航空宇宙工学科講義一覧
航空機を制し御する -飛行制御の話-
担当講師:安部 明雄 / 航空機やロケットは,無人で飛行することが可能になりつつあります。その無人での飛行のためには,「制御」が重要です。それでは,いったい「制御」とはなんでしょうか?この答えの一つは,(制御したい)対象を,制し(せいし),御する(ぎょする)こと。それが具体的にどのようなことを意味するのか,解説します。また,2050年に就航を目指す我が国独自の宇宙輸送機のための制御系をはじめ,最新…
グライダーの飛行の科学
担当講師:齊藤 允教 / グライダーとは,エンジンの力を使わずに空気の力と重力だけで滑翔する乗り物です.19世紀にオットー・リリエンタールによってグライダーによる飛行試験が行われて以来,今日の航空機の原点であり,航空機が飛ぶ仕組みを理解する上で最も基本的な乗り物です.グライダーが長時間飛行するためには,上昇気流と呼ばれる,重力と逆らう向きに流れる空気の力が必要となります.うまく上昇気流を利用できれ…
宇宙ロケット開発入門
担当講師:髙橋 晶世 / そもそもロケットってどうして飛べるのでしょう?ロケットの構成は車とそっくり。ではどこが違うのでしょう? 本講義では,ロケットやロケットエンジンの基本について学びつつ,宇宙開発は実際にどのように行われているのか,今のロケットは何を目指しているのか,メーカ出身の講師とともに深掘りしていきます。主な内容は下記の通りです。ロケットはなぜ飛ぶのか/ロケットエンジンにはどんな種類があ…
最適化のおはなし
担当講師:中根 昌克 / 工学において,ある程度設計が完了した場合に,ではどれだけより安く,より扱いやすく,より良いものを作成するか,という問題が発生します。また,飛行機やロケットなどを飛ばす際,どのような飛行をすることで経済的になるか,ということが問題になります。その際に必要となる手法が「最適化」です。この講義では,最適化に関して身近な例から出発し,最終的にはちょっとだけ数学を用いて,様々な「最…
機械学習技術と航空機設計
担当講師:丸山 大悟 / 1903年にライト兄弟が初飛行を成し遂げた後,人類は数十年で音より速い航空機の開発や,宇宙へ進出するロケットを開発しました。グローバル化と呼ばれる現代では,今や航空機は,我々にとってなくてはならない存在です。人類は数学や物理学といった,「世の中の仕組み」というものを解明し,それを活用することで様々な科学技術を生み出してきました。航空機も例外でなく,浮く力を得るために,翼の…
どうなってる?音よりも速い世界
担当講師:菊池 崇将 / 「ピカッ...(1, 2, 3) ...ゴロゴロゴロッ」 雷が光ったとき,音がするまでの時間を数えて,どこで雷が発生したか考えたりしてませんか? 雷が光ってから,音が遅れてやってくるのは,光の伝わる速さよりも音の伝わる速さが遅いためです。この音の伝わる速さを「音速」と呼び,空気中ではおよそ345m/sです。 私たちの身の回りには,音速に比べて十分遅い速さのものしかないため…
航空機に使われているアルミニウム
担当講師:小宮 良樹 / 航空宇宙分野でよく用いられている金属材料には,アルミニウム合金があります。アルミニウム合金は,お菓子などの包装用,アルミ缶,窓にはアルミサッシなど身の回りにたくさん使われています。これらのアルミニウム合金は,航空機などに使われている合金と少し違いがあります。それは,軽くて丈夫であることです。主成分はアルミニウムで同じですが,少しの工夫で,金属の性質を変えることができます。…
宇宙で人間が住む方法
担当講師:中根 昌克 / 自動車や建築構造物など私たちの暮らしに必要な物を製造する材料として重要なものに鉄鋼があります。鉄鋼を作る段階で出る産業廃棄物は「鉄鋼スラグ」と呼ばれ,その多くが,まだ有効利用されずに放置されています。鉄鋼スラグには「高炉スラグ」と「転炉スラグ」の二種類があります。高炉スラグは国内で約2300 万t発生しセメント材料等として有効利用されています。しかし,転炉スラグは約100…
超小型の人工衛星の世界を体験してみよう
担当講師:山﨑 政彦 / 昨今,学生が自分たちの手で超小型の人工衛星を開発し,外国等のロケットで宇宙に打ち上げ,大学に設置した地上無線局で衛星を管制する,という活動が活発に行われています.日本大学でも,複数機の衛星を開発しています. 写真は,現在開発中の地震に先行する現象を解明する約30㎝x20㎝x10㎝の超小型衛星Preludeです.超小型人工衛星は大型衛星に比べると小規模ながら,機械工学・電子…
ドローンが飛ぶ仕組みとこれから
担当講師:増田 開 / 農薬散布や災害調査,荷物の配達など,様々な利用が期待されているドローン.ドローンといっても様々な種類があり,プロペラが複数ついたヘリコプタのような機体から,旅客機のような固定翼機など,用途や目的に応じて様々なものが開発されています.一般的なヘリコプタのようなドローンが飛ぶ仕組み,利点・欠点,ドローンの種類などを説明したいと思います.また,今研究室で開発中の今までとは異なるド…
人工知能(AI)とロケットエンジン開発
担当講師:田辺 光昭 / 航空機の自動操縦や人工衛星や探査機の自律運用など,航空宇宙工学分野では従来から人工知能技術が幅広く利用されてきています.急激にその適応能力を増している最新の人工知能の核心は深層学習(Deep Learning)と呼ばれる神経回路を模した演算プログラムであり,航空宇宙工学分野でも活用されています. この深層学習によって,宇宙開発で最も予測困難な課題の一つであったロケットエン…
無重力科学入門
担当講師:田辺 光昭 / 宇宙は開拓の時代から利用の時代に移りつつあります。日本も,国際宇宙ステーション計画に参加しており,宇宙環境を利用した様々な科学実験を実施しています。なぜ宇宙環境を利用するのかといえば,一つの理由として無重力場が実現されるということがあげられます。重力のない空間においてどのような現象が起こりうるのか,地上で起こることと何が違うのかなど,知りたいことがたくさんあります。この講…
持続可能な次世代のロケットエンジン
担当講師:髙橋 賢一 / 宇宙へ人や物を送るときにはロケットを使用し,大きな力を出せる化学ロケットエンジンが利用されています。宇宙へ行くには非常に大きな力(推力)が必要で,そのためには多くの燃料と酸素を必要とします。燃料となる物質と酸素となる物質(これらを推進剤という)をロケットは自ら運び,そのため空気が薄いまたは無いところでも飛ぶことができます。しかし,これらの推進剤は本質的に爆発性があり,何か…