災害に役立つ小型無人飛行機について

担当講師:入江 寿弘

機械自身が目的のために自らが判断して行動するという,ロボットの技術は様々な分野で利用されています。
機械が人の様に知的に行動するためには何が必要なのでしょうか?
人が何か行動を起こす場合,何をするでしょうか?

一番はじめにすることは今現在の回りの状況を知ることです。
そして,次に目的を達成するための過去の経験や知識に基づいてどのように振舞うか考え,実行に移します。
ロボットも同様に回りの状況を知る「センサー」の技術,過去の経験を蓄積し判断する能力である「コンピュータ」の技術そして,実際に行動を行う「アクチュエータ」の技術が必要になります。

この様な技術を使って私たちは小型飛行機を飛ばそうとしています。
飛行機は上空から地上を見ることが出来るため,センサーにより様々な情報を得る事が出来ます。
特にテレビカメラを使って撮影した情報を用いて小型飛行機を飛ばすことが出来れば,超低空で地上の状況をリアルタイムで把握できるので,様々な応用が期待できます。
しかし,実現するには様々な難問を解決しなければなりません。実用化に向けての,私たちの取り組みの一端を紹介します。

実験のイメージ画像

やわらかな動作の歩行ロボット実現にむけて

担当講師:入江 寿弘

世の中では二足歩行ロボットは大企業だけでなく一般の人でも楽しめる時代になってきました。
でもそれらの歩行ロボットは本当に人や動物と同じ様に歩いているのでしょうか?
現在の歩行ロボットのほとんどは,取り扱いが容易な電気を使ったモータで動かしています。
この様なモータは歯車を使って減速しなければ力が出ないので必ず歯車を使っています。
しかし,歯車を使うと大きな力は出ますが硬い動きしかできません。つまり,ロボットはガチガチに固まった状態で歩いているのです。

では,人はどうでしょうか?あなたは歩いている時にどれぐらい力を入れていますか?
人が歩くときは必要な筋肉に力を入れれば,あとの筋肉はリラックスしていても歩けます。
着地の衝撃も筋肉がバネとして働く事により,うまく吸収して次の一歩の前進に役立てています。
ロボットにこの様な動作をさせることは出来ないのでしょうか?

私たちはロボットの筋肉に空気圧シリンダーを使って柔らかな歩行を行わせる研究をしています。
ロボットの形は三脚や二脚など人と違う形をしていますが,歩行を行わせる思想は人や動物から学んでいます。
これらの研究の一端を解りやすく紹介します。

超小型ロボットのつくりかた-人工生物の実現にむけて-

担当講師:齊藤 健

蟻の大群の中に紛れて蟻に指示をだしている奇妙な生物がいる。
このようなSFの世界のできごとが将来実現するかもしれない。

この講義では,蟻のように6本脚で歩行する世界最小サイズの超小型ロボットのつくりかたについて説明する。
現在のロボットは,事前にプログラムされた動作を表現するか,オペレータがリモコンで制御するなど,生物の脳とは異なった方法によって歩行などの動作を制御している。
私は,生物の脳の歩行動作制御を模倣した電子回路をつくり,プログラムやオペレータによる制御の必要がない,超小型ロボットの歩行動作制御を実現した。
この研究は機械工学・電子工学・電気工学・情報工学・生理学などの多くの分野が関係しているため,普段学校で習っている知識に少しプラスすることで,分野横断的な幅広い知識が身につくと期待している。
実施人数,回数,時間によって,座学,簡単な回路のはんだ付け,ロボットのデモなどから講義を選択・構成可能である。

指先に乗るサイズの超小型ロボット
指先に乗るサイズの超小型ロボット
従来にない新しいコンセプトの人工脳
従来にない新しいコンセプトの人工脳

やさしい人工知能講座

担当講師:齊藤 健

第三次人工知能ブームが始まってから10年以上が経ち,ディープラーニングやChatGPTなどの人工知能を研究者だけではなく,民間企業や行政機関も活用を始めました。
テレビニュースやネットニュースでも毎日取り上げられているため,聞かない日は無い位身近な存在になっています。
また,皆さんの身近にも人工知能を搭載した機器が当たり前のように存在する時代になりました。
しかし,皆さんは人工知能についてどこまで深くご存じでしょうか?映画のようにそのうち人工知能が反乱を起こし,人類を滅亡させるのではないかと懸念を持ったり,現在人間がおこなっている仕事の多くを人工知能が代替できるようになって仕事がなくなったりすることを心配する方もいらっしゃると思います。

本講座では実際に人工知能を用いたデモンストレーションを交えながら,1950年から始まる人工知能の発展をやさしく解説します。
人工知能を理解することで,その課題や上手な利用の仕方がわかります。
是非人工知能をうまく利用して生活に役立てましょう!

ノートパソコン

未来はすぐそこに自動運転技術

担当講師:齊藤 健

自動運転と聞くと,車に乗り込んで指示を与えれば目的地まで自動で移動する技術と想像する方もいらっしゃると思います。
実は自動運転にはレベルがあり,前述の人間による運転が不要な自動運転はレベル5の完全自動運転を指します。
自動運転レベル1は,現在多くの車に搭載されている自動ブレーキや前の車について走るアダプティブクルーズコントロール,車線からはみ出ないレーンキープアシストを指しています。
2020年11月11日にHONDAが世界で初めて自動運転レベル3の型式指定を国土交通省から取得しました。

本講義では,自動運転に使用される技術や,現在どこまで実現しているかをわかりやすく説明します。

医療に役立つロボット

担当講師:齊藤 健

患者の治療や介護をサポートするためにロボットが使用されており,最も有名なロボットは手術支援ロボット「da Vinci」です。
最近「da Vinci」の主要な特許が切れはじめ,世界中の大学や企業が手術支援ロボットの開発に取り組んでいます。
日本大学理工学部精密機械工学科でも,日本大学医学部や他の学部と連携を取りつつ,「da Vinci」より安価に使用できる手術支援ロボットの開発にチャレンジしています。
また,我々のグループでは胃カメラや大腸カメラに代わる,次世代の内視鏡ロボットの開発をしています。

本講義では,医療に役立つロボットについて,国内外の最新のロボットの紹介や,我々が開発しているロボットについて紹介します。

人間感覚の測りかたと使いみち

担当講師:松田 礼

人間が外部からの刺激を主観的に認識する働きを感覚といいます。
外部からの刺激を受け取る器官を感覚器官といい,刺激が感覚器官と感覚神経を経由して脳に届くと人間は刺激として認識します。広義で解釈すると,疲労感や満足感などの複合的な感覚も含まれます。
しかし,人間の感覚は簡単に測ることができません。これは,感覚は外部刺激に対する主観的なものであり,自分自身が感じたかどうかを扱っているためです。
そのため,感覚を測るには自分以外の人にも分かるように数字で表す(定量化するといいます)必要があります。

この講義では,人間感覚の測定方法とその応用例について,研究事例も含めて解説します。
人間の感覚と感覚器官の構造について概説し,感覚の測定方法と感覚を数字で表す方法や身近な製品への応用例,研究事例について説明します。

自動車の運転疲労の測定実験
自動車の運転疲労の測定実験
車両接近通報音による認知距離の測定実験
車両接近通報音による認知距離の測定実験

工学から見た人型ロボット

担当講師:吉田 洋明

コンピュータは,より複雑な演算をより高速に行えるように日々進歩しています。
これに従って,複雑なソフトウエアを利用した,より高度な情報処理が行えるようになり,ロボットの能力も進化し続けています。

ロボットは,二足歩行ロボットの様にその形態を人間に近づけようとする研究や,人工知能のようにその情報処理能力を人間に近づけようとする研究などのいくつかの流れによって進化しています。
これらの研究が進むにつれて,今後ロボットの形態と情報処理能力を益々人間に近づけて行けると予想されます。
その形態と能力が人間に近づいたロボットはどの様に使われるのでしょうか。
そして,それにはどのような意味があるのでしょうか。工学として人型ロボットを考えてみます。

材料をつないでモノを作る

担当講師:渡邉 満洋

身の回りにある便利な機械は様々な材料から作られています。
特に近年では,機械の小型化,軽量化,多機能化が急速に発展しているため,一つの材料で構成されている機械はほとんどなく,それぞれの材料の特性を活かして適材適所に材料を配置して機械が作られています。
そのため,機械(モノ)を作るためには異なる材料を「つなぐ(接合する)」技術が必要になります。

では,異なる材料をつなぐことは簡単でしょうか。
答えはNoです。なぜならば,材料はそれぞれ固有の特性を持っているためです。
異なる性質を持つ材料をつないで一つのモノを作り,みなさんが安心・安全に使うことができるようにするためには,材料と材料の境目(接合界面)の状態(組織)を精密に制御する必要があります。

本講義では,接合技術ならびにそれが生み出す接合界面組織と強度の関係について紹介します。

アルミニウム(Al)と鉄(Fe)の接合材の一例.
アルミニウム(Al)と鉄(Fe)の接合材の一例.
接合界面組織の電子顕微鏡像の一例.
接合界面組織の電子顕微鏡像の一例.

受動歩行機制作と歩行様式生成を目指して

担当講師:井上 健

ヒューマノイドロボットをはじめ,歩行ロボットに関する研究が盛んに行われています。
従来の歩行制御はエネルギー消費が高く,効率の良い歩行とはいいがたい問題点があります。
一方,人は重力場を巧みに利用することで,自然で高効率の歩行をしています。
この重力を利用した歩行様式である受動歩行(無(モーター)動力)を2足以上の多足機で実現します。
動物の脊椎構造を模した実機制作により多様な歩行パターンの生成を目指します。

2足歩行機
2足歩行機
4足歩行機
4足歩行機