会社を設立し課題解決に挑戦

応用情報工学科/情報科学専攻

青木 孝一郎

Spark Engineering株式会社
2004年3月 情報科学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

大学院を卒業後,大手電機メーカーの子会社で約12年間エンジニアとして働きました。その後,外資系企業に転職し,シミュレーションソフトを販売する技術営業として4年間勤務。多くの企業の開発現場を見てきましたが,シミュレーションソフトを導入するだけでは解決できない課題が多くありました。そこで,根本的な問題解決を支援する会社が必要だと考え,2021年に独立し,会社を設立しました。仕事内容はシミュレーション技術を活用したソフトウェア開発を行っています。主に自動車業界の電動自動車,自動運転支援などに携わっています。さらには半導体業界のソフトウェアも手がけており,私の作ったものが海外の有名企業にも使われています。

会社を設立し課題解決に挑戦

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

最初の会社では,ナビやカメラの製品を担当しました。もともとソフトウェアエンジニアを希望して入社しましたが,ソフトウェアだけでなく,電気回路,ノイズ試験,実機評価などの幅広い知識が求められ,一時は悩みました。ただ,大学ではプログラミングだけでなく,はんだごてを使って回路を組む実習,制御工学,電磁気学などを学び,また実験を通じてデータのまとめ方や分析方法を身につけていたため,なんとか仕事についていくことができました。大学時代は何のために学んでいるのか,目的を理解できていなかったことも多かったのですが,学生時代に基礎をしっかり身につけておくことで,社会に出た時に役立ったと感じる場面が多々ありました。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

学部時代にサークル活動に力を入れすぎて,あまり成績が良い方ではなかったのですが,大学院に進学し,大きな刺激を受けました。特に1つ,2つ上の先輩方は非常に優秀で,先輩方と接することで自分の力不足を痛感しました。その経験から,もっと努力しようと思うようになり,社会に出た後も勉強を続ける習慣が身についたと思います。エンジニアとして成長するためには,優秀なエンジニアと一緒にいる環境がとても大切です。同学年の方と過ごすことも大事ですが,研究室のOB・OG,先輩や先生と過ごす時間を通じて,多様な考え方や価値観を学生時代に学ぶことができたのも貴重な経験でした。

学生生活での思い出を教えてください。

大学生活では,友人やサークル仲間と過ごす時間が多く,楽しい思い出ばかりでした。研究室に所属してから印象に残っているのが夏合宿です。夏合宿では,恒例のロボット大会があり,自分たちでルールを決め,決められた費用の中で簡単なロボットを作成し,そのコンセプトや競技内容を発表するという企画でした。数ヶ月前から準備するのは大変でしたが,自分のアイデアが採用された時の達成感は忘れられません。社会に出ると,正解がなく,ルールを守りながらもベストな方法を考えなければなりません。その選択が正しいかどうかはすぐには分かりませんが,日々試行錯誤を繰り返しながら答えを導き出す力が求められます。大学時代の経験が,こうした考える力を鍛えてくれたと思います。

応用情報工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

ものづくり系のエンジニアは,自動車産業をはじめとする日本の基幹産業を支える大切な仕事です。現在は,自動車産業が100年に一度の変革期を迎えており,新しい技術が次々と生まれています。この流れは他の業界にも広がっていきます。これからの時代は,従来の方法にとらわれず,新しい技術に挑戦するエンジニアが求められています。そのためには,ソフトウェアだけに拘るのではなく,ハードウェア,システム工学,制御工学など幅広い知識が必要です。IT,クラウドやAIも話題ですが,日本の強みであるものづくりが発展すれば,関連する経済にも大きな影響を与えます。話が壮大になりましたが,日本の未来に貢献できるものづくりの世界に,ぜひ,飛び込んできてください。

進路が明確になった大学生活

電子工学科/専攻

秋山 和也

日本航空電子工業株式会社
2013年3月 電子工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

USBやHDMIと言えば皆さんにも馴染みがあるかと思いますが,電気が使われる製品に必ず存在する電子部品,“コネクタ”が主力製品の電子部品メーカーに勤めています。仕事内容は,品質の良い製品を作る上で重要となる“品質保証”です。担当する自動車用コネクタにおいて,新規開発品の品質保証計画策定,国内外の生産拠点への品質指導,製品の良否判定,不具合対応など幅広い業務を担当しています。品質維持に対しては,製品の設計部やものづくりの生産技術部,営業などと連携し顧客から信頼される製品作りに全力を注いでいますが,工学的な知見のみならず関係部門とのコミュニケーション能力や問題解決力も求められる仕事です。

進路が明確になった大学生活

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

品質保証業務における製品の品質検証や不具合の原因究明では,関連部門と連携しながら,広い知見を基に多角的な視点で論理的に判断・アプローチすることが求められますが,電子工学科で学んだ豊富な専門知識は,製品の問題点を正しく理解し的確に対処するために欠かせないものとなっています。また,学生時代に試行錯誤しながら取り組んだ実験や研究は問題解決能力を養い,グループワークやディスカッション及びレポート作成の経験は,関連部門とのコミュニケーション能力と報告書などの文書作成スキルの基礎を培ったものと実感しています。そして,これらは品質保証業務のみならず,エンジニアの基礎となるものとして役立っています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

修士課程の2年間は,学部だけでは得られない貴重な経験ができる環境です。勉学においては学部時代に幅広く学んだ電子工学分野の中から,特に興味を持った領域を専門的&集中的に研究することができ,学んだ専門性の高い知識は社会人になってもエンジニアの基礎として活きています。また,就職活動においても,自身が深く学んだ研究分野の意義や実現したい夢が明確になったことから,納得のいく就職先を見つけることができました。大学院の研究室生活では,勉学以外にも教授や友人・先輩・後輩との深い関係性を築くことができます。共に学び,ひたすら研究に集中する仲間たちとの思い出は,卒業した後も一生に残る財産となっています。

学生生活での思い出を教えてください。

大学院生時に担当したティーチングアシスタントの経験です。
ティーチングアシスタントは学部生向けの講義で,学部生への助言,実験や演習等の教育補助業務を主としますが,教授や学部生との交流を深められるほか,学生への適切かつ分かりやすい助言を必要とされることから,学問に対してもより理解度を深めることができたと感じています。また,物事を論理立て理解し分かりやすく端的に説明するといった習慣は,的確な品質指導,文書作成及びプレゼンテーション,開発プロジェクトの推進など,現在の仕事における円滑な業務遂行にもつながっています。

電子工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

電子工学は,皆さんの生活を便利にしている学問です。日常的に使用しているスマートフォンやPCなど,世の中のありとあらゆるデバイスは,内蔵する電子回路が動作することで当たり前のように機能していますが,その全てが電子工学理論に基づいています。電子工学科では,その当たり前を原理・原則から学び,新たなテクノロジーの創造を目標として,日常生活に必要不可欠なエレクトロニクス分野の技術領域に深く関わることができます。近年,IT社会の発展とともに電子工学の重要性が増していると感じています。より良い生活を実現するための“イノベーション”を生み出すことができる電子工学に興味を持ってもらえると嬉しいです。

仕事につながる課題解決の力

電気工学科/専攻

賀川 智弘

三菱電機株式会社
2021年3月 電気工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

⾞載機器(DMS:Driver Monitoring System)のソフトウェア設計・開発を⾏っています。具体的には全メーカー向けの製造支援機能仕様システム設計を担当しています。製造支援機能の設計開発には,ソフトウェアだけでなくハードウェアの知見も必要であり,また全メーカー向けということで,メーカーごとの仕様を理解し共通開発を行うことが求められています。さらにたくさんの部門の方とのやり取りも必要です。とても大変な業務ではありますが,自分が開発に携わった製品が実際の車に搭載されているのを見ると,とてもやりがいを感じることができます。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

学生時代に学んだことは現在の仕事にもつながっています。特に,課題解決能力やスケジュール管理能力は,日々の業務を効率的に進めるために欠かせません。大学では多くの課題に取り組む機会があり,その過程で問題を分析し,解決策を見つける力を養うことができました。また,複数のタスクを同時にこなすためのスケジュール管理も自然と身につきました。これらのスキルは,仕事で直面するさまざまな挑戦の場面で非常に役立っています。

仕事につながる課題解決の力

大学院に進学して良かったことは何ですか?

専門的な知識を深く学べたことです。大学院では,自ら課題を見つけ,それに対する解決策を論理的に考える力が求められます。この過程で,問題解決に向けた論理的思考を身につけることができました。また,専門分野に関する最新の研究や技術に触れることで,知識の幅が広がり,視野が広がりました。これらの経験は,現在の仕事にも大いに活きています。

学生生活での思い出を教えてください。

特に印象に残っているのは,友達との旅行や協力して課題をこなしたことです。友達と一緒に旅行に行ったり,キャンパス内でのイベントに参加したりすることで,楽しい時間を過ごしました。また,グループでの課題に取り組む中で,協力し合いながら目標を達成する喜びを感じました。これらの経験は,今でも大切な思い出として心に残っています。

電気工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

高校生の皆さんへ。大学では,専門知識を深く学ぶだけでなく,課題解決に向けた考え方やスキルも身につけることができます。授業や研究を通じて,自ら問題を見つけ,それに対する解決策を考える力が養われます。また,大学生活は学びだけでなく,友達との楽しい時間や新しい経験もたくさんあります。ぜひ,積極的に挑戦し,充実した大学生活を送ってください。応援しています。

夢だった宇宙開発を担う仕事

航空宇宙工学科/専攻

入澤 惇

日本電気航空宇宙システム株式会社
2017年3月 航空宇宙工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

私の仕事は,「人工衛星のための衛星管制システム」のソフトウェア開発です。地球の観測,通信,深宇宙探査等,さまざまな目的を持った衛星が宇宙空間に存在していますが,衛星を運用するためには,衛星本体だけあればよいというわけではなく,衛星の状態を監視したり,衛星を制御するためのシステムが地上側に必要となります。この衛星を監視・制御するためのシステムを,衛星管制システムと呼びます。衛星管制システムに重大な問題が発生すると,衛星を失うことにもつながる可能性があるため,開発には大きな責任が伴いますが,宇宙開発の一端を直接担える,とてもやりがいのある仕事です。

夢だった宇宙開発を担う仕事

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

大学では実験や研究を通して,“起きていることに対して,どのような原因・要因によりその結果となっているか”を論理的に考察する機会があります。
航空宇宙分野に限らずものづくりの世界では,作ったものに問題がないか確認するための試験を行いますが,必ず何かしらの問題(ソフトウェアにおけるバグ)が見つかります。問題が見つかった場合,その問題がなぜ発生したのか調べ,どのように解決するかを考えなければなりません。この問題解決に必要な思考において,大学時代に培った“物事を論理的に考察する”という力が基礎となっていると実感しています。私が開発している衛星管制システムは厳格な品質が求められるため,大変重要な能力なのです。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

大学院における研究は,学部時代と比べても専門性が高く,航空宇宙工学に対するより深い学びが得られる貴重な機会です。
また,私は修士1年の時に学会に参加させてもらいましたが,学会の発表と論文の執筆を通して,研究成果を外部へ発信するためのスキルも身につけることができました。学会発表はもちろん簡単なことではありませんが,自分の研究を多くの人に知ってもらえ,また学外の研究を知ることもでき,大変貴重な体験でした。大学受験を控えている皆さんも,興味を深め高みを目指す場として,ぜひ大学院という選択肢を考えてみてください。

学生生活での思い出を教えてください。

私は大学生の間は軽音サークルに所属していました。軽音サークルとしては珍しく,バンドメンバーを固定せず,ライブの都度バンドメンバーを入れ替えるという方針のサークルでした。バンドメンバーを都度入れ替えることで,自分が知らないバンドや曲を友人や先輩から紹介してもらい,さまざまなジャンルの曲を演奏していました。今思うと,自分一人では気づけない新しいことを知れるという意味で,とても良い方針のサークルだったなと思います。
サークルの友人とは今でも交流があります。大学時代は学ぶことももちろん大切ですが,同じように人とのつながりも大切にしてください。

航空宇宙工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

日大理工の航空宇宙工学科は,「航空工学」と「宇宙工学」をピンポイントで学べる珍しい学科で,私もそうでしたが,“将来宇宙開発に関わる仕事をしたい”という目標を持っている人にはピッタリの学科だと今でも思います。航空宇宙工学をピンポイントで学べると言いましたが,もちろんそれしか学ぶことができないということはなく,熱力学や材料力学等,ものづくりの基礎的なことも学ぶことができます。「飛行機が好き」「宇宙が好き」「ものづくりが好き」という人は,是非,日大理工航空宇宙工学科を受験してみてください。

専門知識を建設現場へと応用

精密機械工学科/専攻

石井 崇充

大成建設株式会社
2023年3月 精密機械工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

建設会社にて,トンネル,ダム,橋などの生活に欠かせないインフラ施設を工事する土木分野の支援を行う研究開発部門に所属しています。その中で,長時間労働や人手不足の課題がある建設現場で工事がうまく進むように管理を支援するシステムの開発に携わっています。具体的には,現場の機械や人などの様々な情報をIoT機器を使って収集し,可視化するシステムの開発を行っています。そして,実際に開発したものを現場に実装し検証しながら,より現場のニーズに合うよう日々改良に取り組んでいます。そのため,基本的にはオフィスで勤務していますが,現場に行く頻度がかなり多く,非常に面白い仕事を経験できていると感じています。

専門知識を建設現場へと応用

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

建設業の課題である長時間労働や人手不足を解決するためには省力化・自動化による生産性向上が必要となり,その方法としてICT技術やメカトロニクス技術の活用が特に求められています。そのような社会的背景がある中で,精密機械工学科では,機械・電気電子・情報分野と幅広く学ぶことができ,ICTやメカトロニクスの知見を高めることができます。そうした知見を得たことで,現在行っている業務の理解と遂行がしやすいと感じています。また,授業の課題や試験,研究活動,課外活動を通して様々なことを色々な人たちと実行し,やり遂げる経験は,業務を行っていく中で糧になっていると感じています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

1つ目は,研究にさらに取り組むことで成果が増えたことです。学部生で卒業する場合は研究に1年間取り組むことになりますが,大学院に進学することでさらに2年間取り組むことができ,内容の理解をより一層深めることができました。そして,得た成果を基に学会発表に挑戦することで,相手に分かりやすく伝わるような資料作成及び発表の経験を積めたことが良かったです。2つ目は,自分の将来について考える時間をさらにつくることができたことです。研究できる時間が増えるだけでなく,就職活動についても学部生の時以上にいろいろな業界や業種を見ることができ,自分の将来について考える時間をつくることができました。

学生生活での思い出を教えてください。

学生時代で印象に残っていることは,同じ学科の友人たちと一緒に授業で与えられるさまざまな課題や試験を乗り切ったことです。日々学習していく中で自分一人の力では解けない難しい課題・試験もありました。そのような課題に対して,友人たちと協力し議論しながら(時には夜遅くまで)乗り切った経験は楽しい時間だったため,特に印象に残っています。

精密機械工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

専門知識を建設現場へと応用

技術センターZEB棟

日大理工の精密機械工学科は,機械・電気電子・情報分野と幅広く学ぶことができる学科です。また,授業だけでなくロボット工房でさらにものづくりに触れることができる環境があります。そのような環境があったお陰でいろいろな分野に興味を持つことができ,将来についても考える基礎になったと感じます。精密機械工学科出身の方はメーカーへ就職を目指す人が多いですが,建設業という一見関係なさそうな業界にも実は活躍のフィールドがあります。将来はロボットが作りたいという思いを持った方はもちろん,何かものづくりがしてみたい,まだ何がしたいよく分からないと悩んでいる方々にも,いろいろなことを考えるきっかけになるおすすめの学科です。

在学中にエンジニアへと成長

機械工学科/専攻

丸井 勇介

本田技研工業株式会社
2007年3月 機械工学科卒業

現在のお仕事の内容を教えてください。

私は入社時以来一貫して2輪車のエンジンの開発部門に所属し,現在は熱流体解析(CFD)を用いたエンジン設計を主業務としています。Honda2輪の主要マーケットであるインド,東南アジア地域で販売する小型2輪車は燃費性能が非常に重視されますが,それと同時により低価格な商品が求められるため,可変機構や電子スロットルのようなデバイスに頼ることができません。よっていかにそれらデバイスなしでの燃焼を良くするかが重要で,CFDを用いてエンジン筒内の流れや燃料の混合状態をシミュレーションしながら,実際のエンジンでテストした結果と比較することで現象理解を深め,燃費が良くなる燃焼の構築に取り組んでいます。また最近はmotoGPエンジンの設計にも携わったり,HySE(水素小型モビリティ・エンジン研究組合)の所属メンバーとして,水素エンジンの燃焼シミュレーションを担当し,同業他社のエンジニアの方々と定期的に技術ディスカッションしたり,大学との共同研究にも参画しています。

在学中にエンジニアへと成長

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

在学中にエンジニアへと成長

学部1,2年生の時は,旋盤加工や材料引張試験,紙製図などの実体験を経ることにより,ものづくりへの感性や興味を養い,3,4年生は机上メインではあるものの,実体験に基づいた理解修得もでき,私としては在学中にエンジニアになるための準備が整ったと思います。研究室は内燃機関の専攻で庄司研(飯島研の前身)に所属し,実際にエンジンを触りながら実験していたことでエンジンや燃焼の基礎を学べていたため,入社後もスムーズに仕事を覚えることができました。さらに私の場合は,学生フォーミュラサークル(円陣会)に所属し,活動の中で実際の企業に勤めるエンジニアの方々と接する機会もあり,早い段階からより身近にエンジニアという職業を実感できた,という諸々の経験が現在の私を構築したものと感じています。

学生生活での思い出を教えてください。

一番の思い出は学生フォーミュラ活動(円陣会)に4年間,朝から晩まで没頭したことです。学部4年時にはドライバー兼エンジンテストやカウルデザインを担当し,総合優勝はできませんでしたがメインの走行競技では2位を獲得し,大きな達成感を得ることができました。また大会直前に自分の勉強不足でエンジンを誤組して壊してしまいましたが,内燃機関棟に連日泊まり込みで深夜まで作業し,なんとかリカバリーして大会に臨めたのも良い思い出です。印象に残っているのはその時にできた仲間たちで,自動車業界以外に就職した人間もいますが,彼らとは今でも交流が続いています。

機械工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

将来やりたいことが定まっている人もそうでない人も,現在は私が大学に入学した時に比べて世の中の動きが大きく,予測不能なVUCAの時代と言われています。そんな時代を生き抜くためには常識にとらわれず,いろいろなことに興味を持って,失敗を恐れずにまずはやってみることが大切だと思います。学科の選択で悩まれると思いますが,機械工学は4力学を基礎とし,ものづくりの基礎分野となる学問です。そしてものづくりの感覚・感性は原理原則をしっかり学んだ上で,実際にモノを見て触って感じることで磨かれていきます。機械工学科に入学すれば多くの学びと実体験の機会に恵まれ,ご自身の将来の方向性を定める上で有用な学生生活が送れるはずです。将来世の中で活躍する極意は,好きこそ物の上手なれだと思いますので,課外活動も加えて,学生生活の間にご自身が好きなこと・没頭できることを見つけてほしいと思います。

学びが「まちづくり」に直結

まちづくり工学科/専攻

勇﨑 大翔

株式会社オリエンタルコンサルタンツ
2022年3月 まちづくり工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

都市政策・デザイン部の都市政策チームに属しており,計画策定業務や,計画に紐づいた各種事業を推進する仕事をしています。計画策定業務では,都市計画マスタープランをはじめ,立地適正化計画などの上位計画から,事業推進にまつわる基本計画や地域の将来像を描く未来ビジョンなど,幅広い計画策定を行っています。事業推進では,昨今のトレンドである官民連携事業や,ウォーカブル,団地再生など,地域に入り・地域に触れながら,まち・地域の再編に取り組んでいます。仕事をするフィールドは,首都圏の代表都市から,地方中枢都市,人口5万人未満の地方都市など,全国的な業務を行っています。

学びが「まちづくり」に直結

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

学生時代の研究活動では,学部時代に立地適正化計画,大学院時代に地域防災計画といった地域計画に関する研究をしてきたことから,研究で学んできた内容が業務で直接活かせることが多くありました。具体的にいうと,例えば地域分析では,オープンデータを活用した分析手法やデータの見方,各種調査のデータ所在など,地域の状況を捉えるためのデータの扱いを学生時代に学んできていたことが,現在の業務の中でも役立っています。また,大学の授業で学ぶ都市計画の知識や,まちづくりをする上で重要な点となる法律・条例についての知識も業務の中では役立つことが非常に多く,学生時代の学びが今にすごく活きていると感じています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

研究活動にどっぷりと浸かれたことです。私は,もともと世の中で動く各種事業や取り組みの根幹を知ることができる建設コンサルタントの企業に就職したいと考えていました。そのため,大学院時代は就職後に向けて,都市計画の基本となる都市計画・政策にまつわる研究をはじめ,まちづくりにとって重要な観点である法律の解釈,お金に関することが学べる複数のテーマの研究を行っていました。複数のテーマの研究を行い,自身の知見を広めていくことは非常に大変ではありましたが,2年間の時間をたっぷり使って,日々研究した時間は,今でもすごく役立っています。

学生生活での思い出を教えてください。

初めて審査付き論文を書いた経験が最も印象に残っています。普段は自身の指導教員と自身の考えの基,研究を組み立てていきますが,そこに客観的視点として,外部の評価が下されることは非常に刺激になりました。自身の中ではこれ以上はないと思っていても,もっと幅広い視野で物事を見ることの大切さや,もっと建設的に文章を組み立てていくためにはどうすればよいかといったことをすごく学ぶことができたと思っています。また,審査付き論文が通った際には,外部評価も踏まえて論文・研究が一つ認められたことになることから達成感もありました。

まちづくり工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

大学進学を目指す・学生生活を過ごす上では,将来的な目標を持つことが大切だと思います。
大学では,基礎的なことから,研究活動やフィールドワークなどでの詳細な学びがあります。その際に将来的な目標を立て,そこに向けて特化したことを吸収する姿勢でいると,日頃の学びの幅が広がっていきます。社会人になってからも,目標を立てて業務をこなしていくことは重要なことなので,ぜひ大学に進学・在学する中でも将来を見据えた目標を考えられると良いと思います。当然,大学に入学する前から卒業後の目標を立てることはハードルが高いことだと思いますので,在学する中で徐々に構築していくことを意識してみてください。

地域環境に調和した建築設計

海洋建築工学科/専攻

杉田 陽平

株式会社竹中工務店
2014年3月 海洋建築工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

設計部に所属し,建築設計を専業として活動しています。昨年,富山県南砺市の多雪地域で集会施設が竣工しました。この建物は高齢の利用者への配慮から,雪下ろしが不要で隣地や道路への落雪,氷柱の形成を防ぐ設計が求められました。雪が特徴的な街のため,積雪解析を行い積雪被害のない多角谷型の蓄雪屋根をデザインしました。また,心地の良い空間を目指し,春や秋の中間期には敷地の目の前に広がる河川から「川風」を取り入れようと自然換気解析を実施しました。そして,建物の壁を凹凸のある形状にし,風を効果的に受け止める構造にすることで自然換気を促進しています。このような地域の自然環境を意識した建物の設計を行っています。

地域環境に調和した建築設計
佐野利器賞プレゼンテーションの様子

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

海洋建築工学科では身近にある川や海,風からの影響など自然環境を取り入れた設計に関する知識が重要で,ここで修得した自然と社会の持続可能な建築手法が,現業で大いに活かされています。また,学外活動に参加した経験も大きな影響を与えており,ワークショップやセミナーで,当時のトレンドや技術に触れ多様な視点を養うことができました。さらに,建築賞への応募を通じて自己表現の重要性を実感しました。プロジェクトを発信し,他者からのフィードバックを受け取り,成長する機会を得ました。これらの経験は,建築主に対してクリエイティブな提案を行う基盤となっており,私のキャリアに欠かせない要素となりました。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

特に「研究室」での活動が大きな魅力です。研究室では「自由は責任」という言葉の下,社会性のある自主的な研究活動が奨励され,仲間と共に切磋琢磨できる環境が整っています。また,研究室同士のつながりもあり,この自由な雰囲気は研究の質を高めるだけでなく,私自身の成長にも寄与しています。さらに,在学中に海外の設計事務所での勤務を経験し,国際的な視点を持つことの重要性を実感しました。この多様な経験は卒業後のキャリアにとっても大きな財産となっています。大学院での学びは,専門性を高めるだけでなく,私の視野を広げる貴重なステップとなりました。

学生生活での思い出を教えてください。

学生生活での思い出の一つは,日本大学ならではの多様な建築系学部や学科とのつながりを活かし,建築を学ぶフィールドを広げられたことです。特に,海洋建築工学科からの紹介で建築家事務所での活動に参加できたことは,非常に貴重な経験でした。実際の現場での活動を通じて,教室では学べないリアルな知識や技術を身につけることができました。また,所員とのコミュニケーションを通じて,さまざまな視点やアイデアが交わされ,自分の考えを深める機会も増えました。設計のプロセスを間近で見ることで,建築の魅力をますます実感し,自分の将来の目標もより明確になりました。そして,建築に対する情熱をさらに高め,私の成長に大きく寄与しました。

海洋建築工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

日大理工の海洋建築工学科では,専門性を深めながらも,個人としての視野が広がる機会が待っています。そして,学内外問わず多様なプロジェクトに参加する機会があり,自分の興味を追求しながら知識を深め,実践的なスキルを身につけることができます。さらに,個人活動の自由度が高く,アイデアやビジョンを具現化することができる環境が整っています。この自由な発想が創造力を引き出す重要な要素です。また,自然環境を学べることも魅力の一つです。海洋環境や都市計画についての理解が深まることで,持続可能な建築やデザインの重要性を実感でき,自分自身の成長につながります。この学科で学ぶことで,専門的な知識と広い視野を持った建築家として成長できると思います。