量子科学研究所講義一覧
光の本質を探る
担当講師:井上 修一郎 / 私たちの日常生活に欠くことのできない光は,太陽や蛍などの自然界に存在する発光体をはじめとして,電球や蛍光灯のような照明器具,半導体レーザーや発行ダイオードのような家庭電化製品の構成部品など,様々なものから発せられます。通常,光は干渉や回折といった波動的性質を示すものとして認知されていますが,光の構成単位は「光子」とよばれ,光源に特有のエネルギーを持つ粒子です。光の粒子と…
量子で実現する究極的な情報技術
担当講師:行方 直人 / 身の回りの物質,光(電磁波)などをミクロな領域まで分解していくと,それらの振る舞いは量子力学によって記述されます。量子力学が誕生してから100年ほど経ち,今や量子力学のコンセプトは情報社会へ実装されようとしています。その例として,盗聴を完全に無意味化する「量子暗号」や一部の困難な問題が高速に計算できる「量子コンピューター」が挙げられます。どちらも量子力学の原理を用いなけれ…
「光源」としての電子加速器
担当講師:早川 恭史 / 荷電粒子を電磁場を用いて人工的に加速する装置を「(粒子)加速器」と呼び,「電子」は加速される荷電粒子の代表的なものの一つである。「電子」は最も軽い荷電粒子であり,加速を受けて容易に光速に近い速さを持つようになる。相対性理論に従い,光速を超えることはできないが,99.9%といった非常に近いところまで到達することができる。このような光とほぼ同じ速さの電子の軌道が磁石の磁場によ…
原子力の基礎と未来:持続可能なエネルギーの可能性
担当講師:渡部 政行 / 次世代のエネルギー源として期待されている発電方式の一つに「核融合発電」があります.核融合とは原子力エネルギーの一つであり,太陽などの恒星内部で起こっている核反応です.つまり核融合発電とは,『地球上に小さな人工太陽を創り,そのエネルギーを用いて電気を作ろう』と言う世界的なプロジェクト研究です.講義ではまず,物質の構成とその特性を「結晶」,「原子・分子」,「原子核と電子」の大…
量子論と識別不可能な同種粒子
担当講師:大谷 聡 / 身の回りの物質を分割していくと,究極的には分子や原子,そしてそれらを構成している素粒子のようなミクロな粒子に辿り着きます.そのようなミクロな粒子たちの運動を記述するのが量子論(量子力学)と呼ばれる物理学の理論です.この量子論によると,同じ種類の粒子は全くの無個性で,原理的に区別をすることができません.この「同種粒子の識別不可能性」は非常に深い意味を持ち,例えば元素の周期表は…