海を舞台にした科学技術の世界

担当講師:居駒 知樹

日本は世界で6番目の広さの海を管理しています。
そこでは水産業が営まれていますが,みなさんが思っているほど海という場を使っていません。
日本の貿易の99%以上が船で賄われているので,港は驚くほどたくさんあります。
しかしながら,海は船が通るだけの場所になっています。世界では海上で石油や天然ガス開発が行われ,洋上風力発電の開発も進みますし,海上基地の構想や海上都市の構想まであります。
土木・建築・機械・電気・情報・環境などの全ての科学技術が海を舞台に展開されているのです。

海がどのように活用されているか,そしてどのように活用できる可能性があるのかを知りたいとは思いませんか?

浮体式洋上風力
浮体式洋上風力

都市・交通の観点からのSDGs-地球温暖化と生物多様性の観点から-

担当講師:伊東 英幸

近年,地球規模での環境問題として地球温暖化や生物多様性の減少が大きな問題となっています。
これらの問題の解決に向けて持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)が2015年に国際連合で採択され,世界中の課題に対処するための17の具体的な目標が示されました。

私の講義では,都市と交通の観点から現状の地球温暖化や生物多様性に関する現状と課題を解説するとともに,私達の生活は地球が何個必要な生活をしているのか,電気自動車は本当に環境に優しいのか,再生可能エネルギーを活用したカーボンニュートラルな交通とまちづくりの事例,自動車と動物の事故(ロードキルなど)の現状や生物多様性との共生を目指した交通などに関する講義を行います。

持続可能な開発目標(SDGs)
持続可能な開発目標(SDGs)
ロードキル対策
ロードキル対策

衛星を使って自分の位置を知るしくみ

担当講師:佐田 達典

テレビで天気予報を見ていると日本付近の雲の画像がよくでてきます。
これは気象衛星から撮影した画像ですが,このように現在人工衛星の利用が身近になっています。
衛星には様々な種類がありますが,GPS という衛星からの電波を受信機で捉えると,私たちの現在位置を正確に知ることできます。
カーナビゲーションや携帯電話に使われているのでご存知の方も多いでしょう。

カーナビで使われているGPS 受信機は位置の測定誤差が10mもあります。
しかし,特殊な受信機を用いると10mm の誤差で位置を測定することができます。
このGPS 衛星を利用した測量システムは,高度な測量や日本列島の地殻変動観測に利用されています。(日本列島はきわめてゆっくりですが動いています。特に地震の時に大きく動きます。GPS はこの地殻変動を捉えます。)
またリアルタイムに自分の位置と方向がわかるので,建設機械の自動制御にも応用されています。

GPS のしくみをやさしく解説し,測量や交通・建設分野における最先端の応用事例を紹介します。

衛星測位のしくみを知ろう
衛星測位のしくみを知ろう

鉄道構造物のつくりかた

担当講師:谷口 望

皆さんが普段使用している鉄道ですが,鉄道車両を支える構造物には交通基盤技術が使用されています.
具体的には,計画・構造設計・製作・建設・維持管理などには,それぞれ工学的な技術が複数組み合わされており,その中で交通システム工学は必要不可欠になります.

本講義では,これらの技術に関して,具体的な事例をもとに紹介し,どのような場面で交通システム工学が活用されているか実例写真を用いながら説明していきます.
また,交通システム工学科で学ぶ学習内容が,実際の社会でどのように役立っているかについても紹介します.

鉄道構造物(ラーメン橋脚)の例
鉄道構造物(ラーメン橋脚)の例
鉄道駅構内改良工事の様子
鉄道駅構内改良工事の様子

世界とつながる空の玄関-成田空港,羽田空港の役割と課題-

担当講師:轟 朝幸

最近「グローバリゼーションという globalization」という言葉をよく聞きませんか。国際化社会の進展を指す言葉です。
このグローバリゼーションを支えているのが「交通」です。なかでも長距離を高速で移動できる航空輸送の役割は,ますます重要となっています。

わが国首都圏の空の玄関は,成田空港と羽田空港です。
この2つの空港では,毎日たくさんの人々を迎え入れたり,送り出したりして,わが国のグローバリゼーションを支えてきました。
これらの空港がこのように立派な役割を果たすようになるまでには,いくつもの課題を克服してきました。
旅客や貨物の利用者増加への対応,飛行機の大型化への対応,騒音などの地球環境問題,海域埋め立てなどの自然環境問題,大地震への備え,首都圏各地域との地上アクセス交通問題など,たくさんの苦悩がありました。
いくつかはいまだに解決できていない課題もあり,解決にむけた努力がなされています。

この授業では,成田空港と羽田空港がどのような役割を果たしているのか,どのように課題を乗り越えてきたか,いまだ残る課題にどのように対応していくのかを紹介します。

東京湾へ沖合い展開された
羽田空港
東京湾へ沖合い展開された
羽田空港
東京湾へ沖合い展開された
羽田空港

英国の橋-200年以上使われ続ける個性豊かな橋たちは橋梁美を実現している-

担当講師:齊藤 準平

イギリスには,200年以上も前に造られ,今も現役で使われている橋が数多く存在します。
世界初の鉄橋であるコールブルックデール橋,当時世界最長スパンを誇ったメナイ橋,そして“鋼鉄の恐竜”と呼ばれる巨大なフォース橋。さらに,ロンドンの象徴として開閉式構造をもつタワーブリッジ,渓谷に優雅な曲線を描くクリフトン吊橋,船を回転によって上下させる革新的なフォルカーク・ホイールなど,個性豊かな構造物が今もまちの風景と暮らしの中に息づいています。

なぜそれら橋は長い年月を超えて使われ続けているのでしょうか。本講演では,実際に現地調査した写真や体験を交えながら,「壊れない構造の工夫」「失敗から学んだ技術革新」「地域に支えられる維持の仕組み」に迫ります。
橋は単なる通り道ではなく,人の移動を支え,都市の発展を導き,日常の風景を形づくる存在です。
構造的に合理的で優れた橋は,結果として美しさも備えると言われます。

200年後も変わらず人々の生活を支える橋とは何か。機能とさりげない橋梁美の両立という視点から,そのヒントを一緒に探してみませんか。

クリフトンの吊り橋(ブリストル)
クリフトンの吊り橋(ブリストル)
タワーブリッジ(ロンドン)
タワーブリッジ(ロンドン)
フォルカークホイール(フォルカーク)
フォルカークホイール(フォルカーク)
数学橋(ケンブリッジ)
数学橋(ケンブリッジ)
スターリングブリッジ(スターリング)
スターリングブリッジ(スターリング)

最も身近な道路舗装の役割

担当講師:山中 光一

私たちが利用する交通施設(道路,鉄道,空港,港湾など)の中でも,最も身近なのが道路になります。
皆さんが自宅の外に出ればすぐに道路が広がっているのではないでしょうか?
この道路には,安全で快適に移動ができるよう舗装がされています。日本の道路は,そのほとんどが舗装され,舗装はあって当たり前のものとなっています。
しかし,舗装がされていない道路では,雨が降ったりすると路面は凸凹になってしまいます。舗装は,私たちが安全で快適に移動するためには欠かせないのです。

しかし,舗装に使用した材料が弱く,舗装厚が薄いと舗装はすぐに壊れてしまい,安全で快適な移動の妨げとなります。
また,舗装は地盤(土)の上に構築されています。弱い地盤の上に舗装を構築しても,自動車が走った時に壊れてしまいます。
そのため,舗装を作る際には,地盤やその構造も考慮しながら設計をする必要があり,使用する材料の特徴を十分に知っておく必要があります。
また,単に舗装と言ってもその種類は沢山あります。歩きやすい舗装とは?特殊な機能を持った舗装とはどのようなものなのか?様々な役割についても説明します。

授業では,舗装にはどのような特徴を持った材料でどのような構造に設計,施工されているのか,歩行者にやさしい舗装とはどんなものであるのか?を新しい技術や設計方法を含め紹介します。

舗装の断面
舗装の断面
景観に配慮した舗装(参道)
景観に配慮した舗装(参道)
まち中のブロック舗装(ドレスデン)
まち中のブロック舗装(ドレスデン)
道路以外にも使われるブロック舗装
道路以外にも使われるブロック舗装
特殊な役割を持った舗装
特殊な役割を持った舗装

身近な加速器とその応用利用

担当講師:境 武志

加速器は,最近では素粒子実験でのヒッグス粒子の発見における素晴らしい成果によって,一般にもよく知られるようになってきています。
またノーベル賞に関してもよくニュース等で注目を浴びていますが,加速器に関連した基礎科学研究に与えられたノーベル賞は20世紀の自然科学の発展に大きな役割を果たし,戦後だけでも20件弱もあります。
ノーベル賞と関わりのある加速器と考えると一見遠い世界での話しのように思われがちですが,実は私たちの身近なところで加速器の技術が色々と応用され,私たちの生活に非常に役に立っています。

この講義では,加速器に関して簡単に解説し,具体的な応用利用,派生技術として,農業,産業,セキュリティー,文化財,学術・分析,環境,医療など様々な身近な分野で加速器技術が活躍していますので,これら各分野での応用例に関して紹介いたします。

建築・海洋建築の魅力

担当講師:惠藤 浩朗

日本は海に囲まれ,地震や津波と向き合う国だからこそ,建築を学ぶことは人々の暮らしを守り,未来の社会を形づくる力につながります。
本講義では,海という特別な舞台に視点を広げ,まだ活用されていない広大なフロンティアに建築がどのような可能性を開くのかを紹介します。
海に浮かぶ施設や洋上風力発電を支える構造物,災害に強い海上拠点など,海上空間は新しい都市やインフラの候補地として注目されています。

日本大学理工学部海洋建築工学科では,波や風を扱う実験や海での実習を通して,安全で快適な空間を生み出す技術を学び,地震や津波にも強い構造の仕組みを理解します。海を知り建築を学ぶことは,未来の社会を自分たちの手で創り出す確かな一歩になります。

海洋空間を活かした沿岸都市のイメージ
海洋空間を活かした沿岸都市のイメージ
AIで作成

世界を変える理系という選択(高校1年生向け)

担当講師:惠藤 浩朗

理系という学びが,私たちの暮らしを支える技術や社会の仕組みを生み出し,未来の都市や環境をどのように形づくっていくのかを,高校生のみなさんが自分の進路を考えるうえで大切な「世界を読み解く力」として捉え,科学や工学が持つ探究心と創造力がどれほど社会を前へ進めてきたのかを実例とともに示しながら,理系に進むことが自分の可能性を大きく広げる選択であることを説明します。

理系の魅力
理系の魅力
AIで作成