コンピューターに物を見させる

担当講師:門馬 英一郎

今,デジタルカメラやスマートフォンには「ヒトの顔」を見付ける機能が搭載されています。
では,どのように探しているのでしょうか?実は,これらの機器に搭載されているコンピューターは「ヒト」も「顔」も探していません。それどころか「顔」を構成する「目」も「鼻」も「口」も探していません。

一方で,私達が「ヒトの顔」を見付けるのはとても簡単です。遠くからでも「ヒト」を見付け,頭の位置にある「顔」を見付けられます。また,「^-^」のような記号や,汚れた壁のシミや木目などの模様からも「目」や「口」などのパーツから「顔」を見付けてしまいます。

「ヒトの顔」を例にしましたがコンピューターに「物」を見させるには私達とは全く違った考え方が必要になります。
このような話を含めた画像処理の話を皆さんにお話ししたいと考えています。

電気と未来のエネルギー

担当講師:直井 和久

日本国内における電力供給は,東日本大震災以降,原子力発電の停止により海外からの化石燃料に大きく頼ることになり,その依存度は過去最高の水準にあります。

これにより,一次エネルギー(石炭,原油,天然ガス,再生可能エネルギー,原子力,水力)の自給率は大きく低下し,先進国の中で最も低い水準となっています。

また,化石燃料への依存度が高まることにより電気料金は大きく上昇し,諸外国と比較して日本の電気料金は高く,特に産業部門での国際競争力の悪影響が懸念されています。さらに,原子力発電所が停止し,化石燃料による発電に依存していることから,二酸化炭素の排出量は増加しています。

これらの我が国が直面する「経済成長(Economy)」,「資源・エネルギーの安定確保(Energy)」,「環境保(Environment)」の3Eによる制約(トリレンマ問題)が,私たちの生活にどのような変化をもたらすか考えてみましょう。

電波ってなに? 電波を見る・測る

担当講師:布施 匡章

私たちの便利な生活を支えている電波.携帯電話(スマホ)や電化製品など様々なものに使われ,今や生活に欠かすことのできない大切な電波.電子レンジも電波.当然携帯電話(スマホ)も.とりわけ携帯電話は格別で,様々な種類・方式の違う電波が使用されています.
なぜそんなにたくさんの種類・方式の違うものが使われているのでしょう?

本講座では,「電波ってなに?」,「電波って見える?」など簡単な疑問から,電波のしくみ,特徴などについてお話しします.

電波のイメージ図

再生可能エネルギーから効率的に電気を作り出す技術

担当講師:辻 健太郎

現在日本では,エネルギーミックスの確実な実現へ向けた取り組みの更なる強化を行うとともに,エネルギー転換・脱炭素社会の実現に向けての作業が進んでいます。そのような状況下において,日本に限らず現在世界中で再生可能エネルギーを用いた発電システムの研究が進んでいます。

本講義では再生可能エネルギーの一種である海洋エネルギーの内,潮流,波力エネルギーを用いた発電システムおいて,効率的に電気を作り出す方法について講義いたします。
潮流エネルギーは周期的に流れの速さと向きが変化し,波力エネルギーも不規則に変化します。したがって,どちらも発電機への入力エネルギーが時間に対して変化します。このため,入力エネルギーが変化しても発電機が常に最大効率で運転出来るように制御を行う必要があり,この制御システムについてわかりやすく講義いたします。

四方を海に囲まれた日本にとっては貴重な再生可能エネルギーの一種である海洋エネルギーによる発電システムについて理解を深めてみませんか。

制御システム

低ノイズ電子回路をつくる

担当講師:今池 健

近年,省エネルギー化の要求やスマートフォンのバッテリー持ち時間の増加など,いかに少ない電力で電子回路を動作させるかということが重要な課題となっています。

回路が消費する電力を下げる最も簡単な方法は,電子回路を動作させる電圧・電流を下げることですが,回路内の信号が小さくなるため,外部からのノイズによって誤動作の原因となるほか,その回路自身から出てくるノイズの影響も無視できなくなってきました。特に各種センサーなど微弱なアナログ信号の変化を取り扱う場合や,コンピュータ内部の超高速なディジタルデータ伝送において問題になります。

我々はノイズキャンセリング技術を用いて耐ノイズ性に優れた電子回路,ノイズを外部に出さない電子回路の開発をおこなっているほか,アナログ-ディジタル変換器(AD-converter)と計算機を用いた信号処理を行うことで,完全にノイズに埋もれた信号の中からノイズを除去し,必要な信号のみを抽出可能にする研究しています。
本講義では低雑音回路の設計について水晶発振器を中心に,ノイズキャンセリング手法, それを応用したセンサについて紹介します。

耐ノイズ性・耐ノイズ放射性を持った高速ディジタルデータ伝送の信号線
耐ノイズ性・耐ノイズ放射性を持った高速ディジタルデータ伝送の信号線
超低雑音水晶発振器
超低雑音水晶発振器
ノイズキャンセリング機能を持ったガスセンサ
ノイズキャンセリング機能を持ったガスセンサ

高感度MEMS水晶センサの加工シミュレーション

担当講師:今池 健

普段の生活の中で,身体の状態をみてくれたり,防災や防犯等々,我々の生活の安全性を高める道具は重要です。

検出したい内容により,必要とするセンサは,それこそ,千差万別です。

我々の生活をサポートする,正確で高機能なデバイスの一つとして水晶振動子が挙げられます。我々が研究を行っている水晶振動子を用いたQCMセンサー(QCM:Quartz Crystal Microbalance)は,数ナノグラム以下の微小質量を検出できることから生体の抗原抗体反応計測やにおいセンサーなどに使用されています。

本講義では身の回りにある水晶デバイスの紹介から水晶の歴史,最先端の水晶加工シミュレーションおよび,センサーとしての応用について紹介します。

Dual QCM センサー
Dual QCM センサー
振動子の解析モデル
振動子の解析モデル
インピーダンスおよびアイソレーション特性
インピーダンスおよびアイソレーション特性
シミュレーション結果に基づいて作製したQCMセンサ
シミュレーション結果に基づいて作製したQCMセンサ

もっと高速で途切れないスマートフォンをつくる

担当講師:今池 健

東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されている2020年に向けて第5世代携帯電話を世界に先駆けて実現するための研究が日本国内で急速に進められています。

現在の1000倍以上の高層化・大容量化を実現するために重要となる技術の一つが,電波の信号を発生させる基準となる水晶発振器の高安定化です。スマートフォンだけでは無く,電子回路には必ずと言って良いほど搭載されている水晶発振器ですが,この発振周波数が不安定だと,他の無線通信の電波と干渉を起こしたり,通信が正常におこなわれず途切れる原因となります。

我々は超高安定で正確な水晶発振器の開発をおこなっているほか,開発した発振器が本当に高精度で高安定なのかを評価するための測定器の開発もおこなっています。

本講義では高速で高安定な通信を支える水晶デバイスの紹介から水晶の歴史,最先端の発振器および,その応用例について紹介します。

水晶発振器の安定度測定評価
水晶発振器の安定度測定評価
高周波水晶発振器(465MHz)
高周波水晶発振器(465MHz)
水晶発振器の周波数安定度の測定
水晶発振器の周波数安定度の測定

大型アンテナの世界へようこそ!

担当講師:瀧川 道生

宇宙と地球をつなぐ架け橋,「大型アンテナ」の世界に足を踏み入れてみませんか?私たちの日常生活に欠かせない通信技術や,壮大な宇宙研究を支える影の立役者。それの一つが大型アンテナです。
通信技術では,宇宙探査機や人工衛星との通信を可能にします。
たとえば,深宇宙探査では地球から何十億キロメートルも離れた場所にある探査機との通信に使われます。その正確なデータ受信能力が,ミッション成功の鍵となります。
また,天文学者たちは大型アンテナを使い,遠くの銀河や恒星から放射される微弱な電波を観測します。これにより,宇宙の起源や進化についての新しい発見がもたらされています。
アンテナの仕組みや科学の世界での役割について楽しく学びましょう。

64mアンテナと私
64mアンテナと私

パソコンの仕組み 解き明かします(実演・体験)

担当講師:電子工学科教員

パソコンはどうやって動いているのでしょう?どんなパーツがどんな役割をしているのでしょう? 全くわからない人,詳しく知っている人,自分でパソコンを組み上げたことがある人,いろんな人がいるでしょう。
でも,各パーツをさらに素子まで分解したことがある人はいるでしょうか?

この出張講義では,ハードディスクなら針やディスクがバラバラになるまで,ディスプレイなら液晶やフィルタがバラバラになるまで分解します。
タブレットやスマートフォンならバラバラにしてもまだ動作することもあります。自分が普段当たり前に使っているパソコンがどうやって動いているのか,目で見て触って体験できる講義です。

(***対応可能人数・最大約20人***)

情報0,1,・・・,∞

担当講師:香取 照臣

暮らしの中でもパソコンは当たり前の存在になり,家電製品と大して変わらなくなりました。
それだけに,ただパソコンを使うだけでは情報工学の勉強ではありませんよね。

このミニ講義では情報工学について,身近な例から大学で勉強できること,研究の対象になることまでをわかりやすく紹介していきます。
情報の世界では,「1から」ではなく,「0から」始まるのですが,この講義を聴いていただくことで,∞の可能性がひろがるでしょうか?

情報0,1,・・・,∞のイメージ図