直径250mの風力発電システムを浮かべる世界

担当講師:居駒 知樹

風力発電では大きな風車が使われます。
その直径は陸上の場合は130m程度ですが,海に設置される洋上風力発電ではもっと大きくなります。
世界で開発が進む最新の洋上風力発電風車の直径は250mにおよびます。
このような大きな風車を載せた100m規模の大きな浮体を海に浮かべるのが浮体式洋上風力発電です。

日本でも開発がどんどん進み2040年にはたくさんの風車が沖合に浮いていることでしょう。
海で風力発電を行う意味やそれを実現する技術を知りたいとは思いませんか?

洋上風力発電開発イメージ図

交通ビッグデータによるスマートな都市交通の創造

担当講師:石坂 哲宏

現在の都市交通システムは,様々なビッグデータによって支えられています。
身近な交通ICカードなど公共交通機関を便利に快適にさせる情報や,車両感知器などの道路交通情報など自動車を使った移動を最適にする情報まで様々です。

複雑で多様化する交通問題に対応するためには,全ての物事に対して情報を活用して有機的に連携する必要があります。
鉄道は鉄道,バスはバス,自動車は自動車のためだけでなく,複数の交通機関のビッグデータを有機的に活用し,混雑緩和や環境改善に適用している事例を具体的に紹介いたします。
また,現在の交通状況を把握する技術として,移動している車両から直接交通情報を収集するプローブ情報システムを,車両が動くコンピュータグラフィック(交通シミュレーション)を利用して,紹介したいと思います。

自動運転バスのシミュレーション
自動運転バスのシミュレーション
有機的な連携
有機的な連携

写真から立体の世界をつくるしくみ

担当講師:李 勇鶴

・写真を使って,立体的な空間を再現するしくみを紹介します。
・写真を使って,コンピューターが自動で3Dモデル(立体モデル)を作るようすをデモで見てもらいます。
・できあがった3Dモデルがどんな場面で使われているかを紹介します。
・AI(人工知能)を使って,よりリアルな3D空間を作る最新の技術についても紹介します。

航空写真を使った3D都市モデルの作成
航空写真を使った3D都市モデルの作成
(図版・画像等の出典や引用元:Google Map)
3DGSで生成した3次元モデル(自転車)
3DGSで生成した3次元モデル(自転車)
(図版・画像等の出典や引用元:https://repo-sam.inria.fr/fungraph/3d-gaussian-splatting/)

流れの数値シミュレーション

担当講師:小紫 誠子

流体というのは,ごく簡単に言えば,水や空気のように流れるもののことです。

そしてその流体の種々のふるまいを,流体現象と呼んでいます。空気などのように,流体は私たちの身近に存在し,普段の生活のあちこちで流体現象が起こっています。飛行機が空を飛べるのも,風車が風を受けて回るのも,流体現象を上手に利用した例であり,鳴門の渦潮や台風などの気象現象も,流体現象の一つです。
また一方で,自動車などにとっては,流体から受ける抵抗や揚力が大きな問題となります。このような多種多様の流体現象も,その多くは,基本的に同じ方程式で記述することができます。

ここでは,その方程式をコンピュータを利用して解き,結果をコンピュータグラフィックスで表現した例をいくつかお見せします。
数理科学のすばらしさと,「流れ」の美しさを,どうぞ体験して下さい。

深海の熱水噴出流
深海の熱水噴出流

シミュレーションでみる量子カオスの世界

担当講師:佐甲 徳栄

「ブラジルの蝶のはばたきが,テキサスで竜巻を引き起こすか」――。
そんな比喩で語られる「初期値鋭敏性」は,カオスと呼ばれる現象の大きな特徴です。この予測不可能な複雑さは,化学反応や二重振り子,気象など,私たちの身近な物理現象の中に広く存在しています。 
では,原子や分子が躍動する「ミクロの世界」にも,カオスは存在するのでしょうか。数学的には,カオスが生じるには方程式が「非線形」である必要があります。しかし,ミクロの世界を記述する量子力学の基礎方程式は「線形」であり,理論上はカオスが起こらないはずなのです。

本講義では,二重振り子の量子版である分子振動のシミュレーションを通じて,量子世界に潜む複雑な振動の不思議を解説します。

二酸化炭素分子の対称伸縮・変角振動モードの波動関数
二酸化炭素分子の対称伸縮・変角振動モードの波動関数

機械学習技術と航空機設計

担当講師:丸山 大悟

1903年にライト兄弟が初飛行を成し遂げた後,人類は数十年で音より速い航空機の開発や,宇宙へ進出するロケットを開発しました。
グローバル化と呼ばれる現代では,今や航空機は,我々にとってなくてはならない存在です。

人類は数学や物理学といった,「世の中の仕組み」というものを解明し,それを活用することで様々な科学技術を生み出してきました。
航空機も例外でなく,浮く力を得るために,翼の周りの空気の流れの原理を解明しようとすることで,より速く,燃費の良い航空機を生み出してきました。
一方で,ライト兄弟のように,「たくさんの飛行実験」を繰り返すことで,実際に飛行機を飛ばすこともできています。
両者の設計は一見真逆の設計過程のようにも見えます。

この講義では,航空機設計の歴史を辿りながら,因果律の逆を辿ると言われる,昨今の機械学習手法と呼ばれるものと,それによる航空機の設計法のお話をしたいと思います。
最終的には,機械学習手法も数学や物理学といった,「世の中の仕組み」の一端であることも見えてくるかと思います。

ゲームデザインとコンピュータサイエンスの関係

担当講師:粟飯原 萌

高校生の皆さんは,ゲームにどのようなイメージを持ち接していますか?
据え置き型ゲーム機や携帯型ゲームだけではなく,スマートフォンアプリが多く販売されています.
自らのスマートフォンの利用を始めてからゲームに触れる機会が一層増えたのではないでしょうか.

ゲームに人が夢中になるのは理由があります.皆さんはデジタルゲームに限らずゲームに夢中になった経験があると思います.
その夢中になった理由は,哲学者やゲーム開発者の様々な知見をもとにした理論の中にあるはずです.

本授業では,ゲーム開発技術や理論等に触れるために,日常で遊ぶデジタルゲームを通してゲームの魅力について考えます.
さらに,その技術を利用し世の中の課題を解決するゲームやゲームとコンピュータサイエンスの関係についてご紹介します.

シリアスゲームは,社会の様々な問題を解決する事も目的としたゲームです.過去にシリアスゲーム開発を通して英語学習,生活やゲームのバリアフリーについて考えるイベントを開催しました.
シリアスゲームは,社会の様々な問題を解決する事も目的としたゲームです.過去にシリアスゲーム開発を通して英語学習,生活やゲームのバリアフリーについて考えるイベントを開催しました.

微分方程式の理論と応用

担当講師:水野 将司

微分方程式とは,導関数を含む未知関数を含む方程式のことです.導関数は,その関数の変化の割合と関係があるので,微分方程式は変化の割合に関する方程式ということができます.
従って,現時点での関数の変化から,未来の関数の状態を決めるルールともいえます.

私の研究室では,微分方程式の性質を調べること(理論)と微分方程式をどのように使うか(応用)の双方を研究しています.
この研究のために,微分積分を使うことはもちろんのこと,ベクトルや複素数,数列を使うこともあります.さらに,コンピュータを使って,理論を構築するための数値計算を行うこともあります.また,方程式をどのように使うかを調べるために物理や化学,工学の知識を勉強することもあります.
私自身は理論寄りの研究を主体に行っていますが,理論と応用はお互いに影響を与えあって,研究が進むものと考えています.

都市の「見える化」であなたのまちを再発見しよう

担当講師:栗本 賢一

みなさんは,自分が住んでいるまちについて,どれくらい知っていますか?
毎日見慣れた風景の中にも,実は気づいていない魅力や課題が隠れているかもしれません。

この講義では,地域計画や都市デザインを専門とする教員が,データ分析や情報解析の手法を用いて,まちの姿を「見える化」する方法をわかりやすく解説します。
人口の変化,土地の使われ方,経済活動,交通ネットワークなど,さまざまな角度からまちを数字や地図で捉えることで,普段は見えにくい地域の特徴や隠れた可能性を浮かび上がらせます。
こうした「見える化」の知見は,まちづくりの計画や地域産業の活性化に直結します。
たとえば,自分たちのまちの強みを数字で確認したり,課題の優先順位を客観的に判断したりすることで,具体的なアクションにつなげることができます。

この講義を通じて,みなさんにはデータの力を借りて自分たちのまちを再発見してほしいと思います。
「まちの今」を知ることは,より良い未来を描くための大きな第一歩です。ぜひ,都市の「見える化」の世界を体験してみてください。
あなたのまちの新たな一面に気づくきっかけになるはずです。

都市構造可視化計画ウェブサイト
都市構造可視化計画ウェブサイト
(図版・画像等の出典や引用元:https://mieruka.city/)
地理情報システム jSTAT MAP
地理情報システム jSTAT MAP
(図版・画像等の出典や引用元:https://www.e-stat.go.jp/gis/gislp/)
RESAS 地域経済分析システム
RESAS 地域経済分析システム
(図版・画像等の出典や引用元:https://resas.go.jp/)

見えないモノを診る技術

担当講師:中村 勝哉

私たちの豊かな暮らしは道路,鉄道,ダムまたは電力施設等の多様な社会基盤施設と共にあります。
また,社会基盤施設は地盤に支えられており,施設の設計,維持管理においては施設を支える地盤の状態を把握する必要があります。
しかし,地盤内部の状態については目視で確認することが困難です。

確認することが困難な地盤内部を把握する手法の一つとして物理探査が挙げられます。
物理探査とは,対象とする材料の物理的な特徴を利用し,材料の状態を可視化する技術です。
そのため,地盤に力を加えることで反力等を得る方法とは異なり,地盤内部の状況を遠隔から把握することが期待できます。
しかし,適用する物理探査手法の限界,物理現象の計測方法について理解が不十分であると正しい結果が得られない場合があります。

本講義では,物理探査を用いて地盤内部を可視化する手法について紹介します。
また,地盤を伝わる弾性波を使った物理探査手法を例に手法の限界及び計測方法を深く理解することの重要性についてお伝えします。

計測した弾性波
計測した弾性波