一員として,生徒の卒業後の進路実現に向けた情報収集及び,それに基づいた指導を担当しています。直接的にも間接的にも,その瞬間の生徒のみならず,生徒の未来に携わることができるという,極めてやりがいのある仕事です。そのような仕事を,緊張感を持ちながらも同僚と協力しながら手がけるという,充実した日々を過ごしています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?
学生時代には数学を基礎のキソからじっくりと学び,考え抜き,学友とも度重なる議論を重ね,どのように“数学を学ぶのか”を,改めて知ることができたと感じています。偉い人が言ったことを正しいとするものではなく,数学という学問の前では全ての人間が対等ですが,真実なのか虚偽なのかを見極める力が全ての人に求められる時代こそ,大切な能力を育む学問であろうと考えます。数学という学問を通じて獲得した学びのイロハは,特に超情報化社会とも称される現代において,さまざまな困難の解決に通用するものだと実感しています。
大学院に進学して良かったことは何ですか?
大学院とは,学生の一人ひとりが研究テーマを持ち,専門分野に特化した研究に没頭できる場です。高いところに登ると,全体がどうなっているのかが良く見えるように,大学院に進学したことで中学高校の数学もさまざまな角度から俯瞰できるようになりました。学部時代に私は決して優等生ではなかったと思いますが,研究に粘り強く取り組み,トライアルと失敗を繰り返しながらも簡単には投げ出さずに続けたことで,最終的には修士論文も出版できる喜びを経験した,かけがえのない2年間になりました。あの濃密な大学院時代は社会人生活ではなかなか出会えない,何にも代えることのできない貴重なものであり,今も自分自身の大切な糧となっております。
学生生活での思い出を教えてください。
『自主ゼミ』が,特に強く印象に残っています。通常のゼミナールは所属する研究室の先生が輪講に付き添い,先生からその場で助言・進言を受けながら進めることが多いのですが,学生数名だけで行う勉強会を『自主ゼミ』と呼んでいました。理系の学生は,分からないことをワカラナイままにしたくない人が多いのかと思われますが,自分自身も含め,当時の自主ゼミメンバーは些細なことでも誰かがワカラナイときには一緒に考え,手を変え品を変え,たくさんの例を交えながら,皆で納得するまで意見を交わしていました。あの場において,徹底的に議論をしながら物事を考えるという,大切な学びの手法を身につけました。
数学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。
少しでも数学が面白いと感じる,数学がどのように応用されるのかに興味がある,という人は,数学科に進むことで皆さんにとって一番良い大学生活を送ることができると私は断言できます。私は純粋数学でしたが,同級生には情報系の応用数学を選ぶ者もいました。幅広い選択肢だけでなく,深く学べることも日大理工数学科の素晴らしいところです。学部の授業で純粋数学とその高度な応用からコンピュータスキルを含め情報数学まで網羅する学び舎であり,貴重な出会いが得られます。若い時代に体得した知識や技法は失われないと言われますが,数学科で学んだことは,どんな世界にもどんな時代でも通用する,一生モノの財産となります。