日本大学理工学部

Step2

超新星で探る宇宙の膨張速度

物理学科

宇宙は約137億年前に起きたビッグバン(大爆発)以来今日まで膨張を続けてきたと考えられています。その膨張速度を表すハッブル定数Hoを正確に決定することは、宇宙の年齢を知ることに対応し、現代天文学の最重要課題の一つです。宇宙の膨張速度を求めるには、遠い天体までの距離とその天体が遠ざかる速度を知ることが必要です。太陽のような恒星が進化の末に到達する白色矮星(はくしょくわいせい)という星が大爆発をおこす現象をIa型超新星といいます。

この超新星はどれも同じ明るさで輝くので、みかけの明るさから超新星までの距離を測定することができます。これを利用して、最近では、非常に遠方の超新星の距離が測定され、宇宙膨張の速度や速度の変化率(加速度)が正確に求められるようになりました。その結果、現在の宇宙では、膨張を加速させる「真空のエネルギー」の効果が、減速させる重力の効果を上回っていて、加速膨張していることが明らかになりました。

岩本 弘一
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