日本大学理工学部

Step2

音楽の数学(バイオリンの純正率とピアノの平均律)

物理学科

音楽には基本的で重要な数学がいたるところに隠されています。それは大学で習う複雑で高度なものではありません。すべて高校数学の基本事項です。さて、皆さんはどのような数学が隠されているか分かりますか?三角関数、対数関数、指数関数、有理数、無理数、素数、公約数と公倍数、素因数分解、有理数と無理数の整合、多項式と整数方程式・・・などが音波、音の大きさと聞こえ方、平均律、純正律、音階、和音、ピタゴラスのコンマ、協和音と不協和音、12音律・・・の中に隠されています。どれとどれが関係するのでしょうか?さらに、ピアノは無理数、バイオリンは有理数という対応ができます。なぜそうなるか分かりますか?一方、弦楽器は高校物理の波動分野の基礎です。講義ではバイオリンを用いて、固定端と倍音・波長・振動数の関係、共鳴・うなりを弦の振動を実際に目で見て確認します。音色と正弦波の重ね合わせの関係をフラジオ奏法により実際に耳で聞いて確認することができます。

この授業では、音楽に隠されたこれらの数学と物理を実際にバイオリンを用いて1つ1つ実感していきます。特徴は、高校数学の基礎を耳と目で確認するという楽しくユニークな実験です。音色についてはオシロスコープを用いていろいろな楽器の波形を目で見て確認します。応用として、フーリエ級数展開という大学の数学を少しだけやさしく説明します。授業は、通常の教室とPC室のいずれへも対応しており、PC室で行う場合は、ヘッドマイクを用いて各自のPCへ音を取り込むことで一人一人がオシロスコープソフトウエアを操作して実験します。もしも、音楽室(ピアノ)を使うことができる場合は、ピアノの平均律とバイオリンの純正律を聴き比べることが可能です。

素数と音律の関係を拡張すると12音階ではないさまざまな音階を作ることができます。その宇宙人の音楽も作曲してみましたので聞いてみましょう。時間が余ればバイオリンで一曲(?)いかがでしょうか。

山中 雅則
申し込む

このページのトップへ