通信を⽀える衛星の軌道制御

航空宇宙工学科/専攻

織田 みか

スカパーJSAT株式会社
2023年3月 航空宇宙工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

私が勤めているスカパーJSAT は、十数機の静止衛星を運用しながら、衛星通信などの多様なサービスを提供しています。私は、衛星を運用する部署の中でも軌道チームに所属し、静止衛星の軌道制御を担当しています。地球上からは止まっているように見えるのが静止衛星ですが、実際には太陽や地球の力を受けて少しずつ動いてしまいます。衛星の位置がずれるとサービスの品質が落ちるため、定期的に軌道制御を行って、許容範囲内に衛星を留めるのが私の仕事です。入社3年目の現在は、新規衛星の調達にも携わっています。設計レビューや試験に立ち会いながら、要望を満たす衛星を製造してもらえるよう、衛星メーカーと調整を行っています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

大学の講義で航空宇宙工学を学んだことや、研究室で超小型衛星の開発に携わったことが、会社で本格的な技術を学ぶ際に役立っています。私は入社後に、軌道力学や衛星運用の技術を学びましたが、基礎を理解していたことで、内容をスムーズに吸収することができました。
また、最も活きていると感じるのは、衛星開発にチームで取り組んだ経験です。私は主に、衛星が打ち上げから運用開始まで、安全であることを証明する審査を担当しました。そこでは、構造班や電気班などのメンバーと、綿密に情報共有することの大切さを実感しました。仕事もチームで取り組むことが多いため、メンバーと協力してプロジェクトを進める力が、大きな強みになっています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

研究室内で、先輩の立場を経験できたことです。学部生の頃は、院生の先輩に教えてもらいながら、自分の研究に集中していればよい環境でした。しかし、院生になってチームの最年長になると、後輩に教えるという仕事も増えます。私自身は、研究室の衛星開発プロジェクトで、チームリーダーの立場を経験しました。そこでは、人に仕事を依頼する難しさを知り、適切な頻度で進捗管理することの重要性を深く感じました。また、メンバーの心情や体調に気を配り、時には相談に乗ることが必要であることを学びました。チームを引っ張っていくリーダーとして試行錯誤したこの経験は、とても貴重で、成長に大きくつながったと感じています。

学生生活での思い出を教えてください。

1つは、サークル活動です。新しいことに挑戦しようと、サバゲーサークルに入部しました。山の中のフィールドをエアガンを持って走り回るのは、とても楽しい時間でした。また学科を超えて友人ができ、今でもたまに飲みに行く大切な仲間となっています。もう1つは、イギリス留学です。日本大学の制度に応募し、1カ月間ケンブリッジ大学に留学しました。ここでは、英語を学ぶ難しさと楽しさを知り、海外の人と仲良くなる力も身につけることができました。仕事で海外の衛星メーカーの人と難しい議論をする場面がありますが、この経験が土台になっていると感じます。またここでは、学部を超えた友人ができたことも大切な思い出です。

航空宇宙工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

自分の大学生活を振り返ってみて気付いたことは、講義や研究、サークルや留学など、全てが今の私の糧になっているということです。どれか1つでも欠けていたら、きっと全く違う未来になっていたと思います。大学生活は本当に楽しい時間でした。なぜなら、自分次第でいろいろな経験ができるからです。勉強、研究、アルバイト、サークル、留学など、選択肢はたくさんあります。その時々にやってみたいと思うことに、全力で取り組んでみてください。私が高校生の時に考えていたのは「どの大学に行くか」でした。しかしもっと大切なことは、「その大学でどう生きるか」だと今は思います。ぜひ、いろんなことに挑戦してみてください。