素粒子 -その色と香り-
物理学科
物質を構成している最も基本的な粒子を素粒子と呼びます。現在までに発見されている素粒子は「クォーク」と「レプトン」の2種類に分類されており、それらの物質は、「ゲージ粒子」と呼ばれる粒子を交換することによって互いに力を及ぼし合うことができます。
クォークとレプトンはともに6種類ずつあり、これは6つの「香り」に例えられています。また、クォークには「色」と呼ばれる自由度がありますが、レプトンには「色」はありません。さらにクォークとレプトンは共に3つの「世代」に分類されています。ゲージ粒子にもいくつかの種類があり、それらを交換することによって働く力も種類ごとに異なっています。ゲージ粒子のうちの一つである「光子」を交換することによって生じる力が電磁気力です。
このような素粒子の性質はミクロな現象の解析から解明されてきたものですが、素粒子物理学の応用は幅広く、その適用範囲は広大な宇宙にも及んでいます。この授業では、解明されつつある素粒子の世界を解説するとともに、今後の課題として残された未解決の問題は何なのかについて考えてみます。