機械工学科/専攻
成瀬 友裕
株式会社SUBARU
2021年3月 機械工学専攻修了
現在のお仕事の内容を教えてください。
ステアリングシステムの設計部署で、主に部品の仕様決定や図面の作成を行っています。配属当初はフォレスターやレイバックなどの現行車種、現在は将来を見据えた電気自動車の先行開発を行っていて、運転手が触るハンドルから、タイヤに動力を伝えるステアリングギアボックスという部品まで幅広く担当しています。昨今のステアリングは車両の重量増に伴って人の操舵力に合わせたアシストをしたり、運転支援を行ったりなどさまざまな制御を行っています。部品の機構はもちろんですが、こうした制御に関わる部分もサプライヤーや関連した設計・評価部署とやり取りして決定していく事が求められ、機械分野にとどまらない幅広い知識を活用する仕事になっています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?
機械工学における基本となる4力学や、設計製図などの知識を在学中にしっかり身につけられたことに加え、実験や実習、学生フォーミュラなど自分で考えて手を動かす機会が多く、作業者目線で物事を考えられるようになりました。仕事を進める際にはこれまでの車両と同じようにはいかず、全く異なる形状で新製する部品も多くあります。そういった時に、部品の構造を考え、要件を満たしているかを確かめるには基礎的な知識が不可欠ですし、車として作る時の作業性に配慮することも大切です。図面もルールを守ったものを自分で書けなければ相手に伝わりません。これらは大学時代にやってきたことに通じていて、経験の積み重ねがいかに重要かということを強く実感しています。
大学院に進学して良かったことは何ですか?
自身の研究に多くの時間を使えたことです。車の運転支援技術に興味を持っていたこともあり、制御関係の研究テーマを扱っている渡邊研究室に所属していました。制御工学は学部時代にも講義や実験で触れる機会はありましたが、応用的な面もあって大学4年間で学べる時間は少ない部類でした。大学院では研究活動がメインで、自分の場合は学部時代のテーマを継続して行い、回路や制御用のプログラムを作って実験装置を動かしつつ、得られた研究成果をまとめて学会等で発表することも経験しました。研究に専念できたことはもちろんですが、学んだことをアウトプットする場面も多くなり、これまでに得られた知識への理解をさらに深めることができました。
学生生活での思い出を教えてください。
学部時代の4年間在籍していたサークルの円陣会(学生フォーミュラ活動)です。主に電装部品を見ていて、ECUを用いた燃料マップの調整や配線の管理を行っていました。最初は電気関係の知識が足りずにトラブルが多発し、このせいで大会に出走できずに悔しい思いをしたこともありました。しかし、OBやスポンサー企業など多くの人の支えも受けながら、部品の役割や配線のつながりを理解し、改善して走行機会を増やすことに貢献できました。大変なことも多かったですが、自分たちで作った車が走っているのを見るととても達成感を得られました。また、一緒に活動した同期の多くは今でも定期的に会ったりして関係が続いており、そういった面でもとても思い出に残っている活動です。
機械工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。
機械工学科で学べることはさまざまな分野で使用される技術の基礎になるものです。今では電動化や自動化が至るところで進められていますが、それらも動かすための機械があってこそのものです。機械工学科は学生フォーミュラとの関わりが深く、自動車関係のイメージが強いかもしれませんが、実際にはその他にも幅広い研究テーマを取り扱っているので、エンジニアを目指す人であれば自分の興味のある分野で知識を深める事ができると思います。講義を受けて知識を身につけ、実際に自分で手を動かして考えるということはなかなか大変ではありますが、これらの経験は将来社会に出た時に必ず役立つものなので、ぜひ一つひとつのことに積極的に興味を持って取り組んでほしいです。