直径250mの風力発電システムを浮かべる世界

担当講師:居駒 知樹

風力発電では大きな風車が使われます。
その直径は陸上の場合は130m程度ですが,海に設置される洋上風力発電ではもっと大きくなります。
世界で開発が進む最新の洋上風力発電風車の直径は250mにおよびます。
このような大きな風車を載せた100m規模の大きな浮体を海に浮かべるのが浮体式洋上風力発電です。

日本でも開発がどんどん進み2040年にはたくさんの風車が沖合に浮いていることでしょう。
海で風力発電を行う意味やそれを実現する技術を知りたいとは思いませんか?

洋上風力発電開発イメージ図

海を舞台にした科学技術の世界

担当講師:居駒 知樹

日本は世界で6番目の広さの海を管理しています。
そこでは水産業が営まれていますが,みなさんが思っているほど海という場を使っていません。
日本の貿易の99%以上が船で賄われているので,港は驚くほどたくさんあります。
しかしながら,海は船が通るだけの場所になっています。世界では海上で石油や天然ガス開発が行われ,洋上風力発電の開発も進みますし,海上基地の構想や海上都市の構想まであります。
土木・建築・機械・電気・情報・環境などの全ての科学技術が海を舞台に展開されているのです。

海がどのように活用されているか,そしてどのように活用できる可能性があるのかを知りたいとは思いませんか?

浮体式洋上風力
浮体式洋上風力

海に浮かぶ未来都市を支える浮体式海洋構造物の世界

担当講師:惠藤 浩朗

海に浮かぶ未来都市は,気候変動が進むこれからの時代に,人類が新しい暮らし方を切り開くための大きな可能性を秘めています。
浮体式海洋構造物は沈まず,津波の力を受け流し,必要に応じて移動できる柔軟さを持ち,陸上では実現できない安全性と自由度を備えています。
埋め立てに頼らず海を傷つけないまま都市や港を広げることができ,洋上風力などの再生可能エネルギーの拠点としても活躍します。
さらに,海面上昇で国土が失われつつある地域を支える“新しい大地”となり,災害時には独立した電力や水を備えた海上の避難都市として人々を守る力もあります。

海に建てるという発想は,国土の限界を超え,未来の社会を自分たちの手でつくるための挑戦そのものであり,これらの可能性についてわかりやすく解説します。

水素生産のための浮体式海洋構造物
水素生産のための浮体式海洋構造物
弾性係留索により係留された浮体式海洋構造物
弾性係留索により係留された浮体式海洋構造物

原子力の基礎と未来:持続可能なエネルギーの可能性

担当講師:渡部 政行

次世代のエネルギー源として期待されている発電方式の一つに「核融合発電」があります.
核融合とは原子力エネルギーの一つであり,太陽などの恒星内部で起こっている核反応です.つまり核融合発電とは,『地球上に小さな人工太陽を創り,そのエネルギーを用いて電気を作ろう』と言う世界的なプロジェクト研究です.

講義ではまず,物質の構成とその特性を「結晶」,「原子・分子」,「原子核と電子」の大きさの順に説明します.次に,この原子核がもつ原子力エネルギーをわかりやすく説明します.
原子力エネルギーには「核分裂反応」と「核融合反応」があり,それらの違いや,反応から生じる放射線の種類やその基礎特性などを解説します.また講義では,全世界的な問題となっている地球温暖化現象や環境問題に関しても紹介します.
最後に恒星における核融合と比較しながら,近未来のエネルギー源である核融合発電炉ITERについて解説します.ITERは核融合の科学的・技術的な実証を目的とした国際共同プロジェクトです.(写真参照:https://www.iter.org/)

近未来のエネルギー源である核融合発電炉ITER

地球環境と人々の暮らしを守る!熱・エネルギー変換技術

担当講師:飯島 晃良

エネルギーと環境に関する話題が世界的にクローズアップされています.
地球温暖化,資源の枯渇再生可能エネルギーの有効利用などは,多くの人にとって関心事ではないでしょうか.

この講義では,次世代エネルギー革新技術のキーワード,「次世代エンジン・ハイブリッドカー・EVシフト・次世代高効率発電・再生可能エネルギー・シェールガス/オイル,バイオマス」などについて,エネルギーの基礎から応用までを分かりやすく説明します.

高効率エンジンの燃焼研究
高効率エンジンの燃焼研究

”エンジンとモーター”実は最強タッグ!車のカーボンニュートラル化技術最前線

担当講師:飯島 晃良

自動車を走らす動力の方式は,「ガソリンエンジン」「ディーゼルエンジン」「電気自動車」,「ハイブリッドカー」「プラグインハイブリッドカー」「燃料電池車」など,実に様々です。
これらの方式にはそれぞれに利点と欠点があるため,日々,それらの欠点を解決するための研究が行われています。 

この教室では,自動車のエンジンとエコカーの仕組みを学びます。
そのうえで,自動車の様々な方式の動力源について,「狙い」「利点」「欠点や課題」を考え,将来の動力の源(パワーソース)について考えます。

高効率エンジンの研究
高効率エンジンの研究

持続可能な次世代のロケットエンジン

担当講師:髙橋 賢一

宇宙へ人や物を送るときにはロケットを使用し,大きな力を出せる化学ロケットエンジンが利用されています。
宇宙へ行くには非常に大きな力(推力)が必要で,そのためには多くの燃料と酸素を必要とします。
燃料となる物質と酸素となる物質(これらを推進剤という)をロケットは自ら運び,そのため空気が薄いまたは無いところでも飛ぶことができます。
しかし,これらの推進剤は本質的に爆発性があり,何か事故が起きて推進剤が混合したり,エンジンに異常が発生したりすると一瞬にして爆発してしまいます。
事故を起こさないことが大事なのですが,このような本質的に爆発性を持つ化学ロケットエンジンでは宇宙旅行のように一般の人を乗せるロケットのエンジンには不向きです。

そこで,ハイブリッドロケットエンジンという化学ロケットエンジンがあります。
ハイブリッドロケットエンジンは本質的に非爆発性という安全に優れたエンジンです。しかし,ハイブリッドロケットエンジンは大きな推力を出すことが難しく,人を宇宙に送るにはまだ力不足です。
我々の研究室では,ハイブリッドロケットエンジンの性能を向上させるために,主に燃料の研究を行っています。

この講義では,ロケットの燃料のルーツとも言える黒色火薬から,ロケットエンジンの基礎,最近の研究課題について解説します。

分子デバイスをめざす化学

担当講師:大月 穣

化学は,物質がどのような構造をし,それがどのように変化するかを,原子・分子のレベルから明らかしようという科学です.

化学者は,そのような研究の蓄積を学び,さらに新しい反応を発見したりしながら,世界中どこを探しても存在しない新しい分子を設計して,作り出すことができます.最近の研究では,さらに分子を望み通りに組み立てて,新しい物質を作り出すことができるようになってきました.分子を一つずつ作って組み立ててというのは,実は自然界では生物がいとも簡単そうに行なっていることではあります.

植物が,光エネルギーを化学エネルギーに高効率で変換する光合成を行えるのも,分子が精密に並べられた天然分子デバイスを持っているためです.

人間が分子をよりコントロールして組み立てることができれるようになれば,原子・分子レベルで働く究極のデバイスを作ることができるようになります.より優れた光合成を行う人工分子デバイスを組み立てることも可能になるかもしれません.

新しい分子,物質,分子デバイスを作ることを夢みて,日々行なっている研究を紹介します,

電気と未来のエネルギー

担当講師:直井 和久

日本国内における電力供給は,東日本大震災以降,原子力発電の停止により海外からの化石燃料に大きく頼ることになり,その依存度は過去最高の水準にあります。

これにより,一次エネルギー(石炭,原油,天然ガス,再生可能エネルギー,原子力,水力)の自給率は大きく低下し,先進国の中で最も低い水準となっています。

また,化石燃料への依存度が高まることにより電気料金は大きく上昇し,諸外国と比較して日本の電気料金は高く,特に産業部門での国際競争力の悪影響が懸念されています。さらに,原子力発電所が停止し,化石燃料による発電に依存していることから,二酸化炭素の排出量は増加しています。

これらの我が国が直面する「経済成長(Economy)」,「資源・エネルギーの安定確保(Energy)」,「環境保(Environment)」の3Eによる制約(トリレンマ問題)が,私たちの生活にどのような変化をもたらすか考えてみましょう。

再生可能エネルギーから効率的に電気を作り出す技術

担当講師:辻 健太郎

現在日本では,エネルギーミックスの確実な実現へ向けた取り組みの更なる強化を行うとともに,エネルギー転換・脱炭素社会の実現に向けての作業が進んでいます。そのような状況下において,日本に限らず現在世界中で再生可能エネルギーを用いた発電システムの研究が進んでいます。

本講義では再生可能エネルギーの一種である海洋エネルギーの内,潮流,波力エネルギーを用いた発電システムおいて,効率的に電気を作り出す方法について講義いたします。
潮流エネルギーは周期的に流れの速さと向きが変化し,波力エネルギーも不規則に変化します。したがって,どちらも発電機への入力エネルギーが時間に対して変化します。このため,入力エネルギーが変化しても発電機が常に最大効率で運転出来るように制御を行う必要があり,この制御システムについてわかりやすく講義いたします。

四方を海に囲まれた日本にとっては貴重な再生可能エネルギーの一種である海洋エネルギーによる発電システムについて理解を深めてみませんか。

制御システム