研究者情報
安全とパワーを両立するエンジンで空や宇宙を身近なものに
航空宇宙工学科
田辺 光昭教授/博士(工学)
MITSUAKI TANABE
専門
燃焼工学,推進工学,宇宙環境利用科学
キーワード
ロケットエンジンの爆発制御
数千度,数百気圧という高温高圧を用いるロケットエンジンを安全な状態にコントロールするため,内部での振動発生と爆発が起きるしくみを明らかにする取り組みを行っています.エンジン内部の反応を伴う流体現象は複雑で,爆発の引き金の特定は困難な課題でしたが,数値シミュレーションが生成するビッグデータと人工知能に使われる深層ニューラルネットワークを組み合わせることで現象を抽象化して捉えられるようになってきました.
微小重量場での燃焼
日独の5つの大学と共同で,DLR(ドイツ航空宇宙局)とJAXAの国際協力プロジェクトとして,観測ロケットを用いた微小重力実験に向けた研究開発を進めています.様々なエンジンの異常燃焼の前駆現象である冷たい炎「冷炎」の挙動を詳細に観察するために,対流の生じない宇宙空間に装置を打上げて様々なデータを得る予定です.
高効率ガソリンエンジン
軽飛行機,無人機や自動車に用いられているガソリンエンジンは燃費向上と小型高出力化のために高圧化されてきています.これに伴い,爆発同様の破壊力のある異常燃焼が起きやすくなってきています.その発生のしくみを解き明かし,コントロールすることで,より環境負荷の低い移動手段の実現を目指しています.
メディア出演
日本経済新聞(2000),内閣府SIP「革新的燃焼技術」パンフレット(2016),DLR(ドイツ航空宇宙局)プレスリリース(2017),工業熱力学基礎編(東京大学出版会:2004)他