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物質応用化学科 高分子工学研究室 での研究成果が英国王立化学会Journal of Materials Chemistry C 誌のBack coverに選ばれました。

物質応用化学科 高分子工学研究室 での研究成果が英国王立化学会Journal of Materials Chemistry C 誌のBack coverに選ばれました。

物質応用化学科 高分子工学研究室 での研究成果が英国王立化学会Journal of Materials Chemistry C 誌のBack coverに選ばれました。研究遂行には,渡辺翔大氏,濱田和人氏,紅林聖氏,久保寺美波氏らによる強い遂行力のほか,共同研究者の神奈川大学原秀太助教との活発な研究交流の賜で,研究室の総合力が実り,高い評価となりました。
これは同号掲載論文で,査読評価が良かった論文の内から,カバーのデザイン性などを総合的に判断し,優れたものが採用されるものです。

高機能性高分子材料の1つにハイブリッド材料がありますが,これまでのハイブリッド化技術では,機能性成分を高分子母材(マトリックス)中に均一に分散させることに力点が置かれ,相分離することなく均質な質感をもたせることが常識とされてきました。われわれは,その常識を覆し,コントロール下における相分離を積極的に誘発する試みを行いました。複合材料の世界では非常識ですが,われわれは積極的不均一構造といい,新たなハイブリッド化技術として提唱しています。
入り組んだ高分子鎖の中で磁化率を向上させるには,いかに磁性体を秩序化させるか,が鍵となります。本研究では,高分子マトリックスにFeCl4-を配向させる設計を行いました。配向することでハイブリッド材料に磁性が観測できましたが,磁性高分子材料の実用化には,磁化率を部分的に制御することが重要となります。私たちは,ポリマーセグメントを一軸方向に配向させると一時的に形状が変化する形状記憶特性を有するポリマーを用いて,FeCl3を部分的に秩序化させることに成功しました。FeCl4-を光分解することでFeCl3が高分子マトリックスから相分離されますが,大変興味深いことに,この機構を延伸による一時的な形状から形状回復する際に組み入れることで,高分子マトリックス中にFeCl3を相分離させるだけでなく秩序化すること,さらには,自在なフォトマスクを用いることで紫外線が照射された部分だけに磁性が生じることがわかりました。マトリックスの形状回復特性を利用してFeCl3が秩序化することで,無秩序なFeCl3と比べて3倍の磁化率を示しました。本研究は,ハイブリッド材料の特性や有用性を向上させる新たなハイブリッド材料の開発法として貢献するものであり,この度,英国王立化学会Journal of Materials Chemistry C 誌に掲載されることになりました。

論文タイトル
Development of a magnetic hybrid material capable of photoinduced phase separation of iron chloride by shape memory and photolithography