担当講師:安部 明雄
航空機やロケットは,無人で飛行することが可能になりつつあります。
その無人での飛行のためには,「制御」が重要です。それでは,いったい「制御」とはなんでしょうか?
この答えの一つは,(制御したい)対象を,制し(せいし),御する(ぎょする)こと。
それが具体的にどのようなことを意味するのか,解説します。
また,2050年に就航を目指す我が国独自の宇宙輸送機のための制御系をはじめ,最新の飛行制御の話題についても併せて解説します。


担当講師:安部 明雄
航空機やロケットは,無人で飛行することが可能になりつつあります。
その無人での飛行のためには,「制御」が重要です。それでは,いったい「制御」とはなんでしょうか?
この答えの一つは,(制御したい)対象を,制し(せいし),御する(ぎょする)こと。
それが具体的にどのようなことを意味するのか,解説します。
また,2050年に就航を目指す我が国独自の宇宙輸送機のための制御系をはじめ,最新の飛行制御の話題についても併せて解説します。


担当講師:阿部 新助
私たちが住む太陽系には,8つの惑星と準惑星や衛星,これらの天体になれなかった小天体が多数存在します。
これら「太陽系小天体」には,150万個以上発見されている「小惑星」や約5,000個発見されている「彗星」のほかに,彗星や小惑星を起源とする「メテオロイド(流星体)」と呼ばれる直径がミリメートル程度の「ダスト(塵)」があります。
彗星から放出された塵の帯(ダスト・トレイル)が地球と交差する際に発生する現象が,「流星群」です。
一方,小惑星の破片は「隕石」として地上に落下することもあります。地球には,毎日数100トンもの塵が宇宙から降り注いでいるのです。
この講義では,太陽系と小天体についての基本的な知識から,小惑星,彗星,流星の科学について,天体観測や小惑星探査「はやぶさ」などの最前線の太陽系探査も交えながら紹介します。


担当講師:内山 賢治
被災地や火災地域,放射能汚染地域など,人の立ち入りが困難な場所の情報収集手段として,ドローンと呼ばれている無人航空機(UAV)の利用が計画されています。
しかし,UAVを目視できる範囲内では,人間がUAVを遠隔操作していますが,被災地等では,常にUAVを目視できる状況にあるとは限りません。
さらに,UAVの操縦には高度な技術が要求されるので,いつでも誰でも飛ばせるというものではありません。
そこで,「制御(コントロール)」という技術が非常に重要な意味を持ってきます。
UAVの制御では,UAVに搭載されたマイクロコンピュータが,人間の代わりにUAVを操作します。
では,UAVは具体的にどうやって制御されているのでしょうか?
UAVにはIMU(慣性計測装置)やGPS等,様々なセンサが搭載されています。
IMUによりUAVの速度や回転速度,GPSによりUAVの位置情報を取得し,これらの情報をマイクロコンピュータで処理し,モータ等のアクチュエータに制御に必要な信号を送ります。
実は,この信号を計算するときに,今,皆さんが勉強している数学や物理(力学)の内容が大きく関係しています。
ドローンの紹介とともに,数学や物理が,ドローンを自由に飛ばすためにどのように使われるのかについて説明します。

担当講師:髙橋 賢一
宇宙へ人や物を送るときにはロケットを使用し,大きな力を出せる化学ロケットエンジンが利用されています。
宇宙へ行くには非常に大きな力(推力)が必要で,そのためには多くの燃料と酸素を必要とします。
燃料となる物質と酸素となる物質(これらを推進剤という)をロケットは自ら運び,そのため空気が薄いまたは無いところでも飛ぶことができます。
しかし,これらの推進剤は本質的に爆発性があり,何か事故が起きて推進剤が混合したり,エンジンに異常が発生したりすると一瞬にして爆発してしまいます。
事故を起こさないことが大事なのですが,このような本質的に爆発性を持つ化学ロケットエンジンでは宇宙旅行のように一般の人を乗せるロケットのエンジンには不向きです。
そこで,ハイブリッドロケットエンジンという化学ロケットエンジンがあります。
ハイブリッドロケットエンジンは本質的に非爆発性という安全に優れたエンジンです。しかし,ハイブリッドロケットエンジンは大きな推力を出すことが難しく,人を宇宙に送るにはまだ力不足です。
我々の研究室では,ハイブリッドロケットエンジンの性能を向上させるために,主に燃料の研究を行っています。
この講義では,ロケットの燃料のルーツとも言える黒色火薬から,ロケットエンジンの基礎,最近の研究課題について解説します。

担当講師:田辺 光昭
宇宙は開拓の時代から利用の時代に移りつつあります。
日本も,国際宇宙ステーション計画に参加しており,宇宙環境を利用した様々な科学実験を実施しています。
なぜ宇宙環境を利用するのかといえば,一つの理由として無重力場が実現されるということがあげられます。
重力のない空間においてどのような現象が起こりうるのか,地上で起こることと何が違うのかなど,知りたいことがたくさんあります。
この講義では,これらについて,まず重力のない場がいかに実現できるかから解説し,基礎的な物質の流れに関する現象を中心に,実際に何が起き,どう役立つのかなどをお話します。
無重力場で観察される現象に潜む科学的背景に触れ,今成果が出始めている宇宙実験に関して,少し理解できるようになり,身近に感じられるようになることを期待します。

担当講師:田辺 光昭
航空機の自動操縦や人工衛星や探査機の自律運用など,航空宇宙工学分野では従来から人工知能技術が幅広く利用されてきています.
急激にその適応能力を増している最新の人工知能の核心は深層学習(Deep Learning)と呼ばれる神経回路を模した演算プログラムであり,航空宇宙工学分野でも活用されています.
この深層学習によって,宇宙開発で最も予測困難な課題の一つであったロケットエンジンの爆発過程が解き明かされつつある現状を紹介します.
同時に,深層学習とはどのようなものでどのようなことができるのか航空宇宙工学科の授業内容や高校での学びとの関係を含めて解説します.


担当講師:丸山 大悟
1903年にライト兄弟が初飛行を成し遂げた後,人類は数十年で音より速い航空機の開発や,宇宙へ進出するロケットを開発しました。
グローバル化と呼ばれる現代では,今や航空機は,我々にとってなくてはならない存在です。
人類は数学や物理学といった,「世の中の仕組み」というものを解明し,それを活用することで様々な科学技術を生み出してきました。
航空機も例外でなく,浮く力を得るために,翼の周りの空気の流れの原理を解明しようとすることで,より速く,燃費の良い航空機を生み出してきました。
一方で,ライト兄弟のように,「たくさんの飛行実験」を繰り返すことで,実際に飛行機を飛ばすこともできています。
両者の設計は一見真逆の設計過程のようにも見えます。
この講義では,航空機設計の歴史を辿りながら,因果律の逆を辿ると言われる,昨今の機械学習手法と呼ばれるものと,それによる航空機の設計法のお話をしたいと思います。
最終的には,機械学習手法も数学や物理学といった,「世の中の仕組み」の一端であることも見えてくるかと思います。

担当講師:菊池 崇将
「ピカッ…(1, 2, 3) …ゴロゴロゴロッ」
雷が光ったとき,音がするまでの時間を数えて,どこで雷が発生したか考えたりしてませんか?
雷が光ってから,音が遅れてやってくるのは,光の伝わる速さよりも音の伝わる速さが遅いためです。
この音の伝わる速さを「音速」と呼び,空気中ではおよそ345m/sです。
私たちの身の回りには,音速に比べて十分遅い速さのものしかないため,音速の影響を感じることはありません。
しかし,もし音速に近い速さまで加速したら?音よりも速く動いたら,一体どんな世界になっているのでしょう?
そこには,音よりも速い「衝撃波」と呼ばれる波が存在する特殊な世界になっています。
本講義では,音よりも速い超音速の世界と,そこに存在する衝撃波について,実例を交えながら説明します。
担当講師:小宮 良樹
航空宇宙分野でよく用いられている金属材料には,アルミニウム合金があります。
アルミニウム合金は,お菓子などの包装用,アルミ缶,窓にはアルミサッシなど身の回りにたくさん使われています。
これらのアルミニウム合金は,航空機などに使われている合金と少し違いがあります。それは,軽くて丈夫であることです。
主成分はアルミニウムで同じですが,少しの工夫で,金属の性質を変えることができます。
では,どういう工夫をして軽くて丈夫な材料を作り出しているのでしょう。
そのなかには,料理と似ていて,少し別な物を加えたり,加熱する温度や時間を変えたりする方法があります。表面上の見た目は,ほとんど変わりませんが,強くなったり,軟らかくなったりします。
このからくりを明らかにするには,金属を大きく拡大する必要があります。通常ミジンコや植物の葉の表面を観るための顕微鏡では,1000倍くらいが限界であり,このからくりは見えません。電子顕微鏡を使う必要があります。
アルミニウム合金が強くなるからくりを,電子顕微鏡で観察した写真を見せながら説明します。
担当講師:齊藤 允教
グライダーとは,エンジンの力を使わずに空気の力と重力だけで滑翔する乗り物です.
19世紀にオットー・リリエンタールによってグライダーによる飛行試験が行われて以来,今日の航空機の原点であり,航空機が飛ぶ仕組みを理解する上で最も基本的な乗り物です.
グライダーが長時間飛行するためには,上昇気流と呼ばれる,重力と逆らう向きに流れる空気の力が必要となります.うまく上昇気流を利用できれば,数時間の滞空や,数百kmの距離を無動力で飛行する事が可能です.
上昇気流を発生させる原因は,地球規模で循環する風や,ゲリラ豪雨の原因でもある局地的な対流など様々です.
本講義では,まずグライダーの歴史や飛行する仕組みを解説します.また,上昇気流が発生する仕組みを解説し,グライダーが長時間飛行できる秘密に迫ります.最後に,最新のグライダー技術についてご紹介します.
