超小型ロボットのつくりかた-人工生物の実現にむけて-

担当講師:齊藤 健

蟻の大群の中に紛れて蟻に指示をだしている奇妙な生物がいる。
このようなSFの世界のできごとが将来実現するかもしれない。

この講義では,蟻のように6本脚で歩行する世界最小サイズの超小型ロボットのつくりかたについて説明する。
現在のロボットは,事前にプログラムされた動作を表現するか,オペレータがリモコンで制御するなど,生物の脳とは異なった方法によって歩行などの動作を制御している。
私は,生物の脳の歩行動作制御を模倣した電子回路をつくり,プログラムやオペレータによる制御の必要がない,超小型ロボットの歩行動作制御を実現した。
この研究は機械工学・電子工学・電気工学・情報工学・生理学などの多くの分野が関係しているため,普段学校で習っている知識に少しプラスすることで,分野横断的な幅広い知識が身につくと期待している。
実施人数,回数,時間によって,座学,簡単な回路のはんだ付け,ロボットのデモなどから講義を選択・構成可能である。

指先に乗るサイズの超小型ロボット
指先に乗るサイズの超小型ロボット
従来にない新しいコンセプトの人工脳
従来にない新しいコンセプトの人工脳

工学から見た人型ロボット

担当講師:吉田 洋明

コンピュータは,より複雑な演算をより高速に行えるように日々進歩しています。
これに従って,複雑なソフトウエアを利用した,より高度な情報処理が行えるようになり,ロボットの能力も進化し続けています。

ロボットは,二足歩行ロボットの様にその形態を人間に近づけようとする研究や,人工知能のようにその情報処理能力を人間に近づけようとする研究などのいくつかの流れによって進化しています。
これらの研究が進むにつれて,今後ロボットの形態と情報処理能力を益々人間に近づけて行けると予想されます。
その形態と能力が人間に近づいたロボットはどの様に使われるのでしょうか。
そして,それにはどのような意味があるのでしょうか。工学として人型ロボットを考えてみます。

「制御」とは何だろう

担当講師:渡辺 亨

世の中の工業製品には「制御」が使われているものが少なくありませんが,それがはっきりと分かるような製品は多くありません。
なぜなら制御とは,本質的には「情報」の操作だからです。
制御しようという対象から情報を取り出し,それに情報処理をほどこし,その結果を制御対象に作用させるという一連の操作,それが「制御」なのです。

そう言うと単純なようですが,実際に制御を行おうとすると様々な障害にぶつかります。
例えば,具体的にどういう情報をどうやって取り出すのか(=計測),取り出した情報にどういう処理を加えたら良いのか(=設計),その制御が絶対うまくいくという保証はできるのか(=解析),頭の中で考えた情報処理システムをどうやってモノとして実現するのか(=実装)といった諸問題は,目に見えない情報と目に見える実体の両方が関係してくるだけにとても複雑です。

この授業では,それらの問題の本質的な意味を解説し,それらに対して今の制御工学でどのような考え方で立ち向かっているのかを説明します。
その過程で,高校で学ぶ内容(数学・理科)がどのように制御工学につながって行くのかという展望を示します。