加速器向け製品を設計・製作

量子理工学専攻

黒澤 歩夢

金属技研株式会社
2021年3月 量子理工学専攻修了了

現在のお仕事の内容を教えてください。

私は熱処理・金属接合を得意とする金属技研にて、その技術を応用した加速器向け製品の設計と製作を行っています。一見あまり馴染みがない金属接合ですが、実はたいていの機械製品は何かしらの接合技術が使われています。なかでもHIPと呼ばれる接合技術は当社が世界第2位のサービスプロバイダであり、非常に多くの引き合いをいただいています。これらの接合技術を核として、大学院で学んだ加速器科学の知識も活かしながら、加速器向け製品のトータルデザインを行うのが私の仕事です。エンドユーザーには大学や研究機関が多く、世界に2つとない一点物のものづくりができるため、大きなやりがいと達成感があります。また、ユニークなものづくりを行っているからこそ、自分たちで学会に参加して研究発表する機会も多く、そういった場面でも大学院での経験が活かされています。

加速器向け製品の電気的特性を測定するための専用機器組み上げ作業

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

加速器に関する物理現象や、加速器運用に関する知識・経験を現在の仕事に活かしています。加速器向けの製品は、ただ形を作るだけでなく使用した際の性能保証も必要となります。そのためには、構造力学などの工学的な知識に加えて、基礎物理の知識も必要とされるため、学生時代の経験が活かされています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

博士前期課程の2年間はとにかく加速器への理解を深め、研究活動に重点を置いて過ごしました。この2年間がなければ、現在の仕事に就くことは非常に難しかったと感じています。今もなお、勉強しながら仕事に取り組む日々ですが、大学院の2年間で土台を築けたことはとても良い財産だと感じています。

学生生活での思い出を教えてください。

研究活動を通じて、積極性を伸ばすことができたことがとても良い思い出です。長期的な目標に対する計画の立案、自分で調べた研究会や講習会への参加など、誰かに言われなくても自分で考えて目標に向かっていく力を身につけることができました。

量子理工学専攻を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

私は物理学科出身で、大学院からは量子理工学に特化した専攻へと進学しました。在学中にはさまざまな理工学の知識を幅広く知ることができましたが,その基礎はすべて物理学に通じています。物理学も量子理工学もいろいろな形で世の中に浸透していますので、勉学に励む中であらゆる可能性に出会うことができます。量子理工学専攻を目指す高校生の皆様に,ご自身の素敵な可能性との出会いがありますように。

「なぜ」を探究する⾼校教員

数学科/専攻

宮臣 有紀

日本大学習志野高等学校
2012年3月数学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

日大理工の併設校である日本大学習志野高等学校に勤務しています。教員の仕事は、授業だけでなく、ホームルーム運営・部活動・校務・委員会と多岐にわたります。実際に、私も数学の授業をやりながら2年生の担任を受け持ち、ソフトテニス部と書道部・進路指導部・さまざまな委員会にも所属しています。ホームルーム運営では、朝や帰りのSHRに加え、生徒面談・進路指導などを行っています。校務分掌では、進路指導部に所属しているため、模試の実施計画を立てたり、進路関係の講演の準備をしたりと進路に関わる業務を行っています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

高校生のときの“答えを出すことが目標の数学”から、定理を導き、「なぜ」「どうして」を追究する学問へと深めていったことで、数学の魅力にさらにハマり、数学の本質を基礎からじっくりと学ぶことができたと思います。「本質を捉えること」を学べたことは、教員として数学を教える上でとても大切なことだと感じています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

難解な論文に対峙し、行間を隙間なく埋めながら読み進めていくと、「なぜこのような式変形になったのか」「どうしてこの内容が正しいといえるのか」と絶え間なく疑問が湧いて出てきます。その疑問に対して一日中悩んだこともありますが、解法の糸口に気付いたときには、何とも言えない達成感と充実感が得られました。ここで、悩み・考え抜くことで、しっかりと考える力がついたと感じています。中学や高校の教科書も同じことではないかと私は思います。教科書の行間を埋めながら授業を展開することや、生徒が「なぜ」「どうして」と思うところをしっかりと考えてあげることなども、この大学院での生活を通して学ぶことができたのではないかと思います。

学生生活での思い出を教えてください。

私が所属していたゼミでは、勉強会と呼んでいた『自主ゼミ』を毎週実施していました。先生との講義の前に、ゼミ仲間と共に、講義の内容について議論する会です。数学の書籍は、行間を埋めていく作業がとても大切になります。『自主ゼミ』では、「行間を埋めること」「わからないこと」をゼミ仲間と一日中討論しました。些細なことでも、仲間と一緒に考え、証明方法を変えたり、この方法ならうまくいくのでは?という試行錯誤をたくさん重ね、皆が納得するまで意見を交わしました。徹底的に議論をしながら物事を考えた『自主ゼミ』は、今でも印象に残っています。

数学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

数学の奥深さや面白さを学べる素晴らしい学科であると思います。日大理工の数学科は、純粋数学とその高度な応用からコンピュータスキルを含めた応用数学まで網羅するカリキュラムが組まれています。幅広い選択肢だけでなく、数学を深く学べる点でもとても素晴らしい環境です。「数学が面白い!楽しい!」と感じる人、「数学が実生活ではどのようなところに活用されているのか興味がある」と感じている人、「数学が好きだけど、情報系にも興味がある!」という人は、数学科に進むことで、知的探究心を満たす大学生活を送ることができると思います。

送電システムの安全性を守る

物理学科/専攻

兵藤 花菜香

三菱電機株式会社
2020年3月 物理学科卒業

現在のお仕事の内容を教えてください。

私は、多端子高電圧直流(HVDC)送電システムに不可欠な直流遮断器の開発を担当しています。多端子HVDC送電システムは、3か所以上のAC/DC変換所を接続した送電システムであり、電力を柔軟かつ効率的に送る仕組みです。直流遮断器は、送電中に事故が発生した際、数十kAの大電流を数ミリ秒以内に安全に遮断するもので、その電気的・機械的設計を行っています。電流遮断時のアーク現象の解明や、高速駆動機構の設計など、電気と機械の知識を融合させた総合的な開発です。欧州のエンジニアと共同で、次世代HVDC送電網の安全性・信頼性向上に貢献していきます。

試験装置組立のため銅板を磨く

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

講義で学んだことと実験で学んだことの両方が今の仕事に活きています。現在の業務は、ゼロから新たな製品を創出する開発であり、文献調査による設計検討、試作機の製作、試験方法の立案、実施および評価までを一貫して行います。設計の段階では、機械的および電気的に仕様を満たすかを検討する必要があるため、力学や電磁気学といった、物理学科で学んだことがダイレクトに活きています。また、試作機の製作や試験結果の評価においては、学生実験や研究室活動で培った技能が活かされています。特に試験機材の製作や測定方法の検討を行った経験は、現在の業務遂行において重要な基盤となっています。

学生生活での思い出を教えてください

印象深い活動として、理科教育サークルでの取り組みがあります。付属校の高校生と協働し、フーコーの振り子を製作しました。大きな振り子を作ったものの思うように精度が出ず、どうしたら精度が上がるのか、また、せっかく作った振り子について、どうしたら多くの人に興味を持ってもらえるかを考えました。振り子は単純な構造ながら奥が深く、博物館で有識者から助言を得て、構造設計や計測方法についてメンバーと議論を重ねました。また、PR用ポスターの制作など広範な活動を行い、非常に充実した経験となりました。講義や実験レポート作成で多忙な時期もありましたが、良い気分転換となりました。

物理学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

物理学科で得られるのは座学による知識にとどまらず、実践的な応用力も含まれます。蓄えた知識をいかに活用するか、目的達成のためにどの知識をどのように用いるべきかを主体的に考える力が養われます。また、物理学科で学ぶ分野は広範であり、業務の中で「聞き覚えがある」「この公式が使えるのでは」と感じる場面にしばしば遭遇します。私の場合、業務範囲が広いため、多様な知識を蓄積できる物理学科を選んで正解だったと実感しています。学びは非常に有意義であり、楽しいものです。大変な時もありますが、友人との交流やサークル活動で気分転換をすることで、楽しい大学生活を送れるでしょう。

注⽬の量⼦ドット開発に挑む

物質応用化学科/専攻

青木 悠

TOPPAN株式会社
2024年3月 質応用化学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

量子ドットという半導体ナノ結晶材料の技術開発と評価を行っています。量子ドットは電子やホールを数〜⼗数ナノメートルの非常に狭い空間に閉じ込めることで起こる量子効果を利⽤して、バンド構造を制御する材料です。2023年には発明者3人がノーベル化学賞を受賞するほど、世界的にも注目されています。最先端材料である量子ドットの特性を向上させる合成プロセスからインク化までの技術開発を行い、次世代ディスプレイや太陽光電池など多様な用途での適用に向けて注力しています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

学生時代に習得した専門技能が役立っています。私は超分子化学研究室に所属しており、「光閉じ込め効果」を特異的に発現する金属ナノ結晶材料の複合化による、低エネルギー光を高エネルギー光へ変換する技術の高性能化について研究していました。この研究では光化学やコロイド化学、ナノ粒子の合成手法などの専門技能を習得することができました。実は、現在開発している量子ドットもこれらの学術領域と重なっています。学生時代に習得した技能を駆使することで、量子ドットの評価結果を論理的に考察および説明することができ、開発業務に活かせています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

学部だけでは得られない経験をすることができたことです。大学院における生活の大半は研究活動です。学生一人ひとりが各々に研究テーマを担当し、成果を上げるために日々研究を進めていました。その中で化学に関する基礎知識を習得し、研究に課題が生じた際には先生と議論することにより見聞を深め、解決に向けた実験方針を見出していきます。さらに、研究室では上下関係は関係なく、先輩や同期そして後輩とも技術的なディスカッションを行い、深い関係性を築くことができます。共に学び、ひたすら研究に集中する仲間たちとの思い出は、卒業した後も一生に残る財産となっています。

学生生活での思い出を教えてください。

学生時代の思い出で特に印象深いのは、学友と共に期末試験に向けて試験勉強や議論を重ねたことです。レポート作成や文献調査も協力して行い、お互いに意見を交換しながら進めました。また、教職課程の履修も印象に残っています。教育実習では生徒の前で授業を行い、「これまでで一番面白かった」と言われたことが励みになりました。プライベートでは友人と旅行や遊びに出かけ、楽しく充実した時間を過ごしました。

物質応用化学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

物質応用化学科では、日常生活の要である化学の基礎と実応用に向けた開発能力/評価分析技術を自ら習得することができる環境が整っています。習得するためには自己研鑽を欠かすことはできませんが、その技能はきっと社会人になったとき役立つ武器になるはずです。ぜひ、物質応用化学科へ進学を目指してください。

シミュレータで潜⽔艦を評価

応用情報工学科/情報科学専攻

山田 翔太

防衛装備庁
2024年3月 情報科学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

防衛装備庁の艦艇装備研究所で、対潜戦のシミュレーションに関する研究室に所属しています。仕事内容としては、潜水艦のバーチャルモデルを用いたシミュレータにより、潜水艦の性能評価や能力評価を行っています。バーチャルモデルを用いることで、実際の試作品を作って評価を行うことが難しいシステムでも、シミュレーション上で評価を行うことが可能となります。防衛装備庁での研究は、わが国の安全保障の一端を担う重要な仕事であり、とても大きなやりがいを感じています。

潜水艦「そうりゅう」
出典:海上自衛隊ホームページ

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

シミュレーションやその結果の解析を行う際には、プログラミングの知識だけではなく、シミュレーションを行う現象の理論的背景を知っていないと、そのシミュレーションが本当に正しいのか検証することが難しいです。現在取り扱っている分野は、学生時代の専門分野そのものではありませんが、プログラミングだけではなく、数学や物理など現実で起こる現象を読み解くための基礎的な理論についても学ぶことができたため、これらの学びが役に立っていると強く感じています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

専門性の高い研究活動を、より深く行える環境に身を置くことができることです。大学院では学部の時より必要な単位数も少ないため、多くの時間を研究に割くことができます。また、研究室の指導教員や先輩・後輩と意見交換を行い、知識を深めることもできます。さらに、指導教員を通じて学外の研究者と交流する機会もあり、学外の研究機関でリサーチアシスタントを経験することもできました。これらの経験があったからこそ、今の自分があると思っています。

学生生活での思い出を教えてください。

卒業要件の単位数にとらわれず、さまざまな科目を受講したことです。自身が所属する応用情報工学科の授業だけではなく、数学科や化学科といった他の学科の授業も受講して、卒業要件の1.5倍ほどの単位を取得しました。当時はその分野を勉強してみたいという一心で受講していましたが、こうした幅広い学びが現在の業務や資格取得の役に立っていると感じています。

応用情報工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

近年、生成AIをはじめとするAIの急速な発展により、ITの知識は今後ますます重要になってきます。応用情報工学科では、AIやプログラミングといった情報処理だけでなく、ネットワークシステムや組み込みシステムなどITについて幅広い分野を学ぶことができ、大学での経験が将来必ず役に立ちます。入学したての頃は自分が公務員になるとは全く考えていませんでしたが、大学でのさまざまな経験があったからこそ、今の職業を選ぶことができたと思っています。皆さんも視野を広く持ち、いろいろなことに挑戦してみてください。今の自分が全く想像もつかない未来が待っているはずです。

スマホの通信⽀えるDASの設計

電子工学科/専攻

内海 壮

株式会社東芝社
2024年3月 電子工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

私は現在、5Gなどの高速通信を支える「DAS(Distributed Antenna System:分散アンテナシステム)」の設計を担当しています。DASは、建物内や地下など電波が届きにくい場所でも安定して通信できるようにする設備で、皆さんのスマートフォンが快適につながる環境を支える役割があります。設計には高度な知識が必要で、難しさを感じることもありますが、社会インフラを支える重要な仕事に携わっているという点に、大きなやりがいを感じています。皆さんが日々当たり前に使っている通信を支える裏側には、こうした技術があることを知っていただければうれしいです。

測定器を使用して装置を評価

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

授業で学んだ電子回路などの基礎知識は、現在の電気設計の業務において不可欠な土台となっています。回路図を読み取ったり、製品が正しく動作するかを論理的に考えたりする際には、学生時代に身につけた基礎が活かされています。また、学生実験で測定器の使い方やデータの取り方、結果のまとめ方を繰り返し学んだ経験は、実際の評価、試験や不具合対応の場面でも大いに役立っています。特に不具合対応では、原因を切り分けながら対応方針を決める必要がありますが、学生実験で身につけた手順立てて確認する習慣が的確な判断を行う上で大きな礎になっています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

大学院に進学して良かったことは、自分で選んだ研究分野について時間をかけて深く突き詰めることができた点です。学部時代からさらに内容を掘り下げていき、文献調査や実験を重ね試行錯誤する中で、自ら考えて研究を進める経験を積むことができました。その過程で、思うように結果が出ない課題に対しても、原因を整理し、解決策を立てて検証するという課題解決能力が身につきました。また、学会発表を通して自分の研究内容を限られた時間でわかりやすくまとめ、相手に伝える力も養われました。専門の異なる相手にも理解してもらう工夫を重ねた経験は、現在の仕事で結果や成果を報告したり、関係者と認識を共有したりする場面でも役立っています。

学生生活での思い出を教えてください。

学生生活で特に印象に残っているのは、研究室で過ごした時間です。先輩や同級生、後輩と一緒に研究に取り組むだけでなく、旅行に出かけたり、食事をしたりと、私生活でも多くの楽しい思い出をつくることができました。学年や立場を超えて気軽に相談できる環境があり、勉強面だけでなく、人間関係の面でも大きく成長できたと感じています。また、研究室対抗のソフトボール大会や学科レクリエーションなどの行事を通して、普段の授業ではあまり関わることのない先生方や他の研究室の学生とも交流する機会がありました。こうした活動を通じて、学科全体の一体感を感じることができ、充実した学生生活を送ることができました。

電子工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

私たちの身の回りにあるスマートフォンや家電、自動車など、電気で動くほぼ全てのものに電子工学の技術が使われています。そのため電子工学は、電機メーカーだけでなく、通信、医療、エネルギーなど幅広い分野で重宝される学問です。また、社会のIT化やDXを支える技術でもあり、今後ますます重要性が高まっていく分野だと感じています。特に、ものづくりに興味がある方にとっては、身の回りのものがどのような仕組みで動いているのかを授業や実験を通して理解できる点が大きな魅力だと思います。最初は難しく感じることもあると思いますが、積み重ねた学びは必ず将来に活きますので、ぜひ前向きに挑戦してみてください。

防衛・宇宙事業の契約⽀援

電気工学科/専攻

三枝 美波

日本電気株式会社
2023年3月 電気工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

防衛・宇宙事業を担当する営業の支援業務を行っています。お客様独特のお作法があり、これを踏まえながら、さまざまな切り口で契約支援や業務改善を行っています。主に社内向けの職種ではありますが、お客様独特の契約のお作法を理解し支援するというプロフェッショナル性が求められる業務になります。日本の安全保障を守るという分野であるため、責任感を持ちながら日々業務に取り組んでいます。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

スケジュール管理力と文章力です。仕事において、月次作業のような定常業務のほか突発的な業務もあり、マルチタスクで常に動いています。この際、タスクの期限管理や優先順位の付け方など、大学時代の課題対応や研究で培ったスケジュール管理力が大いに活かされています。また、大学では実験のレポートや研究論文など、文章を作成する機会が多くありました。こうした経験から身についた読み書きの基本スキルは、現在の仕事におけるメールやチャットでのコミュニケーションに直接つながっています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

ビジネスで必要となる汎用的なスキルや専門的な知識が学べる点です。大学院生活では日々の研究成果を、論文や発表等で何度もアウトプットします。この過程の中で得られるスキルは数多くあり、社会人のどの職種でも役に立ちます。また一度専門的な知識を学んだ経験は今後プロフェッショナルとして働く中で必要となってきます。大学院時代に作成した修士論文や学会での論文は、プロフェッショナルの証であり、大きな財産となっています。

学生生活での思い出を教えてください。

大学院時代、北海道の旭川市で開催された学会に参加したことです。コロナ禍で対面発表がなかなかできない中、ようやく落ち着いてきたところで対面開催が実現しました。数十人が見ている中での発表は大変緊張しました。ですが、オンラインと異なり聴講者の反応や表情を見ながら発表できたことがとてもうれしかったです。学会終了後はちょっとした観光や地元のグルメを満喫できました。

電気工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

電気工学科は電力、音響、電子、情報系など幅広い分野を勉強できる学科です。幅広い分野の就職先の実績があるため、まだ将来の夢が決まっていない学生でも安心して入学できます。実際に入学してみると、さまざまな分野の授業があり大変と感じることもあるかと思います。勉強において積極性や探究心が重要だと感じています。探究心を持つことで自身の進みたい分野が決まるかと思いますので、その心を忘れずに勉強に励んでください。応援しています!

通信を⽀える衛星の軌道制御

航空宇宙工学科/専攻

織田 みか

スカパーJSAT株式会社
2023年3月 航空宇宙工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

私が勤めているスカパーJSAT は、十数機の静止衛星を運用しながら、衛星通信などの多様なサービスを提供しています。私は、衛星を運用する部署の中でも軌道チームに所属し、静止衛星の軌道制御を担当しています。地球上からは止まっているように見えるのが静止衛星ですが、実際には太陽や地球の力を受けて少しずつ動いてしまいます。衛星の位置がずれるとサービスの品質が落ちるため、定期的に軌道制御を行って、許容範囲内に衛星を留めるのが私の仕事です。入社3年目の現在は、新規衛星の調達にも携わっています。設計レビューや試験に立ち会いながら、要望を満たす衛星を製造してもらえるよう、衛星メーカーと調整を行っています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

大学の講義で航空宇宙工学を学んだことや、研究室で超小型衛星の開発に携わったことが、会社で本格的な技術を学ぶ際に役立っています。私は入社後に、軌道力学や衛星運用の技術を学びましたが、基礎を理解していたことで、内容をスムーズに吸収することができました。
また、最も活きていると感じるのは、衛星開発にチームで取り組んだ経験です。私は主に、衛星が打ち上げから運用開始まで、安全であることを証明する審査を担当しました。そこでは、構造班や電気班などのメンバーと、綿密に情報共有することの大切さを実感しました。仕事もチームで取り組むことが多いため、メンバーと協力してプロジェクトを進める力が、大きな強みになっています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

研究室内で、先輩の立場を経験できたことです。学部生の頃は、院生の先輩に教えてもらいながら、自分の研究に集中していればよい環境でした。しかし、院生になってチームの最年長になると、後輩に教えるという仕事も増えます。私自身は、研究室の衛星開発プロジェクトで、チームリーダーの立場を経験しました。そこでは、人に仕事を依頼する難しさを知り、適切な頻度で進捗管理することの重要性を深く感じました。また、メンバーの心情や体調に気を配り、時には相談に乗ることが必要であることを学びました。チームを引っ張っていくリーダーとして試行錯誤したこの経験は、とても貴重で、成長に大きくつながったと感じています。

学生生活での思い出を教えてください。

1つは、サークル活動です。新しいことに挑戦しようと、サバゲーサークルに入部しました。山の中のフィールドをエアガンを持って走り回るのは、とても楽しい時間でした。また学科を超えて友人ができ、今でもたまに飲みに行く大切な仲間となっています。もう1つは、イギリス留学です。日本大学の制度に応募し、1カ月間ケンブリッジ大学に留学しました。ここでは、英語を学ぶ難しさと楽しさを知り、海外の人と仲良くなる力も身につけることができました。仕事で海外の衛星メーカーの人と難しい議論をする場面がありますが、この経験が土台になっていると感じます。またここでは、学部を超えた友人ができたことも大切な思い出です。

航空宇宙工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

自分の大学生活を振り返ってみて気付いたことは、講義や研究、サークルや留学など、全てが今の私の糧になっているということです。どれか1つでも欠けていたら、きっと全く違う未来になっていたと思います。大学生活は本当に楽しい時間でした。なぜなら、自分次第でいろいろな経験ができるからです。勉強、研究、アルバイト、サークル、留学など、選択肢はたくさんあります。その時々にやってみたいと思うことに、全力で取り組んでみてください。私が高校生の時に考えていたのは「どの大学に行くか」でした。しかしもっと大切なことは、「その大学でどう生きるか」だと今は思います。ぜひ、いろんなことに挑戦してみてください。

移動式クレーンの開発・設計

精密機械工学科/専攻

石井 崇充

大成建設株式会社
2023年3月 精密機械工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

建設現場や工事現場、災害現場などで荷物を吊り上げて運搬を行う移動式クレーンの開発部門に所属しています。移動式クレーンの構造は、運転席やクレーン駆動装置を搭載している「上部旋回体」、荷物を吊り上げる「ブーム」、走行装置を搭載している「下部走行体」の大きく3つで構成され、その中の上部旋回体の設計を担当しています。移動式クレーンはクレーン作業だけでなく公道走行もするため多くの制約があり、その中でより良い製品にするため日々業務に取り組んでいます。現在は機械設計、電気設計、油圧設計など幅広く担当しており、多くの部分を担当することは大変ではありますが、製品が完成した時の達成感は非常に大きいです。

担当した機種とともに

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

移動式クレーンの開発には機械、電気、油圧、情報などさまざまな知識が関係しています。精密機械工学科では機械分野、電気電子分野、情報分野を幅広く学ぶことができるため、大学で学んだ多くの知識が仕事に活かされています。例えば、機械分野では機械構造物の強度計算、電気電子分野では電気回路の設計、情報分野では制御仕様の検討などが挙げられます。また、仕事で使う専門的知識は大学で学んだ知識が土台になっていることが多いです。仕事をする中でわからないことは勉強しながら取り組んでいますが、大学での知識が基礎にあることで新しく身につける専門的知識の理解がスムーズにできていると感じます。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

研究に深く取り組むことで、考える力が身についたことです。大学院での研究は、自ら課題を見つけて仮説を立てて、その仮説のもと実験を行い、実験結果に対して検証し、違う場合は原因を追究してまた仮説を考えます。このような経験から、課題に対して論理的に考える力が身についたと感じます。この考え方は仕事でも同じで、現状の課題や要求に対して本質を理解して、何が最適かを考えながら設計の仕事を進めています。また、仕事をしている中でうまくいかないことも多く、その時は原因を追究し、問題点を見つけて解決策を考えます。このように大学院での経験が今の仕事でも大きく活かされています。

学生生活での思い出を教えてください。

研究室で過ごした日々が印象に残っています。大学4年から研究室に配属され、大学院2年までの3年間を研究室で過ごしました。研究室では、先生や仲間たちと実験結果に対して議論を重ねたり、学会発表や論文のためにデータをまとめたりしながら、研究活動に取り組んでいました。時には期限に追われて夜遅くまで作業したのも今となっては良い思い出です。また研究だけでなく、研究の合間にはよく雑談したり、歓迎会などの飲み会をしたり、研究室旅行に行ったり、先生や仲間たちと仲を深める時間も多く、研究室で過ごした日々はかけがえのない時間でした。そこで出会った友人は今でも定期的に会う仲になっています。

精密機械工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

精密機械工学科は機械分野、電気電子分野、情報分野の3つの分野を幅広く学べることが魅力です。また、ロボット工房では学生が主体となってものづくりに取り組める環境があり、講義で学んだことを実践できる機会もあります。このように幅広い講義や実践的に学べる環境があることで、将来、機械・電気両方ができるエンジニアとして活躍できると思います。また、3つの分野を幅広く学ぶことは視野が広がり将来への選択肢も多くなります。精密機械工学科の卒業生は、機械分野はもちろん多方面で活躍されています。ぜひ精密機械工学科でさまざまな経験をして、自分の興味があることを見つけてみてください。

ステアリングシステムを設計

機械工学科/専攻

成瀬 友裕

株式会社SUBARU
2021年3月 機械工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

ステアリングシステムの設計部署で、主に部品の仕様決定や図面の作成を行っています。配属当初はフォレスターやレイバックなどの現行車種、現在は将来を見据えた電気自動車の先行開発を行っていて、運転手が触るハンドルから、タイヤに動力を伝えるステアリングギアボックスという部品まで幅広く担当しています。昨今のステアリングは車両の重量増に伴って人の操舵力に合わせたアシストをしたり、運転支援を行ったりなどさまざまな制御を行っています。部品の機構はもちろんですが、こうした制御に関わる部分もサプライヤーや関連した設計・評価部署とやり取りして決定していく事が求められ、機械分野にとどまらない幅広い知識を活用する仕事になっています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

機械工学における基本となる4力学や、設計製図などの知識を在学中にしっかり身につけられたことに加え、実験や実習、学生フォーミュラなど自分で考えて手を動かす機会が多く、作業者目線で物事を考えられるようになりました。仕事を進める際にはこれまでの車両と同じようにはいかず、全く異なる形状で新製する部品も多くあります。そういった時に、部品の構造を考え、要件を満たしているかを確かめるには基礎的な知識が不可欠ですし、車として作る時の作業性に配慮することも大切です。図面もルールを守ったものを自分で書けなければ相手に伝わりません。これらは大学時代にやってきたことに通じていて、経験の積み重ねがいかに重要かということを強く実感しています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

自身の研究に多くの時間を使えたことです。車の運転支援技術に興味を持っていたこともあり、制御関係の研究テーマを扱っている渡邊研究室に所属していました。制御工学は学部時代にも講義や実験で触れる機会はありましたが、応用的な面もあって大学4年間で学べる時間は少ない部類でした。大学院では研究活動がメインで、自分の場合は学部時代のテーマを継続して行い、回路や制御用のプログラムを作って実験装置を動かしつつ、得られた研究成果をまとめて学会等で発表することも経験しました。研究に専念できたことはもちろんですが、学んだことをアウトプットする場面も多くなり、これまでに得られた知識への理解をさらに深めることができました。

学生生活での思い出を教えてください。

学部時代の4年間在籍していたサークルの円陣会(学生フォーミュラ活動)です。主に電装部品を見ていて、ECUを用いた燃料マップの調整や配線の管理を行っていました。最初は電気関係の知識が足りずにトラブルが多発し、このせいで大会に出走できずに悔しい思いをしたこともありました。しかし、OBやスポンサー企業など多くの人の支えも受けながら、部品の役割や配線のつながりを理解し、改善して走行機会を増やすことに貢献できました。大変なことも多かったですが、自分たちで作った車が走っているのを見るととても達成感を得られました。また、一緒に活動した同期の多くは今でも定期的に会ったりして関係が続いており、そういった面でもとても思い出に残っている活動です。

機械工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

機械工学科で学べることはさまざまな分野で使用される技術の基礎になるものです。今では電動化や自動化が至るところで進められていますが、それらも動かすための機械があってこそのものです。機械工学科は学生フォーミュラとの関わりが深く、自動車関係のイメージが強いかもしれませんが、実際にはその他にも幅広い研究テーマを取り扱っているので、エンジニアを目指す人であれば自分の興味のある分野で知識を深める事ができると思います。講義を受けて知識を身につけ、実際に自分で手を動かして考えるということはなかなか大変ではありますが、これらの経験は将来社会に出た時に必ず役立つものなので、ぜひ一つひとつのことに積極的に興味を持って取り組んでほしいです。