「制御」とは何だろう

担当講師:渡辺 亨

世の中の工業製品には「制御」が使われているものが少なくありませんが,それがはっきりと分かるような製品は多くありません。
なぜなら制御とは,本質的には「情報」の操作だからです。
制御しようという対象から情報を取り出し,それに情報処理をほどこし,その結果を制御対象に作用させるという一連の操作,それが「制御」なのです。

そう言うと単純なようですが,実際に制御を行おうとすると様々な障害にぶつかります。
例えば,具体的にどういう情報をどうやって取り出すのか(=計測),取り出した情報にどういう処理を加えたら良いのか(=設計),その制御が絶対うまくいくという保証はできるのか(=解析),頭の中で考えた情報処理システムをどうやってモノとして実現するのか(=実装)といった諸問題は,目に見えない情報と目に見える実体の両方が関係してくるだけにとても複雑です。

この授業では,それらの問題の本質的な意味を解説し,それらに対して今の制御工学でどのような考え方で立ち向かっているのかを説明します。
その過程で,高校で学ぶ内容(数学・理科)がどのように制御工学につながって行くのかという展望を示します。

機械力学におけるシミュレーション技術-機構解析,車両運動解析への応用-

担当講師:安藝 雅彦

ニュースや雑誌の記事などでシミュレーションという言葉をよく耳にします。
一般にシミュレーションとは「現象を何らかの手段で模倣すること」を言います。
理工系の分野ではコンピュータシミュレーションがよく用いられており,こちらをイメージする人が多いかもしれません。
模倣したい現象の物理法則がわかれば,コンピュータ内に仮想的な実験環境を作り,コンピュータ内で模擬的に実験を行うことができます。
機械工学では機械の運動を扱う機械力学と呼ばれる分野があります。これは高校で学ぶ力学を機械工学に適用し,機械に作用する力と運動の関係を明らかにするものです。

機械力学分野ではどのような場面でシミュレーション技術が応用されているか,(1)複数の部品から構成された機構がどのように動くか予測する機構解析,(2)自動車や鉄道などの車両運動を予測する車両運動解析を例に解説します。

ドライビングシミュレータ
ドライビングシミュレータ
鉄道車両の走行シミュレーション
(レール・車輪の接触状態)
鉄道車両の走行シミュレーション
(レール・車輪の接触状態)

乗り物の力学

担当講師:安藝 雅彦

自動車と鉄道を対象として,力学の観点から乗り物の「走る・止まる・曲がる」という運動の仕組みを解説します。


講義の構成

1. 車両の構成
1.1 自動車の構成
1.2 鉄道車両の構成
2. 加速と減速
2.1 自動車・鉄道車両の加速の仕組み
2.2 自動車・鉄道車両の減速の仕組み
3. 曲線走行性能
3.1 自動車が曲がる仕組み(ステアリング機構)
3.2 鉄道車両が曲がる仕組み(自己操舵機構)

受動歩行機制作と歩行様式生成を目指して

担当講師:井上 健

ヒューマノイドロボットをはじめ,歩行ロボットに関する研究が盛んに行われています。
従来の歩行制御はエネルギー消費が高く,効率の良い歩行とはいいがたい問題点があります。
一方,人は重力場を巧みに利用することで,自然で高効率の歩行をしています。
この重力を利用した歩行様式である受動歩行(無(モーター)動力)を2足以上の多足機で実現します。
動物の脊椎構造を模した実機制作により多様な歩行パターンの生成を目指します。

2足歩行機
2足歩行機
4足歩行機
4足歩行機

テレビやパソコン,スマートフォンで実現されている動画像圧縮技術

担当講師:小林 伸彰

皆さんが身近で利用している動画と言えば,テレビで放映している地上波ディジタル放送,BS/CS放送がその代表でしょう。
そして,忙しくてリアルタイムで視聴できない番組をハードディスクレコーダーで録画する,というシーンが一般的な利用形態と言えるでしょう。
また,見たい映画や好きなアーティストのコンサートをDVDやBlu-layで楽しむ,といった事も多くの人が利用しています。
そして,最近ではパソコンやスマートフォンを介したインターネット上の動画サイト,例えばYoutubeやオンデマンド型サービスのHulu等が世界中で普及しています。
これらの動画にはすべて「動画像圧縮技術」が使われているのを皆さんご存知でしょうか。

動画というのは1秒間に30〜60枚の静止画(簡単に言うと写真)をパラパラマンガ(残像で絵が動いて見える漫画)の要領で「動いているように」見せているのです。
例えば,1秒間に30枚なら1分で1800枚,1時間で108000枚…といった具合に,膨大なデータが処理されます。
これらをリアルタイムで実現可能にするのは困難なことであるのは想像に難くないでしょう。
これらを実現可能にするのが「動画像圧縮技術」であり,そしてこの技術を支えるのが今日の半導体技術です。

この講義では,動画像圧縮技術の基本から,これを高速に,そして低電力で実現する半導体LSI技術をご紹介します。

脳波でロボットを動かす夢の技術 -ブレインマシンインターフェース-

担当講師:小林 伸彰

最近アニメや映画などで,操縦者が頭にヘッドセットを装着して自由にロボットを動かしているシーンを見ませんか?
最新の研究では,頭に脳波を読み取る電極を装着して,車椅子のコントロールに成功した報告もあります。
我々は,工場などで使用されている大型の双腕ロボットを脳波で自由にコントロールする研究をおこなっています。
この講義では,最新のブレインマシンインターフェースに係る研究を説明します。
また,研究に使用している脳波測定装置は,小型で持ち運びができますので講義中にデモンストレーションをおこないます。

皆さんの脳波が体の動作や外から受ける刺激を基に,どのように変化するか実際に測定しましょう。

風のエネルギーの有効利用 ―庭で風力発電できる?―

担当講師:関谷 直樹

日本でも風力発電所が各地で建設されるようになってきました.
その多くは,平原,洋上等の人口の少ない地に建設されており,日本の風力発電の割合は全発電量の1%に過ぎません.

この講義では風の持つエネルギーをどの程度電気へ変換できるか試算し,太陽光発電のように各家庭でも風力による発電を利用できるか検証します.

空を飛ぶ ―飛行機から空飛ぶ車まで―

担当講師:関谷 直樹

私たちが想像していた映画やアニメに登場する空を飛ぶ車とは少し異なりますが,現在,世界各地で空を飛ぶ車の開発が盛んに行われています.

この講義では空を飛ぶ原理から始め,映画やアニメに登場するような空を飛ぶ車が実現可能か試算するところまでお話しします.

サイクロイドプロペラ
サイクロイドプロペラ

ゲームデザインとコンピュータサイエンスの関係

担当講師:粟飯原 萌

高校生の皆さんは,ゲームにどのようなイメージを持ち接していますか?
据え置き型ゲーム機や携帯型ゲームだけではなく,スマートフォンアプリが多く販売されています.
自らのスマートフォンの利用を始めてからゲームに触れる機会が一層増えたのではないでしょうか.

ゲームに人が夢中になるのは理由があります.皆さんはデジタルゲームに限らずゲームに夢中になった経験があると思います.
その夢中になった理由は,哲学者やゲーム開発者の様々な知見をもとにした理論の中にあるはずです.

本授業では,ゲーム開発技術や理論等に触れるために,日常で遊ぶデジタルゲームを通してゲームの魅力について考えます.
さらに,その技術を利用し世の中の課題を解決するゲームやゲームとコンピュータサイエンスの関係についてご紹介します.

シリアスゲームは,社会の様々な問題を解決する事も目的としたゲームです.過去にシリアスゲーム開発を通して英語学習,生活やゲームのバリアフリーについて考えるイベントを開催しました.
シリアスゲームは,社会の様々な問題を解決する事も目的としたゲームです.過去にシリアスゲーム開発を通して英語学習,生活やゲームのバリアフリーについて考えるイベントを開催しました.