研究者情報
分子で究極の
デバイスをつくる

物質応用化学科
大月 穣教授/工学博士
OTSUKI JOE

専門
超分子化学
キーワード
ナノマシン
2016 年度のノーベル化学賞は、分子でつくるナノマシンの先駆的な研究者3名に授与されました。身の回りでも機械や電子部品の微小化が進められていますが、分子でつくるナノマシンは、これらよりもはるかに小さい、分子一つで一つの機能を発揮する究極的に小さいマシンです。現在の技術の延長上にはない新しい分子の世界の創造の可能性を示しています。
超分子
原子がつながって分子ができますが、分子もさらに集まって「超分子」と呼ばれる構造をつくります。私たち自身もそうであるように、生物も多種の分子が整然と組織化され、精密に働くことによって成り立っています。分子が集まると、単独の分子には見られない機能が現れます。超分子構造を作り出すことによって、分子を使った「ナノマシン」や「ナノデバイス」などの新しい世界の可能性が見えてきます。
光エネルギー変換
植物などが行う光合成は、光エネルギーを化学エネルギーに変換するエネルギー変換プロセスです。光合成を実行しているのは、葉の中にあるクロロフィルと呼ばれる緑色の色素分子が集合して形成する「超分子デバイス」です。光エネルギーを集め、それを極めて効率良く、電子の流れに変換し、そのエネルギーでブドウ糖などの物質をつくります。私たちは、人工的に光合成を行う「人工光合成分子デバイス」を作り出す研究を進めています。
メディア出演
日刊工業新聞(2009)、週刊東洋経済(2008)、大学の約束 2013 年版(リクルート)、someone vol.10 (リバネス出版:2009)、基礎の化学(東京化学同人:2014)、未来への6つの約束―日本大学 N. 研究物語― (リバネス出版:2014)、化学入門―日常に役立つ基礎知識―(東京化学同人:2016)他