土木工学科講義一覧
脱炭素社会を目指すセメント・コンクリート分野の取り組み
担当講師:佐藤 正己 / 近年,脱炭素社会が社会問題になっている。セメント・コンクリートは,社会インフラを構成するために最も多く利用されている材料である。しかし,コンクリートを製造するために使用されるセメントは,製造時に多くの二酸化炭素を排出するために,セメント産業・建設業では社会的な課題となっている。本講義では,セメント産業,建設業,研究機関での取り組みについて行います。
微生物を利用した下水からの資源回収
担当講師:齋藤 利晃 / 私たちは,新しい細胞を合成したり生体器官を維持するため,食べ物や飲み物から栄養とエネルギーを吸収しています。私たちが廃棄する食べ残しや厨房排水,排泄物には,吸収しきれなかった栄養とエネルギーが豊富に含まれているため,そのまま川や湖に放流すると,有機物汚濁や富栄養化などの深刻な水質汚染を引き起こします。水環境を保全し,かつ,持続可能な社会を構築するためには,排水を適切に処理…
私たちのくらしを支えるコンクリート構造物
担当講師:山田 雄太 / 私たちの身の回りには,くらしを支える橋,トンネル,ダムなどの土木構造物があふれています。これらの土木構造物の多くはコンクリートと鉄などで造られています。例えば,「鉄筋コンクリート」と呼ばれるコンクリート構造は,コンクリートと鉄などの持つ長所と短所を互いに補い合う構造形式です。これまで私たちのくらしを支え続けていた土木構造物ですが,その多くが寿命を迎え始め,これからも安全か…
見えないモノを診る技術
担当講師:中村 勝哉 / 私たちの豊かな暮らしは道路,鉄道,ダムまたは電力施設等の多様な社会基盤施設と共にあります。また,社会基盤施設は地盤に支えられており,施設の設計,維持管理においては施設を支える地盤の状態を把握する必要があります。しかし,地盤内部の状態については目視で確認することが困難です。確認することが困難な地盤内部を把握する手法の一つとして物理探査が挙げられます。物理探査とは,対象とする…
まちの魅力-見つけ方と楽しみ方
担当講師:三友 奈々 / 本講義では,日本の中での地域差,海外との差を知ることで,客観的に自分の住むまちの魅力に気づいて誇りを持てるようになったり,自分の家や自分の部屋のようにまちに関心を持てるようになったりすることを目指しています。また,海外を含めた他の地域やそこに住む人々に対して興味を持つきっかけになればと思います。講義は,大きく二部に分かれます。前半は,主に日本の事例を用いて,まちの魅力の見…
宇宙から見た環境と災害
担当講師:羽柴 秀樹 / 人工衛星を用いて地球を観測する試みは今から約40 年前から始まりました。現在では多くの国がさまざまな特徴をもったセンサーを開発し多数の衛星を打ち上げ,観測や調査活動を行っています。このような衛星観測によって得られた画像情報は自然環境の評価・保全などに役立てられたり,また社会基盤の計画や整備のための情報として利用されています。 人工衛星から地球の表面を観測すると,普段の生活…
高速水流とその制御
担当講師:佐藤 柳言 / 日本には,2500基以上の数のダム(写真1)が整備されています。ダムは,洪水調整・水資源の確保・水力発電・河川環境保全などを目的に造られるもので,我々の生活に欠かせない土木構造物の一つです。ダムの堰上げによって貯められた水は位置エネルギーの大きい状態になるため,ダムからの放流水は大きな運動エネルギーをもつ流れ(高速水流)となります。このような高速水流をダム下流側の河川・水…
水をきれいにしながら温暖化防止も考える
担当講師:吉田 征史 / 生物は水がなくては生きていけません。しかし,私たち人間の生活が便利になったことで排出量が増加した生活廃水・工場廃水などにより,水域では有機物・窒素・リンといった物質が増え,その結果,植物プランクトンが大量増殖し,まるで緑色のペンキを流したような汚い水域になってしまいます。さらに近年,地球温暖化を起因とした海面上昇や異常気象などが続き社会問題となっています。温暖化の原因とし…
風による揺れをエネルギーに変えよう
担当講師:長谷部 寛 / 風が吹くと構造物は傾いたり変形したりするだけでなく,しばしば振動(揺れ)が生じます。特に長い橋や高いビル・タワーなどは揺れやすく,過去には風によって生じた揺れが原因で壊れてしまった長い橋もあります。構造物をつくる上で,風による揺れは避けるべきポイントの一つです。一方で,構造物をつくる上で避けるべき揺れも,見方を変えると貴重なエネルギー源です。風によるエネルギー(風力エネル…
あなたの足元の地盤は大丈夫?!~液状化の恐怖~
担当講師:鎌尾 彰司 / 地震によって地盤に液状化現象が発生します。東日本大震災では関東地区でも液状化による構造物の傾斜やマンホール等の隆起などが数多くの地盤災害が発生しました。また,その後に各地で発生した地震において,やはり液状化現象が多発しております。なぜ構造物が建っている地盤が地震が来ると液体状になってしまうのか?どうしたら液状化の被害を防止できるのか?などを液状化のメカニズムを科学的に解き…
GISによる社会課題や被災概要の可視化
担当講師:園部 雅史 / 自動車や建築構造物など私たちの暮らしに必要な物を製造する材料として重要なものに鉄鋼があります。鉄鋼を作る段階で出る産業廃棄物は「鉄鋼スラグ」と呼ばれ,その多くが,まだ有効利用されずに放置されています。鉄鋼スラグには「高炉スラグ」と「転炉スラグ」の二種類があります。高炉スラグは国内で約2300 万t発生しセメント材料等として有効利用されています。しかし,転炉スラグは約100…
水の流れをデザインする
担当講師:高橋 正行 / 旧来から自然と人工物との調和を考えた景観(landscape)が様々な所で見られる。例えば,自然に形成された滝と植樹との調和などが挙げられる。人が好む景観には静止したものばかりでなく動きのあるものと調和のとれた景観も数多くある。「ながれ」を意識して表現しなおすと,「ながれ」の有する「動」が周囲の「静」なる対照物と調和して美しい景観を創り出すものと考えられる。 河川に設置さ…
雪って楽しい?怖いもの?
担当講師:小田 憲一 / 雪が降るとなぜだかワクワクした気持ちになります。雪だるま,雪合戦,ウィンタースポーツ,きれいな雪景色,私たちの生活に癒しを与えてくれるイメージが強い雪ですが,楽しいことばかりを我々に与えてくれるわけではありません。 都心部に雪が降ると,電車が停まったり,車が動けなくなったり,歩行者が転倒してけがをしたり,大混乱を引き起こします。毎年雪が降る地域も例外ではありません。積雪が…
河川環境の改善ができる地球の医者を目指して
担当講師:安田 陽一 / 日本に限らず世界各国で河川に生息する水生生物の生息環境は,人の生活環境を守るための利水・治水の観点から整備された河川横断構造物によって大きく影響されています。その結果,水生生物の移動・遡上・降河が困難な箇所が多くあります。これからの時代は,生態系保全につながる環境改善の技術を具体的に見出し,実践的に実施していくことが土木工学の役割の一つとして認識しています。私の専門分野は…
ピサの斜塔の秘密 ~構造物を支える地盤~
担当講師:鎌尾 彰司 / 皆さん!ピサの斜塔をご存じですか?1173年に建設が開始され,途中2度にわたる建設中断がありましたが,1370年に完成いたしました。建設から既に800年以上も経過しておりますが,いまだに塔の沈下が進み,その傾斜角度も年々大きくなっております。構造物下の地盤の不等沈下が原因であると言われており,このままでは倒壊してしまう恐れもあります。本講義では,ピサの斜塔が倒壊するのを防…
美しい橋はどのように生まれるか
担当講師:関 文夫 / 見知らぬ土地に行きたいという人類の望みを叶えるために「橋」が造られる。より遠くへ,より長く,人類の欲望は,果てしなく,「橋」は,その時代の技術力を風刺した傑作品ともいえます。「橋」は,架橋されるとその地域に根差し,地域の風景として存在感までも現れてくるので不思議な構造物です。その魅力のひとつに,計算されつくした構造から生まれるカタチがあり,空間という機能の洗練から生まれるも…
製鋼過程で発生する産業廃棄物のリサイクルと環境対策
担当講師:梅村 靖弘 / 自動車や建築構造物など私たちの暮らしに必要な物を製造する材料として重要なものに鉄鋼があります。鉄鋼を作る段階で出る産業廃棄物は「鉄鋼スラグ」と呼ばれその多くが, まだ有効利用されずに放置されています。鉄鋼スラグには「高炉スラグ」と「転炉スラグ」の二種類があります。高炉スラグは国内で約2300万t発生しセメント材料等として有効利用されています。しかし, 転炉スラグは約100…
「都市」を眺め,そして創る
担当講師:大沢 昌玄 / 私たちは,「住む」「働く」「学ぶ」「遊ぶ」ことの多くを都市で行っています。そして,私たちは生活する上で「安心」して「快適」にそして「楽しく」暮らせることを望んでいます。つまり,都市を考えることは自分の生活環境を考えることでもあるのです。そこで私は,皆さんに,快適で楽しく安心して暮らせるまちづくりについて,現在の都市を眺めながら,都市の成り立ちを踏まえ未来の都市について解説…
プロジェクトを評価する
担当講師:金子 雄一郎 / 私たちの身の周りにある道路や鉄道,上下水道,エネルギー施設など-これらは社会基盤施設(インフラストラクチャー)と呼ばれています-は,毎日の暮らしの中で欠かせない施設です。そのため,施設を整備する際には多くの場合,貴重な税金が使われます。税金は有効に使われなければなりませんので,整備に要する「費用」に見合うだけの「効果」が得られるのか,事前に十分チェックしておく必要があり…