物質応用化学科講義一覧
日常生活を支える分析化学
担当講師:吉川 賢治 / みなさんは「分析化学とは何か?」という質問に対して,どのように回答するでしょうか。「理論化学」,「無機化学」,「有機化学」は高校でも良く聞く思いますが,このページを見て初めて知った方も多いでしょう。しかし,「分析化学」なくしてみなさんの日常生活は成り立たないでしょう。例えば,水道水は硬度や有害成分の検査後に各家庭に供給され,食卓に並ぶ食品は栄養成分や食品添加物が表示されて…
バクテリアが産生するセルロースナノファイバー
担当講師:星 徹 / セルロースナノファイバー(CNF)という名前を聞いたことがあるでしょうか? 最近では,自動車のボディをCNFとプラスチックを複合化した強化プラスチックで作成したことが話題となりました. このCNFは木材から製造することが多いですが,一部のバクテリアもCNFを産生することができます.バクテリアが産生するCNFはバクテリアセルロース(BC)と呼ばれ,水を多く含んだゲル(BCゲル)…
タンパク質の形を通して知る生命の仕組み
担当講師:鎌田 健一 / 生命活動を支えるタンパク質は,それぞれが独自の“かたち”をもち,その立体構造によって働きが決まります。現在では,X線結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡などの技術によって,これらの精密な構造を“見る”ことが可能になっています。この講義では,ナノスケールの分子の世界を「構造生物学」の視点から読み解き,タンパク質のかたちと機能の関係について紹介します。また近年は,自然界に存在しな…
化学反応でわかる人体の異常
担当講師:松下 祥子 / 健康診断では, 血液や尿・画像などを用いて疾患の疑いがあるかを調べます. そして, 疾患には特徴的なマーカー分子の増減が知られており, それらの化学構造や特性を利用した検査が行われています. 例えば, 尿潜血検査において尿中に漏れ出た赤血球に含まれるヘモグロビン量を測定することによって, 腎泌尿器疾患を見つけることができます. 尿潜血試験紙には酸化されると色が変わるo-ト…
植物と医薬品の関係
担当講師:浮谷 基彦 / 私たちの身の回りには,多くの医薬品が存在します.それらは,適当に作られたものではなく,様々な研究・開発の過程を経て,生活の中に送り出されてきたものです. しかし,何のヒントも無く,医薬品開発を行うことは出来ません.科学者は,良い医薬品を生み出す為のヒントは無いか,と常に考えています.そのような中,植物は,医薬品開発を行う上で,科学者に多くのヒントを与えてくれます.昔から人…
MRIの原理:なぜヒトを透視できるのか?
担当講師:山田 和彦 / 皆さんはMRIという言葉を聞いたことはありますか?町中の病院やクリニックにあり,ヒトの内部を透視できる医療機器の一つです。 MRIの正式名称は磁気共鳴画像化(Magnetic Resonance Imaging)と言い,MRIは英語名の3つの単語における頭文字の略語です。私たちの体の中をのぞく不思議なカメラのようなものです。でも,実際にはレントゲンやCTとは違う「ある物理…
化粧品の化学
担当講師:松田 弘幸 / 「化粧品が好き,メイクに興味がある」「将来化粧品に関わる仕事に就きたい」「肌にやさしい化粧品をつくりたい」… 多くの方が化粧品に興味を持たれていると思います。 化粧品開発において「応用化学」の力が必要不可欠です。 この講義では,化粧品開発における「応用化学」の重要さ,および肌にやさしい化粧品や美白用化粧品の開発のための私たちの挑戦について紹介します。
化学工学:身の回りの生活からプラントまで
担当講師:松田 弘幸 / 「化学工学」というと聞き慣れない方が多いかもしれません.化学工学は,我々の生活に役立つ化学製品を作り出すための最も効率の良い方法(プロセス)を考えるための学問です.その対象は,環境問題・バイオ・医薬品・食品など大きく広がっており,我々の生活に大きな貢献をしています.この講義では,身の回りの生活から大規模化学プラントまで,我々の生活に欠くことのできない化学工学の役割について…
化粧品の無機材料化学
担当講師:遠山 岳史 / 化粧品とは有機材料であるのか,無機材料であるのかと聞かれたら,化学を少しでも勉強したことのある皆さんのほとんどは有機材料であると答えるでしょう。確かに,化粧品は私たちの肌に直接塗るものであるので有機材料であると考えるのではないでしょうか。しかし,実際には有機物は含まれていますが,きれいに見せるための主成分は無機材料です。では,どうして化粧品には無機材料が必要なのでしょうか…
細胞の運命を決定づける複合糖質 ~難病の診断や治療に向けて~
担当講師:鈴木 佑典 / 私たちの体は機能や性質の異なる多種多様な細胞で構成されています。これら全ての細胞の表面は,糖タンパク質や糖脂質として存在する“複合糖質”の糖鎖で覆われており,細胞の運命を決定づけています。実際にヒトの一生を見てみると,受精から個体発生にかけて,そして,発生後も環境や年齢とともに細胞膜上の糖鎖構造は大きく変化し,特定の時期の組織・臓器に局在する各細胞の機能や性質に大きく関与…
ナノテクノロジーを化学する:エネルギー社会・医療技術への貢献に向けて
担当講師:須川 晃資 / “ナノテクノロジー”とは,分子ほどの小さなサイズの物質を扱う技術の総称であり,このような非常に小さなサイズの物質をナノ材料と呼びます。通常,我々が目にするありふれた素材でも,ナノサイズまで小さくすることで,これまでにない新しい機能を発現することがあります。そういった点で,ナノ材料に関する研究は私たち研究者にとって魅力的であり,また,我々人類の社会においても新しい技術革新の…
身の回りの高分子
担当講師:清水 繁 / 高分子という概念は確立してから70年程度と比較的新しい分野です。しかしながら,現代の生活には欠かすことができない材料で身の回りにあふれています。 本講義では,高分子という概念がいかに成立したか歴史的背景,身近な高分子材料についての話から始め,高分子の性質や特徴について述べます。 また,そのような性質や特徴が高分子を構成する繰り返し単位の化学的性質だけでなく,集合体としての性…
酸化カルシウム系建築材料のリサイクル
担当講師:小嶋 芳行 / われわれが生活している家あるいは職場のビルを見回してみると酸化カルシウム系建築材料であるセッコウボード,コンクリートで囲まれていることに気がつきます。最近では,このビルあるいは家が老朽化や都市整備などにより解体され,これによって大量のコンクリート廃材,セッコウボード廃材が排出されています。この量はコンクリート廃材で年間5000万t程度,セッコウボード廃材では170 万t …
二酸化炭素による地球温暖化とカルシウム化合物によるその回収
担当講師:小嶋 芳行 / 地球温暖化の主因は二酸化炭素といわれています。大気中の二酸化炭素濃度は産業革命までは280ppm程度でしたが,1900年代前半よりこの濃度は急激に高くなっています。最近では,380ppmを超えるようになってきました。本講義では,なぜ二酸化炭素が地球温暖化の主因とされているのかを化学的に明らかにし,二酸化炭素排出量の現状について詳細に述べます。このまま,二酸化炭素濃度が増え…