複素数でつながる代数と幾何

担当講師:月岡 透

みなさんが複素数と初めて出会うのは,2次方程式の解の公式においてだと思います。
「解なし」としてしまえば,話はそこで終わってしまいますが,想像力を豊かにして,2乗してマイナス1になる数も数の仲間にしますと,2次方程式は「いつでも解を持つ」と言うことができます。
 
数学の勉強を進めていくと,「複素平面」というものを習うことになります。
これはひとつひとつの複素数をそれぞれ平面上の点だと思うことにして,平面幾何の問題をそのまま考えるのではなく,複素数の計算を通していろいろと調べてみようというものです。たとえば複素数のたしざんやかけ算は,平面上の点の平行移動や回転に対応することになります。
 
もう少し先に進むと,今度は逆に,普通の平面上の座標を表すふたつの実数を複素数にしてしまうことを考えます。
すると,平面上に描かれた放物線,楕円,双曲線は複素数の空間に広がり,互いに写り合い,結局は同じものになってしまいます。このような奥行きのある世界では,2次式がお団子(リーマン球面)になったり3次式がドーナツ(楕円曲線)になったりします。
 
複素数は,想像上の数ではありますが,慣れ親しんでいくと感覚に訴える現象が見つかります。このような話題から,代数や幾何に関する興味深いものを選んでお話ししたいと思います。

連立方程式で解く数学パズル

担当講師:石原 侑樹

連立方程式とは,複数の方程式からなる組のことです。例えば,2x+3y=1,5x+3y=7という2つの方程式からなる連立方程式はx=2,y=-1という解を持ちます。

1次の方程式のみならず,2次や3次の方程式の連立方程式も考えることができます。連立方程式は中学で習う基礎的なものですが,現代の情報社会を支える重要なものとなっています。

この講義ではその応用の広さを実感するために連立方程式を使って色々な「数学パズル」を解いてみたいと思います。例えば,証言から誰が嘘をついているか見抜く「嘘つきパズル」や,赤・青・黄の3色だけを使って隣り合う国に違う色を塗る「彩色パズル」などは連立方程式を使っても解くことができます。

また連立方程式を解く際にコンピュータを使って「グレブナー基底」と呼ばれるものを計算すると,人間の手よりもはるかに素早く解くことができます。

講義ではそういった代数的な計算とコンピュータの関係,そして「量子コンピュータでも解けない暗号(耐量子計算機暗号)の安全性解析」などの現代社会への応用についても話します。

等差数列を遊んで学ぼう!

担当講師:齋藤 耕太

3, 5, 7, 9, 11
この5つの数を観察すると,左から右へそれぞれ2つずつ数が増えていることがわかります。このように同じ数ずつ増えていくような数の列のことを等差数列(とうさすうれつ)と呼びます。

この数列は単純そうに見えて,実は極めて奥が深い対象です。この授業では等差数列を活用したボードゲームで遊び,その後,関連する研究結果について体験的に学習していきます。

等差数列を活用したボードゲーム
等差数列を活用したボードゲーム

素因数分解と暗号理論

担当講師:長峰 孝典

「数学って何の役に立つの」と考えたことはありませんか?
教科書の問題を解くために公式を覚えて,計算して,たまに間違って…の繰り返しだと確かに数学の良さを見つけにくいかもしれません。しかしながら,数学は皆さんの生活の様々な場面で活躍しています。例えば,インターネット上で買い物をするとき,クレジットカードなどの個人情報が第三者に盗み見られてしまったら大変ですよね。
それを防いでいるのが「暗号理論」です。特にRSA暗号と呼ばれる暗号技術には「素因数分解」にまつわる数学が使われています。

この講義では,素数や素因数分解に慣れ親しんでもらい,それらがどのようにして暗号技術に応用されるのかを解説します。
さらに,背景にある「代数学」と呼ばれる数学の一つの分野についても説明し,素因数分解が最先端の数学の研究でも活躍する様子を見てもらいたいと思っています。

代数学と幾何学の融合による多角形の諸性質について

担当講師:鷲尾 夕紀子

代数学と幾何学を融合した範疇の数学を用いた多角形の諸性質の解析および紹介を行う.

モーレイの定理,ナポレオンの定理などに関して,数学ソフトウェアを用いて説明する.