Let’s TRY! -タグラグビーに挑戦-

担当講師:沖 和磨

2015年ラグビーワールドカップ・イングランド大会と2019年ラグビーワールドカップ・日本大会において日本代表が大活躍したことをきっかけに,世界最高峰のラグビー選手たちが国内リーグに参加するなど日本ラグビーのレベルが急上昇し,国内でのラグビー人気も高まりつつあります。
その一要因として,2008年に文科省から発表された新学習指導要領・小学校学習指導要領解説「体育」の中で「タグラグビー」が教科として正式に採用され,学校教育を通して「ラグビー」というスポーツが日本で普及していったことが挙げられます。
しかしながら,まだまだタグラグビーを行う機会や指導できる人材は不足しており,「やってみたいけど,やる場所がない」「授業に導入したいけどやり方がわからない」といった声も多くあるのが現状です。

本講義では,「タグラグビーをやってみたい」または「タグラグビーを教えたい」人を対象として,タグラグビーの基礎的な知識と実施方法についてプレーの実践を通して学習します。

タグラグビーの授業の様子
タグラグビーの授業の様子

半導体が支える私たちの生活(IT,省エネ,環境)

担当講師:高瀬 浩一

世の中の物質を電気が流れるか流れないかで分類すると,金属,半導体,絶縁体の3種類に大別できます。
この講義では,特に,半導体のすばらしい機能性がどのように私たちの生活を支えているかについてお話します。

さて,その半導体の機能ですが,これには,整流,増幅,発光などがあります。
整流・増幅作用は,主に,電子機器類に組み込まれている半導体メモリやCPU に用いられ,ITを支えています。この作用は,真空管でも実現可能ですが,真空管では,消費電力やサイズが大きく,現代の1000万個以上のトランジスタで構成されるメモリ応用等には,到底,向きません。
発光作用は,半導体ならではの機能で,これにより発光ダイオードやレーザーが作られています。この技術は,電気エネルギーを光エネルギーに変換できる大変優れたものです。また,この逆の作用を行うことで,発電が可能となります。すなわち,半導体に光を当てて,電気を取り出すのです。この例として,太陽電池や光スイチング素子が挙げられます。更に,取り出した電気で,殺菌や有害物質の分解も可能です。
これらは,全て,半導体ならではの機能です。

微分方程式の理論と応用

担当講師:水野 将司

微分方程式とは,導関数を含む未知関数を含む方程式のことです.導関数は,その関数の変化の割合と関係があるので,微分方程式は変化の割合に関する方程式ということができます.
従って,現時点での関数の変化から,未来の関数の状態を決めるルールともいえます.

私の研究室では,微分方程式の性質を調べること(理論)と微分方程式をどのように使うか(応用)の双方を研究しています.
この研究のために,微分積分を使うことはもちろんのこと,ベクトルや複素数,数列を使うこともあります.さらに,コンピュータを使って,理論を構築するための数値計算を行うこともあります.また,方程式をどのように使うかを調べるために物理や化学,工学の知識を勉強することもあります.
私自身は理論寄りの研究を主体に行っていますが,理論と応用はお互いに影響を与えあって,研究が進むものと考えています.

有限・離散な数学― グラフ理論

担当講師:善本 潔

グラフ理論におけるグラフとは,普段使われているグラフと異なり,幾つかの点とその間を結んだ線で出来ている図形のことをさします。例えば鉄道の路線図や道路図などが,その具体的な例です。
グラフ理論は,そういった図形の組合せ的性質を研究する数学の一分野です。


歴史的には,オイラーの一筆書きの問題,いわゆる「ケーニッヒベルクの橋問題」と呼ばれるオイラーの定理が最も古い定理の一つでしょう。
しかし現代のように大きく発展したのは20世紀からで,何千年の歴史を持つ数学の中では,新しい分野の一つといえるでしょう。しかしそれだけに,まだまだ未解決な問題が多く残されていて,活気に満ちたジャンルといえます。よく知られた「四色問題」はグラフ理論の問題で,解決されたのはわずか30年前です。しかもその証明はコンピュータを使った煩雑なもので,現在でもシンプルな証明を与えようという試みが行われています。

化学工学:身の回りの生活からプラントまで

担当講師:松田 弘幸

「化学工学」というと聞き慣れない方が多いかもしれません.

化学工学は,我々の生活に役立つ化学製品を作り出すための最も効率の良い方法(プロセス)を考えるための学問です.その対象は,環境問題・バイオ・医薬品・食品など大きく広がっており,我々の生活に大きな貢献をしています.

この講義では,身の回りの生活から大規模化学プラントまで,我々の生活に欠くことのできない化学工学の役割について紹介します.

化粧品の化学

担当講師:松田 弘幸

「化粧品が好き,メイクに興味がある」「将来化粧品に関わる仕事に就きたい」「肌にやさしい化粧品をつくりたい」… 多くの方が化粧品に興味を持たれていると思います。

化粧品開発において「応用化学」の力が必要不可欠です。

この講義では,化粧品開発における「応用化学」の重要さ,および肌にやさしい化粧品や美白用化粧品の開発のための私たちの挑戦について紹介します。

MRIの原理:なぜヒトを透視できるのか?

担当講師:山田 和彦

皆さんはMRIという言葉を聞いたことはありますか?町中の病院やクリニックにあり,ヒトの内部を透視できる医療機器の一つです。

MRIの正式名称は磁気共鳴画像化(Magnetic Resonance Imaging)と言い,MRIは英語名の3つの単語における頭文字の略語です。私たちの体の中をのぞく不思議なカメラのようなものです。でも,実際にはレントゲンやCTとは違う「ある物理現象」を利用しています。

この講義では,磁石とヒトの中にある水素原子の性質から「なぜ体の中が見えるのか」をスライドや動画を用いて高校生にもわかりやすく説明します。

また,MRI撮影時になぜ指輪やネックレスを外す必要があるのか,頭上で響く騒音の原因はなんであるのか,多数回の撮影で健康被害は存在するのか,などのトリビアを解説したいと思います。

バクテリアが産生するセルロースナノファイバー

担当講師:星 徹

セルロースナノファイバー(CNF)という名前を聞いたことがあるでしょうか? 最近では,自動車のボディをCNFとプラスチックを複合化した強化プラスチックで作成したことが話題となりました.

このCNFは木材から製造することが多いですが,一部のバクテリアもCNFを産生することができます.バクテリアが産生するCNFはバクテリアセルロース(BC)と呼ばれ,水を多く含んだゲル(BCゲル)として得られます.BCゲルと聞くと馴染みが無いかと思いますが,BCゲルは皆さんが一度は食べたことがあるナタデココを指します.ナタデココは,ピュアなCNFの集合体であり,非常に強度が高く,酸・塩基耐性に優れるヒドロゲルです.このような特徴からナタデココ(BCゲル)は食品以外にも多くの分野で利用されています.

本講義では,CNFの特徴やその応用,CNF集合体であるBCゲルの応用について,紹介していきます.また,我々が行っている中空球状BCゲルの応用研究(図1,2)も紹介いたします.

図1 中空球状BCゲルの断面と内表面の走査電子顕微鏡写真
図1 中空球状BCゲルの断面と内表面の走査電子顕微鏡写真
図2 粒子をカプセル化した中空球状BCゲル
図2 粒子をカプセル化した中空球状BCゲル

日常生活を支える分析化学

担当講師:吉川 賢治

みなさんは「分析化学とは何か?」という質問に対して,どのように回答するでしょうか。「理論化学」,「無機化学」,「有機化学」は高校でも良く聞く思いますが,このページを見て初めて知った方も多いでしょう。
しかし,「分析化学」なくしてみなさんの日常生活は成り立たないでしょう。

例えば,水道水は硬度や有害成分の検査後に各家庭に供給され,食卓に並ぶ食品は栄養成分や食品添加物が表示されています。講義を受ける教室では,空気中の微量成分が分析され,各種検査を通過した建材が使用されるなど,例を挙げたらキリがありません。このように,24時間身近で役に立つ分析化学は「縁の下の力持ち」と言っても過言ではありません。

「分析化学」はサスペンスドラマと共通点が多く,「自然界に存在する物質を捜査対象とし,化学および物理的な実験および解析に基づいて捜査を行い,得られた証拠から物質の質,量および存在形態という真実を暴き出す化学分野」とも言えるでしょう。
本講義では,以上の例を含めた具体的な分析例を幾つか挙げながら,分析化学の社会への貢献を中心にお話ししたいと思います。

写真①:分析機器の外観
写真①:分析機器の外観
写真②:食品中の合成着色料の分析例
写真②:食品中の合成着色料の分析例

素粒子 -その色と香り-

担当講師:二瓶 武史

物質を構成している最も基本的な粒子を素粒子と呼びます。現在までに発見されている素粒子は「クォーク」と「レプトン」の2種類に分類されており,それらの物質は,「ゲージ粒子」と呼ばれる粒子を交換することによって互いに力を及ぼし合うことができます。

クォークとレプトンはともに6種類ずつあり,これは6つの「香り」に例えられています。また,クォークには「色」と呼ばれる自由度がありますが,レプトンには「色」はありません。さらにクォークとレプトンは共に3つの「世代」に分類されています。ゲージ粒子にもいくつかの種類があり,それらを交換することによって働く力も種類ごとに異なっています。ゲージ粒子のうちの一つである「光子」を交換することによって生じる力が電磁気力です。

このような素粒子の性質はミクロな現象の解析から解明されてきたものですが,素粒子物理学の応用は幅広く,その適用範囲は広大な宇宙にも及んでいます。
この授業では,解明されつつある素粒子の世界を解説するとともに,今後の課題として残された未解決の問題は何なのかについて考えてみます。

素粒子の標準模型
素粒子の標準模型