多様な移動空間のデザインを考える

担当講師:江守 央

人が徒歩で移動する空間はどうあるべきでしょうか?
その空間を利用する人にはさまざまな方がいます.例えば高齢者など歩くスピードが遅い人から若い人のなど早く歩ける人もいます.また,車いすやベビーカーを利用している人も同じ空間を共有してい移動をしています.

このようなさまざまな人に向けた空間づくりを行うことをユニバーサルデザイン・あるいはインクルーシブデザインといって,日本の主要な都市では誰もがスムーズに移動できる工夫がされています.
また,今後は新しい個人の移動手段として「パーソナルモビリティ」といわれる電動の乗り物や配送ロボットといった様々な端末が歩行空間を共有していくこととなります.

自転車ほど遠くへは行かない,けど歩きではちょっと遠いなといった場所にどんな手段を使うと楽しく移動できるでしょうか?
また,まちの特色を生かした移動空間のデザインも考えられるでしょう.今後の歩行空間に求められる機能をみんなと考えていきましょう.

開放的なスウェーデンの交差点
開放的なスウェーデンの交差点
スウェーデンでは歩行空間にパーソナルモビリティが溢れています
スウェーデンでは歩行空間にパーソナルモビリティが溢れています

英国の橋-200年以上使われ続ける個性豊かな橋たちは橋梁美を実現している-

担当講師:齊藤 準平

イギリスには,200年以上も前に造られ,今も現役で使われている橋が数多く存在します。
世界初の鉄橋であるコールブルックデール橋,当時世界最長スパンを誇ったメナイ橋,そして“鋼鉄の恐竜”と呼ばれる巨大なフォース橋。さらに,ロンドンの象徴として開閉式構造をもつタワーブリッジ,渓谷に優雅な曲線を描くクリフトン吊橋,船を回転によって上下させる革新的なフォルカーク・ホイールなど,個性豊かな構造物が今もまちの風景と暮らしの中に息づいています。

なぜそれら橋は長い年月を超えて使われ続けているのでしょうか。本講演では,実際に現地調査した写真や体験を交えながら,「壊れない構造の工夫」「失敗から学んだ技術革新」「地域に支えられる維持の仕組み」に迫ります。
橋は単なる通り道ではなく,人の移動を支え,都市の発展を導き,日常の風景を形づくる存在です。
構造的に合理的で優れた橋は,結果として美しさも備えると言われます。

200年後も変わらず人々の生活を支える橋とは何か。機能とさりげない橋梁美の両立という視点から,そのヒントを一緒に探してみませんか。

クリフトンの吊り橋(ブリストル)
クリフトンの吊り橋(ブリストル)
タワーブリッジ(ロンドン)
タワーブリッジ(ロンドン)
フォルカークホイール(フォルカーク)
フォルカークホイール(フォルカーク)
数学橋(ケンブリッジ)
数学橋(ケンブリッジ)
スターリングブリッジ(スターリング)
スターリングブリッジ(スターリング)

まるい形の交差点「ラウンドアバウト」のひみつ

担当講師:吉岡 慶祐

「ラウンドアバウト(Roundabout)」と呼ばれる円形のかたちをした交差点を知っていますか?
このラウンドアバウト,欧米を中心とした海外ではごく一般的な交差点の形式ですが,日本では最近になってようやく注目されるようになり,全国各地で徐々に数が増えてきています。

ところで,なぜ,このようなまるい形の交差点を作るのでしょうか?そして,まるい形にすることでどのような利点があるのでしょうか。

授業では,ラウンドアバウトの歴史,日本で普及するに至った経緯について説明し,ラウンドアバウトがもつ特徴やメリットなどを工学的な視点から解説します。

長野県須坂市のラウンドアバウト
長野県須坂市のラウンドアバウト
イギリスのミニラウンドアバウト
イギリスのミニラウンドアバウト
アメリカのターボラウンドアバウト
アメリカのターボラウンドアバウト

建築・海洋建築の魅力

担当講師:惠藤 浩朗

日本は海に囲まれ,地震や津波と向き合う国だからこそ,建築を学ぶことは人々の暮らしを守り,未来の社会を形づくる力につながります。
本講義では,海という特別な舞台に視点を広げ,まだ活用されていない広大なフロンティアに建築がどのような可能性を開くのかを紹介します。
海に浮かぶ施設や洋上風力発電を支える構造物,災害に強い海上拠点など,海上空間は新しい都市やインフラの候補地として注目されています。

日本大学理工学部海洋建築工学科では,波や風を扱う実験や海での実習を通して,安全で快適な空間を生み出す技術を学び,地震や津波にも強い構造の仕組みを理解します。海を知り建築を学ぶことは,未来の社会を自分たちの手で創り出す確かな一歩になります。

海洋空間を活かした沿岸都市のイメージ
海洋空間を活かした沿岸都市のイメージ
AIで作成

世界を変える理系という選択(高校1年生向け)

担当講師:惠藤 浩朗

理系という学びが,私たちの暮らしを支える技術や社会の仕組みを生み出し,未来の都市や環境をどのように形づくっていくのかを,高校生のみなさんが自分の進路を考えるうえで大切な「世界を読み解く力」として捉え,科学や工学が持つ探究心と創造力がどれほど社会を前へ進めてきたのかを実例とともに示しながら,理系に進むことが自分の可能性を大きく広げる選択であることを説明します。

理系の魅力
理系の魅力
AIで作成

身近な”まちの歴史”の再発見

担当講師:阿部 貴弘

人の生い立ちを知ると,その人によりいっそう親しみがわくように,身近な”まちの歴史”を知ることで,普段何気なく暮らしているまちに,魅力や愛着を感じるようになります。
そうしたまちへの愛着は,クオリティ・オブ・ライフ,すなわち”暮らしの質”を高めるまちづくりの原動力となります。

ところで,日本のまちは,実に多様な成り立ちを誇っています。
全国の主要都市の多くは,近世の「城下町」を起源とします。また,かつての幹線道路,つまり旧街道沿いには,「宿場町」を起源とするまちが連なります。
さらに,河川や運河沿いには,様々な物資の集散地であった「在郷町」を起源とするまちが発達し,一方沿岸部には,海運拠点としての「湊町」を起源とするまちが点在します。

この講義では,まず,こうした日本のまちの成り立ちを概説したうえで,絵図や古地図を使いながら,身近なまちの歴史の見方・調べ方についてお話します。
さらに,まちの歴史が表れた身近な歴史資源について,まちづくりにおいてどのように活用していくか,具体事例を交えつつ,歴史を活かしたまちづくりの手法についてお話します。

城下町江戸の古地図
~城下町江戸の古地図~
日本の城下町は,水路網と街路網が複雑に入り組んだ,日本独自の大変興味深い都市構造を有していた
(1632(寛永9)年刊「武州豊嶋郡江戸庄図」(東京都立中央図書館東京誌料文庫所蔵))

図形を分類してみよう

担当講師:橋口 徳一

数学の研究の目指すものは永遠の「真理」であると言うことができます。
「真理」の探求のし方にはいろいろなパターンがあります。対象(例えば数や図形)のもつ性質を明らかにする,さらに進んで対象を分類する,方程式等の解法を見出す,あるいは,現象を記述するモデルを構成する,など様々です。
私の専門である幾何学では,目標は「図形を分類することである」と言うことができます。分類するというのは,2つの図形が同じであるための基準を定めて,その基準にしたがって図形を仲間分けすることです。

皆さんが良く知っている例をあげると,合同である(または,相似である)ことを基準として三角形を分類することができます。現代の幾何学は,対象としている図形に応じて基準を取り替えながら,多様な図形を分類しようとしています。

この授業では,次元や連結性など位相幾何学で用いられる言葉を用意して,いくつかの簡単な図形を分類します。

音が目の前に現れる–情報技術と融合したオーディオシステム–

担当講師:大隅 歩

音楽を聴くときに用いるスピーカですが,このスピーカには実に多くの種類があります。
このスピーカの中には超指向性スピーカと呼ばれるものがあり,近年の情報技術と融合して様々な場面でオーディオシステムとして使用されるようになりました。超指向性スピーカとは,非常に狭い範囲のみに音が聞こえるように開発されたスピーカで,超音波を使用しています。このスピーカを用いると,騒音問題となっている夜遅くの駅構内アナウンスを乗車する人のみに聞かせることが出来たり,美術館のような静けさが求められる場所でも隣の人に聞こえないように展示品のアナウンスを聞くことが出来たりします。
実は,すでに皆さんも体験したことがあるのではないでしょうか。
また,聴くことを目的としない面白い利用方法もあります。(それは講義を楽しみにしてください)

この講義では,そのような超指向性スピーカの原理や構造,応用技術などを紹介していきます。

●一般的なスピーカの聞こえ方
●一般的なスピーカの聞こえ方
●超指向性スピーカの聞こえ方
●超指向性スピーカの聞こえ方
●超指向性スピーカの外観
●超指向性スピーカの外観

デザインの力で“まち”に賑わいを生み出す

担当講師:落合 正行

住み開きによる“まちなか”シェア空間


2000年代に入り,日本社会はシェア(共有)の時代に入ったといわれ,あらゆるものを人々と共有することで,新たな価値を生み出すデザインが重要となっています。

そのひとつに,住まいの一部を“まち”に開き,自らコミュニケショーンの場として公共化する活動として「住み開き」が注目を集めています。

私自身も「住み開き」を実践していますが,こうして生み出された空間は,趣味や憩いの場を超えて,地域交流の場にまで発展するとともに,“まち”に賑わいを生み出すという点で,まちづくりへの応用が期待されています。

みなさんも,“まちなか”シェア空間のデザインについて学んでみませんか?

超高層建築物の構造と歴史

担当講師:高橋 孝二

2011年3月に発生した東日本大震災では,超高層ビル群が大きく揺れ動く様子や高層階の人々が立っていられず床に這いつくばっている様子など,驚きの映像が記憶に新しいと思います。
これは「長周期地震動が原因で,高層ビルや高層マンションが大きく揺れました。」と報道等で言われています。こう言われてもなんだかピンとこないと思います。

本アカデミーでは,「何故このような現象が起きるのか」や,「超高層建築物の耐震設計はどのように行われているか」等を分かりやすく説明し,さらに我が国における超高層ビルの先駆けとなった霞が関ビルから最先端の耐震技術を紹介致します。

超高層建築物の耐震設計イメージ図