NHK BSプレミアム「コズミックフロント」4月6日(木)22時00分から放送:航空宇宙工学科 阿部新助准教授と研究室の学生達が出演します。

4月6日(木)22時からNHK BSプレミアムで放送の「コズミックフロント」に,航空宇宙工学科 阿部新助准教授と研究室の学生達が出演します。

今回のテーマは「密着!超小型探査機の冒険」です。

航空宇宙工学科 阿部新助 准教授が主導して,電気通信大学,東京大学,JAXAおよび主要メーカーらと共同で開発した月面衝突閃光観測カメラ「デルフィヌス(DELPHINUS)」は,東大・JAXAの6U(30x20x10cm角)超小型探査機「エクレウス(EQUULEUS)」に搭載されて,2022年11月16日,NASAアルテミス計画1・月大型ロケットSLSの10機の相乗り衛星の1つとして打ち上げられました。地球周回軌道を脱出後にロケットアダプターから放出されたエクレウスは,気化させた水を排出して推進力を得る水エンジン(水レジストジェット「アクエリアス(AQUARIUS)」)を使った独自の運用を開始しました。チェックアウト運用(宇宙空間での様々な機能試験),軌道修正運用を経てデルフィヌスによるファーストライト撮像(宇宙空間での最初の撮影)を行った後,エクレウスは月周回(フライバイ)軌道に向かいました。
今回番組では,デルフィヌスに搭載した(本来の月面衝突閃光観測とは異なる)1/4000秒の高速シャッターモードを用いて,地球からは非可視中の月フライバイ時にタイムライン撮影を仕込み,月の裏側のタイムラプス撮影を成功させて,画像が地球に届くまでの様子が密着取材されています。

エクレウスは,月・地球スイングバイを繰り返して超小型深宇宙探査機 としては世界初となります。月・地球・太陽の重力が釣り合うラグランジュ点のうちの月の裏側に位置する地球(Earth)-月(Moon)系の第2ラグランジュ点(EML2)ハロー軌道へ,水エンジンを駆使して現在航行中です(約1年後に到着予定)。EML2へ向かう軌道変換技術の開発・実証のほか,3つの科学観測;月・地球周辺の磁気圏プラズマ観測(PHOENIX),ダスト環境計測(CLOTH)と,デルフィヌス(DELPHINUS)を用いた微小隕石の超高速衝突に伴う月面衝突閃光観測ミッションを行う計画です。(成功すれば,宇宙空間からの世界初の月面衝突閃光観測になります)。

是非ご覧ください。

NHK BSプレミアム「コズミックフロント」

テーマ
密着!超小型探査機の冒険
放送日
2023年4月6日(木)22:00~ 22:59 
※再放送 2023年4月10日(月)17:00~17:59
放送局
4月 6日(木)NHK BSプレミアム・BS4K
4月10日(月)NHK BSプレミアム

【プレスリリース】全天X線監視装置 MAXI による数千年に一度の 史上最強のガンマ線バースト GRB 221009A の検出

大学院理工学研究科物理学専攻の小林浩平(博士後期課程)と同学科の根來均教授らは、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載された全天X線監視装置MAXI(マキシ)を用いて、数千年に一度と考えられる史上最強のガンマ線バースト GRB 221009AからのX線残光の初期観測に成功しました。本成果は、理化学研究所、千葉大学、青山学院大学、東京工業大学、米ペンシルバニア州立大学、米NASAゴダード宇宙飛行センターなどからなる国際共同研究グループにより米国の天体物理学専門誌 “Astrophysical Journal Letters” に論文発表しました[文献1]。

発見の経緯
昨秋2022年10月9日の日本時間 22時58分、MAXIは、全天で2番目に明るくなった突発X線天体を銀河面近くで検出しました[2](図1)。その12分後に、NASAのガンマ線バースト観測衛星スウィフトでも同天体を検出しました[3]。MAXIの観測時、ISSと地上はリアルタイム通信ができなかったため、スウィフトに次いで世界で2番目に速報を出しました[注1] [2]。その後、MAXIの最初の検出に先立つ同22:16にこれまで検出された中で最も明るいガンマ線バースト[注2]が同天体付近で発生したとNASAのガンマ線観測衛星フェルミの観測チームから報告がありました[4]。
GRB 221009Aと名付けられたそのガンマ線バーストは、上記のアラート(報告)により世界中の天文台の望遠鏡や観測装置により観測が行われました。その結果、これまでで最も明るいガンマ線バーストより70倍明るいという観測史上最大のガンマ線バーストだったことが判明しました[注3]。そして、MAXIが受けたのはそのX線残光[注2]で、軟X線領域での残光の最初の観測となりました。

図1 MAXIによって得られたガンマ線バースト発生前後各6時間でのX線カラーイメージ(銀河座標系)。はくちょう座にあるX-1星は有名なブラックホール天体。

数千年に一度の規模の明るさのガンマ線バースト
19億光年も離れているにもかかわらず、ガンマ線バースト本体は静穏時の太陽と同程度というとてつもない強いX線強度でした。その結果、the BOAT (the Brightest Of All Timeの略で、史上最も明るいものの意)とも呼ばれています[5]。 その発生頻度をこれまでに検出されたガンマ線バーストの明るさと距離の分布などから見積もったところ、千年から一万年に一度の現象であることがわかりました [1, 5]。
一方でMAXIが受けたX線残光も、これまでスウィフト衛星が17年間に観測した約400のガンマ線バーストの残光の中で最も明るいものよりもさらに1桁ほど明るかったことがわかりました [1]。MAXIは約1時間半で全天を1回スキャン観測していますが、X線残光は急激に減光するため、通常、X線残光は受かっても 0.1 Crab[注4] 程度の強度のものが1回のみでした。しかし、今回は、発生41分後でありながら初回の観測では約2.5 Crabもあり、その後も5スキャン(7.5時間)に渡って検出されました [1, 6](図2)。

図2 フェルミ衛星のGBM検出器、MAXI、スウィフト衛星のX線望遠鏡 XRT、NICERによって得られたGRB 221009A のX線光度曲線。X線残光のデータは文献1から、フェルミ衛星のデータは https://fermi.gsfc.nasa.govより入手し、他と同じエネルギー帯域での強度に換算しました。(即時放射はあまりにも明るかったため、GBM検出器も飽和してしまい、また換算時の不確定性から、即時放射の強度は1桁ほどの不確定性があります。)

X線リングとMAXIにより明らかになった初期X線残光の特徴
GRB 221009A は図1のように銀河面に近い位置で発生し、その光は銀河系内の塵の層をいくつも透過してきました。その結果、スウィフト衛星による観測では幾重にも重なる「X線リング」が観測されました[注5]。MAXIのデータでは中心の残光と反射リングを区別できないため、小林院生は、スウィフト衛星のデータも用いてX線リングを考慮したMAXIのデータの詳細な解析を行いました。その結果、初期のX線残光はその後の残光から予想される明るさより暗く(図2)、エネルギースペクトルも異なることがわかりました。これらの情報は、ガンマ線バーストとして放出されるジェットの特徴を明らかにするのに役立ちます。
以上の結果はMAXIチーム、スウィフトチーム、NICER(ナイサー)チームと共同でまとめ、米国の天体物理学専門誌 “Astrophysical Journal Letters”の特別号に論文が掲載されました [1]。
過去最大の明るさだったがゆえに、これまでになくガンマ線バーストとその残光の特徴が数多く詳細に得られた今回の結果は、今後、まだ謎が多いガンマ線バーストとその残光を理解する上で多くの情報を与えるものと考えられます[注6]。また、MAXIによる全天X線観測においては、重力波観測がまもなく5月から再開されることもあり、ブラックホール新星をはじめとする新たな突発天体と突発現象の発見が期待されています。

文献
1. Williams, M. et al. 2023, “GRB 221009A: Discovery of an Exceptionally Rare Nearby and Energetic Gamma-Ray Burst”, The Astrophysical Journal Letters, 特別号
2. Negoro, H. et al. 2022, The Astronomers Telegram, 15651
3. Dichiara, S. et al. 2022, The Gamma-ray Coordinates Network, 32632
4. Veres, P. et al. 2022, The Gamma-ray Coordinates Network, 32636
5. Burns, E. et al. 2023, arXiv e-print, arXiv:2302.14037
6. Kobayashi, K. et al. 2022, The Gamma-ray Coordinates Network, 32756

※ 文献1の著者(全36機関, 56名)
MAXIチームの共著者
日本大学 理工学部 物理学科
  教授 根來 均(ネゴロ・ヒトシ)
  大学院理工学研究科物理学専攻(博士後期課程2年)小林 浩平(コバヤシ・コウヘイ)
理化学研究所 開拓研究本部 
  専任研究員 三原 建弘(ミハラ・タテヒロ)
青山学院大学 理工学部 物理数理科
  助教 杉田 聡司(スギタ・サトシ)
  助教 芹野 素子(セリノ・モトコ)
東京工業大学 理学院 物理学系
  教授 河合 誠之(カワイ・ノブユキ)

スウィフトチームの主な共著者
米 ペンシルバニア州立大学
  Maia A. Williams, Jamie A. Kennea, S. Dichiara
英 レスター大学
  Andrew P. Beardmore, P.A. Evans
米 NASA ゴダード宇宙飛行センター, メリーランド大学
  S. Bradley Cenko
NICERチームの主な共著者
千葉大学 ハドロン宇宙国際研究センター(ICEHAP)/ 国際高等研究基幹
(MAXIチーム)
  助教 岩切 渉(イワキリ・ワタル)
米 NASA ゴダード宇宙飛行センター
  Keith C. Gendreau

国内のMAXIチーム
 理化学研究所、日本大学、青山学院大学、JAXA、愛媛大学、東京工業大学、京都大学、宮崎大学、中央大学、千葉大学

注釈
1.スウィフト衛星は、日本時間9日の23:10に検出後、23:39に報告しています。MAXIは22:58に検出しましたが、そのデータが地上に降りてきたのは、次のスキャン観測のデータが10 日の00:31にリアルタイムで下りてきたあとの00:55でした。その結果、報告は10日02:24となりました。フェルミ衛星による検出は、同10 日05:54に報告がなされました。なお、フェルミの報告まで、同天体はガンマ線バーストではなく、X線新星 Swift J1913.1+1946 という天体名で報告されています。

2.今回観測された、最も一般的なタイプである継続時間の長いガンマ線バーストの構成を以下の図に示します。 大質量星(左)のコアが崩壊し、ブラックホールが形成されます。このブラックホールは、粒子ジェットを放出し、それは崩壊する星の中を突き抜け、ほぼ光速で宇宙空間に放出されます。多波長にわたる放射は、生まれたばかりのブラックホールの近くにある高温電離ガス(プラズマ)、ジェット内の高速で移動するガスのシェル間の衝突(内部衝撃波)、および星間ガスを押しのけるジェットの前縁(外部衝撃波)から発生します。ガンマ線バースト本体(即時放射)は初期の内部衝撃波からの放射で、残光は続く外部衝撃波からの放射と考えられています。

Credit: NASAゴダード宇宙飛行センター

3.GRB 221009Aはもともとの放射エネルギー自体も大きく、近傍(赤方偏移1以下)つまり最近(宇宙年齢70億年以降)では観測史上最大のガンマ線バーストでした。その上、距離19億光年(赤方偏移0.151、VLT望遠鏡)という異例な近傍で発生したために、史上最も強いものとなりました 。なお、これほど強いガンマ線であれば、MAXIは視野外であっても検出できますが、今回はガンマ線バースト源が地球に隠れていたため検出できませんでした。

4.Crab はカニ星雲(カニパルサー含む)のX線強度を基準としたX線やガンマ線天文学で用いられる明るさの単位です。図2の目盛では約2が 1 Crabです。最も明るい天体は、太陽以外で最初に発見されたX線源さそり座X-1星で、約20 Crab です。

5.GRB 221009Aの最初の閃光X線の一部は、私たちの銀河系内の塵により反射され、光路長が長くなって遅れて地球に届きます。今回、銀河の腕に沿って塵が何か所もあるため、異常な数のX線リングが出現しました。以下の図はスウィフト衛星のX線望遠鏡によって 12 日間にわたって撮影された画像から作成されました。

Credit: NASA/Swift/A. Beardmore (University of Leicester)

6.ジェームズウェブ宇宙望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡で分光観測がなされましたが、超新星の兆候は見つかっていません。重力波天文台は休止中でした。

1 https://iopscience.iop.org/collections/apjl-230323-172_Focus-on-the-Ultra-luminous-GRB-221009A
2 NASA の特設サイト https://www.nasa.gov/feature/goddard/2023/nasa-missions-study-what-may-be-a-1-in-10000-year-gamma-ray-burst/
米天文学会の特設サイト https://aas.org/meetings/head20/press https://www.youtube.com/c/AASPressOffice

【本件に関する報道・メディア関係のお問合せ】
日本大学理工学部
物理学科 教授 根來均 
Mail:negoro.hitoshi@nihon-u.ac.jp
Tel:03-3259-0893

JST(科学技術振興機構)ムーンショットに、建築学科 泉山 塁威 助教と東京大学大学院 工学系研究科 澤田洋平 准教授の対談「気象制御が、信頼できる“まちのインフラ”になるには?」が掲載されました。

JST(科学技術振興機構)が推進する、破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく挑戦的な研究開発を推進する国の大型研究プログラム「ムーンショット型研究開発事業」。
ムーンショット目標8では、「2050年までに、激甚化しつつある台風や豪雨を制御し極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現」を掲げています。
今回、採択された研究プロジェクトの1つ目標8 研究開発プロジェクト「社会的意思決定を支援する気象-社会結合系の制御理論」に携わる 澤田洋平プロジェクトマネージャー(東京大学大学院 工学系研究科 准教授)と、都市計画・都市デザインが専門である建築学科泉山塁威 助教が、「気象制御が信頼できる“まちのインフラ”になるには?」をテーマに対談をしました。
気象制御という新技術が、いかにして市民社会において受け入れられるのか、そのために必要な市民との対話、都市計画やまちづくりにおけるこれからについて語られています。
是非ご覧ください。

JST(科学技術振興機構)ムーンショットに、建築学科 泉山 塁威 助教と東京大学大学院 工学系研究科 澤田洋平 准教授の対談「気象制御が、信頼できる“まちのインフラ”になるには?」が掲載されました。

【プレスリリース】全天X線監視装置 MAXI による数千年に一度の 史上最強のガンマ線バースト GRB 221009A の検出

大学院理工学研究科物理学専攻の小林浩平(博士後期課程)と同学科の根來均教授らは、国際宇宙ステーション(ISS)に搭載された全天X線監視装置MAXI(マキシ)を用いて、数千年に一度と考えられる史上最強のガンマ線バースト GRB 221009AからのX線残光の初期観測に成功しました。本成果は、理化学研究所、千葉大学、青山学院大学、東京工業大学、米ペンシルバニア州立大学、米NASAゴダード宇宙飛行センターなどからなる国際共同研究グループにより米国の天体物理学専門誌 “Astrophysical Journal Letters” に論文発表しました[文献1]。

発見の経緯
昨秋2022年10月9日の日本時間 22時58分、MAXIは、全天で2番目に明るくなった突発X線天体を銀河面近くで検出しました[2](図1)。その12分後に、NASAのガンマ線バースト観測衛星スウィフトでも同天体を検出しました[3]。MAXIの観測時、ISSと地上はリアルタイム通信ができなかったため、スウィフトに次いで世界で2番目に速報を出しました[注1] [2]。その後、MAXIの最初の検出に先立つ同22:16にこれまで検出された中で最も明るいガンマ線バースト[注2]が同天体付近で発生したとNASAのガンマ線観測衛星フェルミの観測チームから報告がありました[4]。
GRB 221009Aと名付けられたそのガンマ線バーストは、上記のアラート(報告)により世界中の天文台の望遠鏡や観測装置により観測が行われました。その結果、これまでで最も明るいガンマ線バーストより70倍明るいという観測史上最大のガンマ線バーストだったことが判明しました[注3]。そして、MAXIが受けたのはそのX線残光[注2]で、軟X線領域での残光の最初の観測となりました。

図1 MAXIによって得られたガンマ線バースト発生前後各6時間でのX線カラーイメージ(銀河座標系)。はくちょう座にあるX-1星は有名なブラックホール天体。

MAXI による1スキャン観測(92分ごと)のイメージ

数千年に一度の規模の明るさのガンマ線バースト
19億光年も離れているにもかかわらず、ガンマ線バースト本体は静穏時の太陽と同程度というとてつもない強いX線強度でした。その結果、the BOAT (the Brightest Of All Timeの略で、史上最も明るいものの意)とも呼ばれています[5]。 その発生頻度をこれまでに検出されたガンマ線バーストの明るさと距離の分布などから見積もったところ、千年から一万年に一度の現象であることがわかりました [1, 5]。
一方でMAXIが受けたX線残光も、これまでスウィフト衛星が17年間に観測した約400のガンマ線バーストの残光の中で最も明るいものよりもさらに1桁ほど明るかったことがわかりました [1]。MAXIは約1時間半で全天を1回スキャン観測していますが、X線残光は急激に減光するため、通常、X線残光は受かっても 0.1 Crab[注4] 程度の強度のものが1回のみでした。しかし、今回は、発生41分後でありながら初回の観測では約2.5 Crabもあり、その後も5スキャン(7.5時間)に渡って検出されました [1, 6](図2)。

図2 フェルミ衛星のGBM検出器、MAXI、スウィフト衛星のX線望遠鏡 XRT、NICERによって得られたGRB 221009A のX線光度曲線。X線残光のデータは文献1から、フェルミ衛星のデータは https://fermi.gsfc.nasa.govより入手し、他と同じエネルギー帯域での強度に換算しました。(即時放射はあまりにも明るかったため、GBM検出器も飽和してしまい、また換算時の不確定性から、即時放射の強度は1桁ほどの不確定性があります。)

X線リングとMAXIにより明らかになった初期X線残光の特徴
GRB 221009A は図1のように銀河面に近い位置で発生し、その光は銀河系内の塵の層をいくつも透過してきました。その結果、スウィフト衛星による観測では幾重にも重なる「X線リング」が観測されました[注5]。MAXIのデータでは中心の残光と反射リングを区別できないため、小林院生は、スウィフト衛星のデータも用いてX線リングを考慮したMAXIのデータの詳細な解析を行いました。その結果、初期のX線残光はその後の残光から予想される明るさより暗く(図2)、エネルギースペクトルも異なることがわかりました。これらの情報は、ガンマ線バーストとして放出されるジェットの特徴を明らかにするのに役立ちます。
以上の結果はMAXIチーム、スウィフトチーム、NICER(ナイサー)チームと共同でまとめ、米国の天体物理学専門誌 “Astrophysical Journal Letters”の特別号に論文が掲載されました [1]。
過去最大の明るさだったがゆえに、これまでになくガンマ線バーストとその残光の特徴が数多く詳細に得られた今回の結果は、今後、まだ謎が多いガンマ線バーストとその残光を理解する上で多くの情報を与えるものと考えられます[注6]。また、MAXIによる全天X線観測においては、重力波観測がまもなく5月から再開されることもあり、ブラックホール新星をはじめとする新たな突発天体と突発現象の発見が期待されています。

文献
1. Williams, M. et al. 2023, “GRB 221009A: Discovery of an Exceptionally Rare Nearby and Energetic Gamma-Ray Burst”, The Astrophysical Journal Letters, 特別号
2. Negoro, H. et al. 2022, The Astronomers Telegram, 15651
3. Dichiara, S. et al. 2022, The Gamma-ray Coordinates Network, 32632
4. Veres, P. et al. 2022, The Gamma-ray Coordinates Network, 32636
5. Burns, E. et al. 2023, arXiv e-print, arXiv:2302.14037
6. Kobayashi, K. et al. 2022, The Gamma-ray Coordinates Network, 32756

※ 文献1の著者(全36機関, 56名)
MAXIチームの共著者
日本大学 理工学部 物理学科
  教授 根來 均(ネゴロ・ヒトシ)
  大学院理工学研究科物理学専攻(博士後期課程2年)小林 浩平(コバヤシ・コウヘイ)
理化学研究所 開拓研究本部 
  専任研究員 三原 建弘(ミハラ・タテヒロ)
青山学院大学 理工学部 物理科学科
  助教 杉田 聡司(スギタ・サトシ)
  助教 芹野 素子(セリノ・モトコ)
東京工業大学 理学院 物理学系
  教授 河合 誠之(カワイ・ノブユキ)

スウィフトチームの主な共著者
米 ペンシルバニア州立大学
  Maia A. Williams, Jamie A. Kennea, S. Dichiara
英 レスター大学
  Andrew P. Beardmore, P.A. Evans
米 NASA ゴダード宇宙飛行センター, メリーランド大学
  S. Bradley Cenko
NICERチームの主な共著者
千葉大学 ハドロン宇宙国際研究センター(ICEHAP)/ 国際高等研究基幹
(MAXIチーム)
  助教 岩切 渉(イワキリ・ワタル)
米 NASA ゴダード宇宙飛行センター
  Keith C. Gendreau

国内のMAXIチーム
 理化学研究所、日本大学、青山学院大学、JAXA、愛媛大学、東京工業大学、京都大学、宮崎大学、中央大学、千葉大学

注釈
1.スウィフト衛星は、日本時間9日の23:10に検出後、23:39に報告しています。MAXIは22:58に検出しましたが、そのデータが地上に降りてきたのは、次のスキャン観測のデータが10 日の00:31にリアルタイムで下りてきたあとの00:55でした。その結果、報告は10日02:24となりました。フェルミ衛星による検出は、同10 日05:54に報告がなされました。なお、フェルミの報告まで、同天体はガンマ線バーストではなく、X線新星 Swift J1913.1+1946 という天体名で報告されています。

2.今回観測された、最も一般的なタイプである継続時間の長いガンマ線バーストの構成を以下の図に示します。 大質量星(左)のコアが崩壊し、ブラックホールが形成されます。このブラックホールは、粒子ジェットを放出し、それは崩壊する星の中を突き抜け、ほぼ光速で宇宙空間に放出されます。多波長にわたる放射は、生まれたばかりのブラックホールの近くにある高温電離ガス(プラズマ)、ジェット内の高速で移動するガスのシェル間の衝突(内部衝撃波)、および星間ガスを押しのけるジェットの前縁(外部衝撃波)から発生します。ガンマ線バースト本体(即時放射)は初期の内部衝撃波からの放射で、残光は続く外部衝撃波からの放射と考えられています。

Credit: NASAゴダード宇宙飛行センター

3.GRB 221009Aはもともとの放射エネルギー自体も大きく、近傍(赤方偏移1以下)つまり最近(宇宙年齢70億年以降)では観測史上最大のガンマ線バーストでした。その上、距離19億光年(赤方偏移0.151、VLT望遠鏡)という異例な近傍で発生したために、史上最も強いものとなりました 。なお、これほど強いガンマ線であれば、MAXIは視野外であっても検出できますが、今回はガンマ線バースト源が地球に隠れていたため検出できませんでした。

4.Crab はカニ星雲(カニパルサー含む)のX線強度を基準としたX線やガンマ線天文学で用いられる明るさの単位です。図2の目盛では約2が 1 Crabです。最も明るい天体は、太陽以外で最初に発見されたX線源さそり座X-1星で、約20 Crab です。

5.GRB 221009Aの最初の閃光X線の一部は、私たちの銀河系内の塵により反射され、光路長が長くなって遅れて地球に届きます。今回、銀河の腕に沿って塵が何か所もあるため、異常な数のX線リングが出現しました。以下の図はスウィフト衛星のX線望遠鏡によって 12 日間にわたって撮影された画像から作成されました。

Credit: NASA/Swift/A. Beardmore (University of Leicester)

6.ジェームズウェブ宇宙望遠鏡やハッブル宇宙望遠鏡で分光観測がなされましたが、超新星の兆候は見つかっていません。重力波天文台は休止中でした。

1 https://iopscience.iop.org/collections/apjl-230323-172_Focus-on-the-Ultra-luminous-GRB-221009A
2 NASA の特設サイト https://www.nasa.gov/feature/goddard/2023/nasa-missions-study-what-may-be-a-1-in-10000-year-gamma-ray-burst/
米天文学会の特設サイト https://aas.org/meetings/head20/press https://www.youtube.com/c/AASPressOffice

【本件に関する報道・メディア関係のお問合せ】
日本大学理工学部
物理学科 教授 根來均 
Mail:negoro.hitoshi@nihon-u.ac.jp
Tel:03-3259-0893
リリース日時
日本時間2023年(令和5年)3月29日午前9時

八王子FM (Tokyo Star Radio 77.5MHz)「技術のミカタ」3月24日(金) 21時30分から放送:土木工学専攻2年田中捺紀さんと内田樹さんが出演します。

日本技術士会 技術士資格活用委員会のFMラジオ企画番組 「技術のミカタ」(3月24日(金)21:30~放送)に、土木工学科 構造・デザイン研究室(関文夫研究室)の田中捺紀さん(専攻2年)と内田樹さん(専攻2年)が出演します。
「技術のミカタ」は、技術士会の活動や様々な分野で活躍している技術士の方々の生の声が聴ける番組となっています。
「シュークニヒロのエイトマスターズ」内のコーナーです。
是非お聴きください。

技術のミカタ

放送日時
3月24日(金)21:30~
「シュークニヒロのエイトマスターズ」内のコーナー
放送局
八王子FM (Tokyo Star Radio 77.5MHz)
出演者
田中捺紀さん(土木工学専攻2年 構造・デザイン研究室(関文夫研究室))
内田樹さん(土木工学専攻2年 構造・デザイン研究(関文夫研究室))
桜門技術士会 蛯原巌さん
ラジオ
https://775fm.com/
からListenRadioをDLするとPCでもスマホでも聞くことができます。

八王子FM (Tokyo Star Radio 77.5MHz)「技術のミカタ」3月24日(金) 21時30分から放送:土木工学専攻2年田中捺紀さんと内田樹さんが出演します。

BS11 開局15周年特別番組「宇宙のはなしをしよう!」3月26日(日)19時00分から放送:精密機械工学科 青木研究室と入江研究室が出演します。

BS11開局15周年特別番組「宇宙のはなしをしよう!」(3月26日(日)放送)に、青木義男理工学部長(精密機械工学科 教授)、入江寿弘 精密機械工学科 教授、青木研究室と入江研究室の学生達が、VTR出演します。
アポロ11号が初めて月面に降り立ってから半世紀。
NASAは、アルテミス計画で2025年までに人類を再び月面に送ることを目指しています。
宇宙産業・宇宙開発はますます活況し、様々な研究や計画が進められています。
この番組では、日本人宇宙飛行士も加わる月面開拓の全貌や、宇宙産業の現在と夢を現実にするイノベーションの数々を紹介する内容となっています。
その中で、宇宙エレベーター構想について、船橋キャンパスでご取材いただきました。
是非、ご覧ください。

BS11 開局15周年特別番組「宇宙のはなしをしよう!」

放送日時
3月26日(日)19時00分~20時55分
放送局
BS11
出演者
田村淳さん/黒田有彩さん/金井宣茂さん(JAXA宇宙飛行士)/青木英剛さん(宇宙エバンジェリスト)

機械工学科 飯島晃良准教授のコラムが自動車技術会のWeb誌「JSAEエンジンレビュー」Vol.13 No.5に掲載されました。

自動車技術会のWeb誌「JSAEエンジンレビュー」Vol.13 No.5に、機械工学科 飯島晃良准教授のコラム「エンジン vs. モーター」が掲載されました。

JSAEエンジンレビュー今号の特集は、
「F1パワーユニット勝つための技術と挑戦
-F1チャンピオンシップのタイトルを獲得したパワーユニットに込められた技術と想い-」

飯島准教授のコラムは、F1に直接関係するものではありませんが、最近特に比較される、ガソリンvs.ディーゼル、4ストロークvs.2ストローク、レシプロvs.ロータリー、そして内燃機関(ICE)車vs.電気自動車(EV)という、「エンジンvs.モーター」について書かれています。

是非ご一読ください。

機械工学科 飯島晃良准教授のコラムが自動車技術会のWeb誌「JSAEエンジンレビュー」Vol.13 No.5に掲載されました。

NHK総合「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」3月18日(土) 午後8時15分から放送:青木義男理工学部長が出演します。

青木義男理工学部長 (精密機械工学科 教授) が、3月18日(土)午後8時15分から放送のNHK総合テレビ「 有吉のお金発見 突撃!カネオくん 」に出演します。
今回のテーマは「エレベーター」
進化するエレベーターの秘密に迫ります。
青木学部長は、エレベーターの専門家としての登場です。

是非ご家族そろってご覧ください。

■番組名
有吉のお金発見 突撃!カネオくん
■放送局
NHK総合
■放送日時
3月18日(土) 午後8時15分~午後8時50分
※再放送 毎週土曜日午前9時30分~

航空宇宙工学科 山﨑研究室が開発中の超小型衛星「Prelude」が、JAXAの革新的衛星技術実証プログラムに搭載する実証テーマに追加選定されました。

航空宇宙工学科 山﨑研究室が開発中の超小型衛星「Prelude」が、JAXAの革新的衛星技術実証プログラムに搭載する実証テーマに追加選定されました。

航空宇宙工学科 山﨑研究室(山﨑政彦准教授)が開発中の超小型衛星「Prelude」が、JAXAの革新的衛星技術実証プログラム※の革新的衛星技術実証4号機に搭載する実証テーマに追加選定されました。
「Prelude」は、電磁気学的現象(電離圏電子密度変動)を解明することを目指した6Uサイズの超小型(100mm x 226.3mm x366.0mm)の人工衛星で、地震発生前の連続波形データを取得できる超小型センサを搭載し、地震発生予測に早期に貢献するようになると期待されています。

■テーマ名称:地震先行現象検知による確率地震発生予測実証CubeSat

今回、電離層の変動を観測することで地震発生の予知を行おうとする新規性のあるテーマであり、今後の地震予知研究の進展につながる可能性があることが、主な選定理由となりました。

※革新的衛星技術実証プログラム
本プログラムは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、宇宙基本計画上の「産業・科学技術基盤を始めとする宇宙活動を支える総合的な基盤の強化」の一環として、大学や研究機関、民間企業等が開発した部品や機器、超小型衛星、キューブサットに宇宙実証の機会を提供するプログラムです。

【卒業生の活躍】物理学科(プラズマ理工学研究室)の卒業生で三菱電機勤務 兵藤花菜香さんが日刊工業新聞(1月30日)リケジョneoに紹介されました。

物理学科の卒業生でプラズマ理工学研究室(浅井朋彦教授 小林大地助手)出身の現在三菱電機勤務 兵藤花菜香さんが、1月30日の日刊工業新聞リケジョneoというコーナーに紹介されました。
兵藤さんは、子供のころ実家の近くにあった大きな発電所を見て、こんな大きなものを作ってみたいと夢見ていたそうです。
現在三菱電機 系統変電システム製作所・赤穂工場変圧器製造部・内鉄設計課にて、変圧器の設計に携わっているということですが、それには大学での学びそして研究室の仲間や高校生たちとフーコーの振り子を作った経験が活かされていると語っています。
常に学び情報を得て、設計したモノについて完璧だとは思わずに常に改善を心がけるという言葉に心打たれます。

是非ご一読ください。