電気工学科講義一覧
シミュレーションでみる量子カオスの世界
担当講師:佐甲 徳栄 / 「ブラジルの蝶のはばたきが,テキサスで竜巻を引き起こすか」――。そんな比喩で語られる「初期値鋭敏性」は,カオスと呼ばれる現象の大きな特徴です。この予測不可能な複雑さは,化学反応や二重振り子,気象など,私たちの身近な物理現象の中に広く存在しています。 では,原子や分子が躍動する「ミクロの世界」にも,カオスは存在するのでしょうか。数学的には,カオスが生じるには方程式が「非線形…
再生可能エネルギーから効率的に電気を作り出す技術
担当講師:辻 健太郎 / 現在日本では,エネルギーミックスの確実な実現へ向けた取り組みの更なる強化を行うとともに,エネルギー転換・脱炭素社会の実現に向けての作業が進んでいます。そのような状況下において,日本に限らず現在世界中で再生可能エネルギーを用いた発電システムの研究が進んでいます。 本講義では再生可能エネルギーの一種である海洋エネルギーの内,潮流,波力エネルギーを用いた発電システムおいて,効率…
南極・昭和基地における再生可能エネルギーの活用
担当講師:西川 省吾 / 大量のエネルギーが消費された20世紀に対し,21世紀は「環境の世紀」とも言われています。また,世界的に二酸化炭素の削減率を取り決めた「京都議定書」が正式にスタートし,明るい将来を作るためには世界中の人々が環境に対する強い意識を持ち,地球温暖化防止のために努力する必要があります。地球温暖化防止の一つとして,太陽エネルギーを利用して電気を作る「太陽光発電」は,有望な対策技術の…
超音波で金属と金属を接合する
担当講師:淺見 拓哉 / 超音波といえば,モスキート音に代表されるような人の耳に聞こえない音のことです。この音は,人の耳に聞こえないので高出力で用いても騒音が発生しません。その超音波を高出力で用いた技術の1つとして金属と金属を接合するものがあります。この技術は,空気を伝搬する超音波を利用するのではなく,金属を伝搬する超音波を利用したものです。現在,超音波による金属の接合は,大きなものでは自動車,小…
車窓から眺める計測技術
担当講師:松村 太陽 / 世界の鉄道と比較し秒単位の正確さで運転している日本の鉄道は,今や毎日の通学や休みの旅行の際,私たちにとって大切な足となっています。これは同時に,時間どおりに走ること,一度に多人数が移動できること,安全であることが当然であることを意味しています。そんな鉄道を工学者の観点から見てみると,電気,機械,土木,建築などの複数の分野が協力し支え合う,巨大なシステムとなっています。一つ…
コンピューターに物を見させる
担当講師:門馬 英一郎 / 今,デジタルカメラやスマートフォンには「ヒトの顔」を見付ける機能が搭載されています。では,どのように探しているのでしょうか?実は,これらの機器に搭載されているコンピューターは「ヒト」も「顔」も探していません。それどころか「顔」を構成する「目」も「鼻」も「口」も探していません。一方で,私達が「ヒトの顔」を見付けるのはとても簡単です。遠くからでも「ヒト」を見付け,頭の位置に…
電気と未来のエネルギー
担当講師:直井 和久 / 日本国内における電力供給は,東日本大震災以降,原子力発電の停止により海外からの化石燃料に大きく頼ることになり,その依存度は過去最高の水準にあります。 これにより,一次エネルギー(石炭,原油,天然ガス,再生可能エネルギー,原子力,水力)の自給率は大きく低下し,先進国の中で最も低い水準となっています。 また,化石燃料への依存度が高まることにより電気料金は大きく上昇し,諸外国と…
光技術を用いた測定
担当講師:篠田 之孝 / 光を用いた測定の最大の利点は非接触で行えることです。光を用いて何が測れるか?我々は光を眼で見ることで物の有無,識別など多機能な測定を行っています。人間の感覚は非常に優れていますが,正確な物理量の測定を行うには残念ながら適しているとは言えません。物理量を測定するときには基準が重要になります。例えば,ナノメートル(10-9m)の領域の移動量(長さ)の測定はレーザの波長を基準と…
音が目の前に現れる–情報技術と融合したオーディオシステム–
担当講師:大隅 歩 / 音楽を聴くときに用いるスピーカですが,このスピーカには実に多くの種類があります。このスピーカの中には超指向性スピーカと呼ばれるものがあり,近年の情報技術と融合して様々な場面でオーディオシステムとして使用されるようになりました。超指向性スピーカとは,非常に狭い範囲のみに音が聞こえるように開発されたスピーカで,超音波を使用しています。このスピーカを用いると,騒音問題となっている…
シミュレーションでコンピューターを使い倒す
担当講師:岸本 誠也 / コンピューターシミュレーション技術は,情報処理・情報工学などに分類される技術です。具体的には数式表される物理現象を,コンピューターでどのように計算するかという分野です。モノを作らずに様々な条件下で実験や検討が可能になり,目で見えない現象を可視化することなどができるため,モノづくりの現場ではもちろん,学術的にも物理現象の理解を助けるツールとして使われます。ただ,コンピュータ…
ゴールドの科学(局在表面プラズモン共鳴)
担当講師:胡桃 聡 / 皆さんがゴールド(Au)と聞いてイメージするものは『金閣寺』や『金塊(お宝)』といった『黄金色』のものだと思います。それに対して私たちの研究グループで注目しているのが『赤・緑・青色』のAuです。これは『局在表面プラズモン共鳴』によるもので,Auが数十ナノメートル(1ナノメートル:10億分の一)程度のナノ微粒子になると特徴的な光吸収を発現します。一般的にAuナノ微粒子は局在表…
スマートデバイスで開く新たな理科実験の可能性
担当講師:星野 貴弘 / 近年,スマートフォンをはじめとするスマートデバイスは私達の生活に欠かすことのできないものとなっています。教育の分野においてもスマートデバイスなどのICTを効果的に利用することが推進されてきていますが,多くの学校で効果的に利用されているとは言い難い状況にあります。理科教育では,実験ツールとしてのスマートデバイスのセンサ技術の利用が注目されてきています。スマートデバイスには加…
光・波動情報技術が拓く未来
担当講師:尾崎 亮介 / 近年,地球温暖化現象の悪化により異常気象によるゲリラ豪雨や集中豪雨等から発生する水害など地球環境問題は,私達の日々の生活を脅かす深刻な課題となっている事が指摘されています. これに加え,高度経済成長期に建築された道路やトンネルなど50年もの歳月が経過した構造物は,相次いで発生した路面陥没事故などインフラの老朽化が社会的な問題となり異常箇所の早期発見や検出が火急の課題となっ…
常識を超えている!電子デバイスの世界を覗いてみよう
担当講師:松田 健一 / 皆さんが普段使用している電気・電子機器の大半は,電子が持つ電荷を利用しています。これはエレクトロニクスと呼ばれ,現代社会では必要不可欠な技術になっています。一方で,エレクトロニクス製品は,消費電力が肥大化しているなどの問題点も指摘されるようになり,新しいデバイス技術の誕生が待ち望まれています。電子には電荷のほかに,電子自身の自転に対応する自由度「スピン」というものが備わっ…
「電波」で物を見る–「ミリ波レーダ」による物体検知を体験しよう–
担当講師:戸田 健 / 「ミリ波」という言葉はご存知でしょうか.高校物理の教科書に出てきますが,電波(電磁波)の一種類で波長がミリ単位(1~10 mm)というだけで,高校生の皆さんはそれ以上はあまりご存知ないかもしれません. では「ミリ波レーダ」はどうでしょうか.自動車に興味がある学生であれば知っているかもしれません.自動車の衝突回避やクルーズコントロール(車両追従)の支援技術として近年実用化され…