研究者情報
身近な植物成分
(天然分子)から薬を作る

物質応用化学科
浮谷 基彦教授/博士(工学)
UKIYA MOTOHIKO

専門
天然物有機化学
キーワード
病気に関係するタンパク質を分解する分子
病気に関係するタンパク質を分解する分子が創薬分野で注目されています.このような分子を合成するには,タンパク質に”親和性の高い”構造と”壊す機能”を持った構造を組み合わせれば良いと考えられます.天然分子の中には,特定のたんぱく質に結合しやすい物があり,この点に着目して”タンパク質を分解する天然物誘導体”を合成する研究を行っています.
がん細胞の近くで活性化する分子
がん細胞は正常細胞よりも特定のタンパク質(酵素など)を多く持つ事があり,この違いを利用すれば,がん細胞に効果的に効く天然物誘導体が合成出来ると考えられています.そこで,天然分子に,がん細胞が多く持つ酵素で活性体になる仕掛けをしておき,がん細胞にだけ作用する分子を合成する研究を行っています.
植物成分の分離
アスピリン(ヤナギ樹皮成分が発見の出発点)に代表されるように,薬用植物成分は病気の治療,医薬品開発に大きな貢献をしています.現在も世界中の研究者が,様々な植物について成分探索,活性評価,などを行い,新しい分子や活性に関する知見を報告しています.我々も新たな天然物誘導体を合成する出発物質して,植物成分の単離などを行っています.