#災害に強い社会をつくりたい
建築・海洋建築の魅力
担当講師:惠藤 浩朗 / 日本は海に囲まれ,地震や津波と向き合う国だからこそ,建築を学ぶことは人々の暮らしを守り,未来の社会を形づくる力につながります。本講義では,海という特別な舞台に視点を広げ,まだ活用されていない広大なフロンティアに建築がどのような可能性を開くのかを紹介します。海に浮かぶ施設や洋上風力発電を支える構造物,災害に強い海上拠点など,海上空間は新しい都市やインフラの候補地として注目さ…
地震エネルギーを受ける建築物の耐震性能を知る
担当講師:秦 一平 / 講義内容は「地震エネルギーを受ける建築物の耐震性能を知る」というテーマです。なるべく,専門用語をつかわないで説明したいと思います。これまでの地震で多くの建物が被害を受けてきましたが,同じ地震でも壊れる建物と壊れない建物があります。今日はその違いを,“地震エネルギーの視点”からわかりやすく解説していきます。特に講演ポイントは,「地震のリズムと建物のリズム」です.なぜ同じ地域で…
宇宙放射線からコンピューターを守る
担当講師:高橋 芳浩 / コンピューターにおける計算および情報記憶は,そのほとんどが半導体集積回路デバイス(LSI)により行われています。この半導体デバイスは非常に高い信頼性を有しており,今やコンピューターの計算結果を疑う人はいないと思います。コンピューターは地上だけでなく,人工衛星などに搭載され宇宙でも活躍しています。ただし,宇宙は過酷な放射線環境であり,半導体デバイスに宇宙放射線が当たると,一…
音が目の前に現れる–情報技術と融合したオーディオシステム–
担当講師:大隅 歩 / 音楽を聴くときに用いるスピーカですが,このスピーカには実に多くの種類があります。このスピーカの中には超指向性スピーカと呼ばれるものがあり,近年の情報技術と融合して様々な場面でオーディオシステムとして使用されるようになりました。超指向性スピーカとは,非常に狭い範囲のみに音が聞こえるように開発されたスピーカで,超音波を使用しています。このスピーカを用いると,騒音問題となっている…
地域課題を解決する“再生可能エネルギー”を活かした 環境・防災まちづくり
担当講師:田島 洋輔 / 米国主催の気候変動サミットにおいて2050年までに脱炭素社会の実現する方針の公表を受けて,再生可能エネルギーが普及しておりますが,ここにきてその動きはますます活発化する方向にあります。その背景には,これまでの気候変動問題への対応という従来型の動機のみならず,再生可能エネルギーを活用した地域課題の解決という“まちづくり(地域活性化)の視点”が存在するためです。まちづくりで重…
今,身近な防災を考える
担当講師:後藤 浩 / 日本は四方を海で囲まれています。また,我々は水が無くては生きていけませんので,大きな河川の流れる平野にその居所をもっています。つまり,我々の周りには水が存在します。このため,我々は地震による津波や異常気象によって発生する洪水,高潮などの危険性にさらされています。 このような災害は,他の災害とは異なり,じわりじわりと被害をもたらすものではなく,短期間(一瞬)のできごとであるた…
持続可能なまちづくりを海からの視点で考えてみよう
担当講師:寺口 敬秀 / 近年,気候変動に伴って,日本各地で集中豪雨による被害が増えています。また,世界に目を向けても,海面上昇に伴う土地の消失や,高潮による被害範囲の拡大など,沿岸部の都市では様々な問題が起こり始めています。一方で,広大な海洋空間は,まだ開発されておらず,様々な取り組みをする可能性を秘めています。特に,建築・まちづくりの面では,海の上に浮かぶ建築物や都市の役割に注目が集まっていま…
海に浮かぶ未来都市を支える浮体式海洋構造物の世界
担当講師:惠藤 浩朗 / 海に浮かぶ未来都市は,気候変動が進むこれからの時代に,人類が新しい暮らし方を切り開くための大きな可能性を秘めています。浮体式海洋構造物は沈まず,津波の力を受け流し,必要に応じて移動できる柔軟さを持ち,陸上では実現できない安全性と自由度を備えています。埋め立てに頼らず海を傷つけないまま都市や港を広げることができ,洋上風力などの再生可能エネルギーの拠点としても活躍します。さら…
防災・減災のための津波シミュレーション
担当講師:相田 康洋 / 南海トラフ地震の発生が懸念される現在,沿岸の人々を守るための施設整備が日本各地で進められています.津波は,その規模の大きさから,水槽を用いた実験ですべてを把握することが困難な現象の一つです.また,現在の観測技術では,今後発生する津波の規模を,事前に正確に推定することができないのが現状であり,あらかじめ想定される数多くの津波のパターンを網羅するためには,数多くの実験をする必…
建築の高層化と高強度コンクリート
担当講師:中田 善久 / 近年,都市部の再開発や集合住宅の高層化に剛性が高くコストが安価である高強度コンクリートが数多く使われています。従来のコンクリートは,コンクリート強度に上限があるため,柱間が狭い,柱が大きいなど,空間に制限がありました。ここでは,高強度コンクリートが開発された経緯や特徴を建築材料の観点から紹介します。また,霞ヶ関ビルなどの高層建築物の変遷にも触れます。
最も身近な道路舗装の役割
担当講師:山中 光一 / 私たちが利用する交通施設(道路,鉄道,空港,港湾など)の中でも,最も身近なのが道路になります。皆さんが自宅の外に出ればすぐに道路が広がっているのではないでしょうか?この道路には,安全で快適に移動ができるよう舗装がされています。日本の道路は,そのほとんどが舗装され,舗装はあって当たり前のものとなっています。しかし,舗装がされていない道路では,雨が降ったりすると路面は凸凹にな…
鉄道構造物のつくりかた
担当講師:谷口 望 / 皆さんが普段使用している鉄道ですが,鉄道車両を支える構造物には交通基盤技術が使用されています.具体的には,計画・構造設計・製作・建設・維持管理などには,それぞれ工学的な技術が複数組み合わされており,その中で交通システム工学は必要不可欠になります.本講義では,これらの技術に関して,具体的な事例をもとに紹介し,どのような場面で交通システム工学が活用されているか実例写真を用いなが…
迫りくる巨大地震に備えて
担当講師:北嶋 圭二 / 東海・東南海・南海地震や首都直下地震など,迫りくる巨大地震に備えて,建築物の耐震性能向上が喫緊の課題です。建物の地震時挙動のシミュレーション技術や,免震・制震技術を用いて建物の耐震性能向上に貢献しています。建築物が巨大地震にも耐えられるように,どのような仕組みで造られているのか,耐震構造の仕組みや免震構造・制震構造の仕組みなどについて紹介します。また,これまでの地震被害の…
超高層建築物の構造と歴史
担当講師:高橋 孝二 / 2011年3月に発生した東日本大震災では,超高層ビル群が大きく揺れ動く様子や高層階の人々が立っていられず床に這いつくばっている様子など,驚きの映像が記憶に新しいと思います。これは「長周期地震動が原因で,高層ビルや高層マンションが大きく揺れました。」と報道等で言われています。こう言われてもなんだかピンとこないと思います。 本アカデミーでは,「何故このような現象が起きるのか」…
コンクリート造建築物を積み木あそびのように造る
担当講師:福井 剛 / コンクリート造建築物を造るのにどのくらい時間がかかるかわかりますか。地面より下に造られる基礎を除くと,1階分を造るのに3週間程度かかります。このペースで高さ100mの30階建てマンションを造ると,90週,つまり約23ヶ月かかることになります。この時間を短縮するには面倒な仕事を建設現場以外で行えば良いのです。タワーマンションの建設では,柱や梁を工場で造り,建設現場で積み木のよ…
巨大津波から命を守る―災害リスクを正しく理解しよう―
担当講師:星上 幸良 / 2011年3月に発生した東北太平洋沖地震に伴う巨大津波は,我が国の築き上げた沿岸まちづくりの防災リスクの脆弱さを明らかにした事は言うまでもありません。震災から約9年が経過し,減災を目指したハード面での復興事業は収束を迎えつつあります。これらの復興事業に適用された計画手法は,高度成長期に制度化された従来の技術であり,既に様々な課題が見えつつあります。少子高齢化社会に向かって…
建築構造学-地震との闘いと建築を実現するテクノロジー-
担当講師:田嶋 和樹 / 建築構造学の役割の1つは地震などの安全な建物を世の中に実現することであり,もう1つは建築家による優れたデザインを実現可能な技術を提供することです。本講義では,初めに日本の耐震技術が地震との戦いの中で磨かれてきた経緯に着目し,過去の地震被害を振り返りながら,地震被害から得た教訓について解説します。また,著名な建築家による建築作品を紹介しながら,それらの作品の中で使用されてい…
写真から立体の世界をつくるしくみ
担当講師:李 勇鶴 / ・写真を使って,立体的な空間を再現するしくみを紹介します。・写真を使って,コンピューターが自動で3Dモデル(立体モデル)を作るようすをデモで見てもらいます。・できあがった3Dモデルがどんな場面で使われているかを紹介します。・AI(人工知能)を使って,よりリアルな3D空間を作る最新の技術についても紹介します。 航空写真を使った3D都市モデルの作成(図版・画像等の出典や引用元:…
建物が壊れるのは何故か?
担当講師:宮里 直也 / 建築の構造力学の分野では,建物が壊れないように様々な工夫を行っています。それらの工夫について,「建物が壊れるメカニズム」について理解することで,いろんなことがわかってきます。基本的な構造力学の考え方に加え,現在の建物に使われている最先端の工夫等を紹介します。
衛星を使って自分の位置を知るしくみ
担当講師:佐田 達典 / テレビで天気予報を見ていると日本付近の雲の画像がよくでてきます。これは気象衛星から撮影した画像ですが,このように現在人工衛星の利用が身近になっています。衛星には様々な種類がありますが,GPS という衛星からの電波を受信機で捉えると,私たちの現在位置を正確に知ることできます。カーナビゲーションや携帯電話に使われているのでご存知の方も多いでしょう。 カーナビで使われているGP…
私たちのくらしを支えるコンクリート構造物
担当講師:山田 雄太 / 私たちの身の回りには,くらしを支える橋,トンネル,ダムなどの土木構造物があふれています。これらの土木構造物の多くはコンクリートと鉄などで造られています。例えば,「鉄筋コンクリート」と呼ばれるコンクリート構造は,コンクリートと鉄などの持つ長所と短所を互いに補い合う構造形式です。これまで私たちのくらしを支え続けていた土木構造物ですが,その多くが寿命を迎え始め,これからも安全か…
宇宙から見た環境と災害
担当講師:羽柴 秀樹 / 人工衛星を用いて地球を観測する試みは今から約40 年前から始まりました。現在では多くの国がさまざまな特徴をもったセンサーを開発し多数の衛星を打ち上げ,観測や調査活動を行っています。このような衛星観測によって得られた画像情報は自然環境の評価・保全などに役立てられたり,また社会基盤の計画や整備のための情報として利用されています。 人工衛星から地球の表面を観測すると,普段の生活…
風による揺れをエネルギーに変えよう
担当講師:長谷部 寛 / 風が吹くと構造物は傾いたり変形したりするだけでなく,しばしば振動(揺れ)が生じます。特に長い橋や高いビル・タワーなどは揺れやすく,過去には風によって生じた揺れが原因で壊れてしまった長い橋もあります。構造物をつくる上で,風による揺れは避けるべきポイントの一つです。一方で,構造物をつくる上で避けるべき揺れも,見方を変えると貴重なエネルギー源です。風によるエネルギー(風力エネル…
あなたの足元の地盤は大丈夫?!~液状化の恐怖~
担当講師:鎌尾 彰司 / 地震によって地盤に液状化現象が発生します。東日本大震災では関東地区でも液状化による構造物の傾斜やマンホール等の隆起などが数多くの地盤災害が発生しました。また,その後に各地で発生した地震において,やはり液状化現象が多発しております。なぜ構造物が建っている地盤が地震が来ると液体状になってしまうのか?どうしたら液状化の被害を防止できるのか?などを液状化のメカニズムを科学的に解き…
GISによる社会課題や被災概要の可視化
担当講師:園部 雅史 / 自動車や建築構造物など私たちの暮らしに必要な物を製造する材料として重要なものに鉄鋼があります。鉄鋼を作る段階で出る産業廃棄物は「鉄鋼スラグ」と呼ばれ,その多くが,まだ有効利用されずに放置されています。鉄鋼スラグには「高炉スラグ」と「転炉スラグ」の二種類があります。高炉スラグは国内で約2300 万t発生しセメント材料等として有効利用されています。しかし,転炉スラグは約100…
水の流れをデザインする
担当講師:高橋 正行 / 旧来から自然と人工物との調和を考えた景観(landscape)が様々な所で見られる。例えば,自然に形成された滝と植樹との調和などが挙げられる。人が好む景観には静止したものばかりでなく動きのあるものと調和のとれた景観も数多くある。「ながれ」を意識して表現しなおすと,「ながれ」の有する「動」が周囲の「静」なる対照物と調和して美しい景観を創り出すものと考えられる。 河川に設置さ…
雪って楽しい?怖いもの?
担当講師:小田 憲一 / 雪が降るとなぜだかワクワクした気持ちになります。雪だるま,雪合戦,ウィンタースポーツ,きれいな雪景色,私たちの生活に癒しを与えてくれるイメージが強い雪ですが,楽しいことばかりを我々に与えてくれるわけではありません。 都心部に雪が降ると,電車が停まったり,車が動けなくなったり,歩行者が転倒してけがをしたり,大混乱を引き起こします。毎年雪が降る地域も例外ではありません。積雪が…
ピサの斜塔の秘密 ~構造物を支える地盤~
担当講師:鎌尾 彰司 / 皆さん!ピサの斜塔をご存じですか?1173年に建設が開始され,途中2度にわたる建設中断がありましたが,1370年に完成いたしました。建設から既に800年以上も経過しておりますが,いまだに塔の沈下が進み,その傾斜角度も年々大きくなっております。構造物下の地盤の不等沈下が原因であると言われており,このままでは倒壊してしまう恐れもあります。本講義では,ピサの斜塔が倒壊するのを防…
土を軽くする,強くする(地盤の軽量化・補強の新技術)
担当講師:峯岸 邦夫 / 国土の狭い我が国では,埋立て地のような地盤条件の良くない場所にも交通施設(道路や鉄道,空港など)を建設しなければなりません。その際に従来のような重い材料を使って建設をすると地盤沈下を起こし,交通施設に大きな影響をもたらします。そこで,地盤沈下を起こさないように発泡スチロールを単体や土に混ぜた軽い材料で交通施設を建設する技術や,元々引っ張られる力に弱い土に補強材という材料を…
まるい形の交差点「ラウンドアバウト」のひみつ
担当講師:吉岡 慶祐 / 「ラウンドアバウト(Roundabout)」と呼ばれる円形のかたちをした交差点を知っていますか?このラウンドアバウト,欧米を中心とした海外ではごく一般的な交差点の形式ですが,日本では最近になってようやく注目されるようになり,全国各地で徐々に数が増えてきています。ところで,なぜ,このようなまるい形の交差点を作るのでしょうか?そして,まるい形にすることでどのような利点があるの…
つながるクルマが実現する安全・安心-CASE・MaaSが実現する近未来交通社会-
担当講師:関根 太郎 / 自動車を取り巻く環境は100年に一度の変革期と言われ,CASE(Connected,Autonomous,Shared and Service,Electric)と呼ばれる次世代自動車技術の実用化やMaaS(Mobility as a Service)といったシームレスでユーザー中心のサービスの実現に向けて,車載通信機器を搭載したコネクテッド車両の普及が世界的に始まってい…
地球環境と人々の暮らしを守る!熱・エネルギー変換技術
担当講師:飯島 晃良 / エネルギーと環境に関する話題が世界的にクローズアップされています.地球温暖化,資源の枯渇再生可能エネルギーの有効利用などは,多くの人にとって関心事ではないでしょうか. この講義では,次世代エネルギー革新技術のキーワード,「次世代エンジン・ハイブリッドカー・EVシフト・次世代高効率発電・再生可能エネルギー・シェールガス/オイル,バイオマス」などについて,エネルギーの基礎から…
これからの少子高齢社会と海浜空間
担当講師:山本 和清 / 日本では21世紀に入り,超高齢社会といわれる本格的な高齢者の時代を迎えようとしています。その対策として,2006年12月のバリアフリー新法制定など,建物内部及び公共交通空間における移動の利便性や安全性の向上が推進されつつあります。それらの対策により,高齢者・障害者の外出が容易となり,海洋性レクリエーションへの参加意欲が向上していくものと考えられます。そのためにはバリアフリ…
よい建物はつくり方が大事
担当講師:渡邉 悟士 / 超高層や大規模な建物をつくるためには,設計を工夫するとともに,それを実現するための特別な材料や作り方(工法)が必要になります。ここでは,コンクリートに関する技術開発と,それを適用した建物について紹介します。 超高強度コンクリートの製造(図版・画像等の出典や引用元:渡邉悟士、保利彰宏、鳴瀬浩康、長瀧重義:シリカフュームが高強度コンクリートの物性に及ぼす影響の評価に関する研究…
自然素材と建築
担当講師:廣石 秀造 / 担当講師:廣石 秀造 建築は,身近で入手しやすい自然由来の材料(自然素材)を用いてつくられてきました。その結果,国や地域ごとに特色ある建築が生み出されています。近年では,環境への配慮の観点から,このような自然素材の価値が改めて見直されています。しかし,各素材には固有の特性があり,それぞれの特徴と向き合いながら適切に活用していくことが求められます。 本講義では,自然素材と建…