海に浮かぶ未来都市を支える浮体式海洋構造物の世界

担当講師:惠藤 浩朗

海に浮かぶ未来都市は,気候変動が進むこれからの時代に,人類が新しい暮らし方を切り開くための大きな可能性を秘めています。
浮体式海洋構造物は沈まず,津波の力を受け流し,必要に応じて移動できる柔軟さを持ち,陸上では実現できない安全性と自由度を備えています。
埋め立てに頼らず海を傷つけないまま都市や港を広げることができ,洋上風力などの再生可能エネルギーの拠点としても活躍します。
さらに,海面上昇で国土が失われつつある地域を支える“新しい大地”となり,災害時には独立した電力や水を備えた海上の避難都市として人々を守る力もあります。

海に建てるという発想は,国土の限界を超え,未来の社会を自分たちの手でつくるための挑戦そのものであり,これらの可能性についてわかりやすく解説します。

水素生産のための浮体式海洋構造物
水素生産のための浮体式海洋構造物
弾性係留索により係留された浮体式海洋構造物
弾性係留索により係留された浮体式海洋構造物

衛星を使って自分の位置を知るしくみ

担当講師:佐田 達典

テレビで天気予報を見ていると日本付近の雲の画像がよくでてきます。
これは気象衛星から撮影した画像ですが,このように現在人工衛星の利用が身近になっています。
衛星には様々な種類がありますが,GPS という衛星からの電波を受信機で捉えると,私たちの現在位置を正確に知ることできます。
カーナビゲーションや携帯電話に使われているのでご存知の方も多いでしょう。

カーナビで使われているGPS 受信機は位置の測定誤差が10mもあります。
しかし,特殊な受信機を用いると10mm の誤差で位置を測定することができます。
このGPS 衛星を利用した測量システムは,高度な測量や日本列島の地殻変動観測に利用されています。(日本列島はきわめてゆっくりですが動いています。特に地震の時に大きく動きます。GPS はこの地殻変動を捉えます。)
またリアルタイムに自分の位置と方向がわかるので,建設機械の自動制御にも応用されています。

GPS のしくみをやさしく解説し,測量や交通・建設分野における最先端の応用事例を紹介します。

衛星測位のしくみを知ろう
衛星測位のしくみを知ろう

鉄道構造物のつくりかた

担当講師:谷口 望

皆さんが普段使用している鉄道ですが,鉄道車両を支える構造物には交通基盤技術が使用されています.
具体的には,計画・構造設計・製作・建設・維持管理などには,それぞれ工学的な技術が複数組み合わされており,その中で交通システム工学は必要不可欠になります.

本講義では,これらの技術に関して,具体的な事例をもとに紹介し,どのような場面で交通システム工学が活用されているか実例写真を用いながら説明していきます.
また,交通システム工学科で学ぶ学習内容が,実際の社会でどのように役立っているかについても紹介します.

鉄道構造物(ラーメン橋脚)の例
鉄道構造物(ラーメン橋脚)の例
鉄道駅構内改良工事の様子
鉄道駅構内改良工事の様子

土を軽くする,強くする(地盤の軽量化・補強の新技術)

担当講師:峯岸 邦夫

国土の狭い我が国では,埋立て地のような地盤条件の良くない場所にも交通施設(道路や鉄道,空港など)を建設しなければなりません。
その際に従来のような重い材料を使って建設をすると地盤沈下を起こし,交通施設に大きな影響をもたらします。

そこで,地盤沈下を起こさないように発泡スチロールを単体や土に混ぜた軽い材料で交通施設を建設する技術や,元々引っ張られる力に弱い土に補強材という材料を挿入または敷設して地盤を強くする新しい技術について紹介します。

東京外環自動車道・三郷ジャンクション
東京外環自動車道・三郷ジャンクション

最も身近な道路舗装の役割

担当講師:山中 光一

私たちが利用する交通施設(道路,鉄道,空港,港湾など)の中でも,最も身近なのが道路になります。
皆さんが自宅の外に出ればすぐに道路が広がっているのではないでしょうか?
この道路には,安全で快適に移動ができるよう舗装がされています。日本の道路は,そのほとんどが舗装され,舗装はあって当たり前のものとなっています。
しかし,舗装がされていない道路では,雨が降ったりすると路面は凸凹になってしまいます。舗装は,私たちが安全で快適に移動するためには欠かせないのです。

しかし,舗装に使用した材料が弱く,舗装厚が薄いと舗装はすぐに壊れてしまい,安全で快適な移動の妨げとなります。
また,舗装は地盤(土)の上に構築されています。弱い地盤の上に舗装を構築しても,自動車が走った時に壊れてしまいます。
そのため,舗装を作る際には,地盤やその構造も考慮しながら設計をする必要があり,使用する材料の特徴を十分に知っておく必要があります。
また,単に舗装と言ってもその種類は沢山あります。歩きやすい舗装とは?特殊な機能を持った舗装とはどのようなものなのか?様々な役割についても説明します。

授業では,舗装にはどのような特徴を持った材料でどのような構造に設計,施工されているのか,歩行者にやさしい舗装とはどんなものであるのか?を新しい技術や設計方法を含め紹介します。

舗装の断面
舗装の断面
景観に配慮した舗装(参道)
景観に配慮した舗装(参道)
まち中のブロック舗装(ドレスデン)
まち中のブロック舗装(ドレスデン)
道路以外にも使われるブロック舗装
道路以外にも使われるブロック舗装
特殊な役割を持った舗装
特殊な役割を持った舗装

まるい形の交差点「ラウンドアバウト」のひみつ

担当講師:吉岡 慶祐

「ラウンドアバウト(Roundabout)」と呼ばれる円形のかたちをした交差点を知っていますか?
このラウンドアバウト,欧米を中心とした海外ではごく一般的な交差点の形式ですが,日本では最近になってようやく注目されるようになり,全国各地で徐々に数が増えてきています。

ところで,なぜ,このようなまるい形の交差点を作るのでしょうか?そして,まるい形にすることでどのような利点があるのでしょうか。

授業では,ラウンドアバウトの歴史,日本で普及するに至った経緯について説明し,ラウンドアバウトがもつ特徴やメリットなどを工学的な視点から解説します。

長野県須坂市のラウンドアバウト
長野県須坂市のラウンドアバウト
イギリスのミニラウンドアバウト
イギリスのミニラウンドアバウト
アメリカのターボラウンドアバウト
アメリカのターボラウンドアバウト

写真から立体の世界をつくるしくみ

担当講師:李 勇鶴

・写真を使って,立体的な空間を再現するしくみを紹介します。
・写真を使って,コンピューターが自動で3Dモデル(立体モデル)を作るようすをデモで見てもらいます。
・できあがった3Dモデルがどんな場面で使われているかを紹介します。
・AI(人工知能)を使って,よりリアルな3D空間を作る最新の技術についても紹介します。

航空写真を使った3D都市モデルの作成
航空写真を使った3D都市モデルの作成
(図版・画像等の出典や引用元:Google Map)
3DGSで生成した3次元モデル(自転車)
3DGSで生成した3次元モデル(自転車)
(図版・画像等の出典や引用元:https://repo-sam.inria.fr/fungraph/3d-gaussian-splatting/)

建築・海洋建築の魅力

担当講師:惠藤 浩朗

日本は海に囲まれ,地震や津波と向き合う国だからこそ,建築を学ぶことは人々の暮らしを守り,未来の社会を形づくる力につながります。
本講義では,海という特別な舞台に視点を広げ,まだ活用されていない広大なフロンティアに建築がどのような可能性を開くのかを紹介します。
海に浮かぶ施設や洋上風力発電を支える構造物,災害に強い海上拠点など,海上空間は新しい都市やインフラの候補地として注目されています。

日本大学理工学部海洋建築工学科では,波や風を扱う実験や海での実習を通して,安全で快適な空間を生み出す技術を学び,地震や津波にも強い構造の仕組みを理解します。海を知り建築を学ぶことは,未来の社会を自分たちの手で創り出す確かな一歩になります。

海洋空間を活かした沿岸都市のイメージ
海洋空間を活かした沿岸都市のイメージ
AIで作成

地球環境と人々の暮らしを守る!熱・エネルギー変換技術

担当講師:飯島 晃良

エネルギーと環境に関する話題が世界的にクローズアップされています.
地球温暖化,資源の枯渇再生可能エネルギーの有効利用などは,多くの人にとって関心事ではないでしょうか.

この講義では,次世代エネルギー革新技術のキーワード,「次世代エンジン・ハイブリッドカー・EVシフト・次世代高効率発電・再生可能エネルギー・シェールガス/オイル,バイオマス」などについて,エネルギーの基礎から応用までを分かりやすく説明します.

高効率エンジンの燃焼研究
高効率エンジンの燃焼研究

今,身近な防災を考える

担当講師:後藤 浩

日本は四方を海で囲まれています。
また,我々は水が無くては生きていけませんので,大きな河川の流れる平野にその居所をもっています。
つまり,我々の周りには水が存在します。
このため,我々は地震による津波や異常気象によって発生する洪水,高潮などの危険性にさらされています。

このような災害は,他の災害とは異なり,じわりじわりと被害をもたらすものではなく,短期間(一瞬)のできごとであるため,多くの人は危険性を実感していない可能性があります。
また,このような災害は,大きな被害をもたらす場合が多くあります。

ここでは,津波災害の危険性,洪水の危険性を紹介し,現状の対策(技術・研究)を説明したいと思います。
この話をもとにして,今後の水防災対策についてみなさんにも考えていただきたいと思います。