社会連携・社会貢献に関する方針に基づく地域連携・地域貢献活動の報告

令和6年度の活動報告

区分1.地域連携・協力

区分3.国際連携

覚書校による交換留学生(受入・派遣)[123KB]

区分4.小中高大連携・協力

区分5.学生の社会貢献活動への参加奨励

2025年度版

首都高を守ることにやりがい

土木工学科/専攻

相馬 大輔

首都高速道路株式会社
2019年3月土木工学科卒業

現在のお仕事の内容を教えてください。

首都高速道路(株)では建設・更新部門と保全部門があり,私は後者に所属しています。仕事内容としては,安心・安全・快適にご利用いただくために構造物(橋梁やトンネル,舗装等)の点検から補修にかかる予算の管理や大規模な補修プロジェクトの企画・検討を行っています。一つの判断で数億円というお金が動く仕事であるため,責任感や使命感を持って取り組んでいます。過去には構造物の補修設計や現場施工管理業務等も行っており,首都高速道路を多岐にわたり守る仕事の全般に携われ,「私自身で首都高を守っている」というやりがいを感じています。

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

設計業務を行う部署では設計図が問題ないことを確認するための設計計算書で,大学で勉強した構造力学や材料力学等の物理の力学の知識が,現場施工管理業務を行う部署では現場に施工する材料が問題ないことを確認するために大学時代に所属していたコンクリート・材料研究室で学んだコンクリートの配合や何度も失敗を重ねた実験の経験が役に立っていると実感しています。また,それ以外にも4年間で学んだ土木全体の幅広い知識や専門用語をたくさん活用する機会があり,「大学時代に学んだことがこんなところで活きるのか」と日々実感しています。

首都高を守ることにやりがい

学生生活での思い出を教えてください。

大学4年生に所属していたコンクリート・材料研究室のグループメンバーと共に卒業論文に向けて取り組んだ実験等で,失敗を重ねてチーム力の大切さや自分で計画検討をする重要性を学んだこと,成功してやり切った時の達成感を得られた経験がとても印象に残っています。また,大学時代は50人規模のバスケットボールサークルに所属しており,試合や合宿で他学部,他学科とも交流を持ち充実した学生生活を送ることができました。その時に出会った友達とは今でも遊びに行ったり,ご飯へ行くかけがえのない仲間です。

土木工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

土木分野はものづくりに携わることで形に見えるものを造る非常にやりがいのある仕事です。日大理工の土木工学科でその基礎となる知識や経験を学ぶことができ,入学して間違いなかったと感じています。また,会社内・社外で日本大学OB・OGが多数所属しており,お互いに助け合えることも魅力の一つだと思います。人生は一度きりです。大学の選択によって今後の社会人生活がかなり変わってきます。悔いが残らないよう残りの学生生活を頑張ってください!

社会貢献に通じる実践の学び

交通システム工学科/専攻

原田 憲武

東海旅客鉄道株式会社
2019年3月 交通システム工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

静岡県富士市にある現業機関において,東海道新幹線の線路を保守する業務に携わっており,主に検査担当をしています。決められた周期・方法で漏れなく検査が行われるように計画・管理し,検査結果をとりまとめて分析し,必要に応じて修繕を手配しています。線路の状態は日々変化し,どれも異なるので,線路の状態を適切に把握できるよう検査を実施し,タイミングを逸することなく最適に処置されるように考えながら行っています。適切な処置を怠ると列車の乗り心地を悪化させ,場合によっては列車の安全にも影響を与える責任の大きな仕事であり,やりがいを持って今の仕事に従事しています。

社会貢献に通じる実践の学び
現業機関の保守エリア内にてレール傷をカラーチェックにて検査している様子

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

大学院の研究活動を通じて身についた,課題に対し多方面から分析し最適な解決策を導く論理的な思考力が現在の仕事に役立っています。大学院時代に取り組んだ修士論文では,高齢運転者による交通事故の減少を目的に,高齢者の運転特性に着目し,交通事故の発生には多様な要因が複合的に関連していることを明らかにしました。最初は何を考えればいいのかも分かりませんでしたが,試行錯誤を重ねることで,論理的な思考力が培われたと感じています。現在の新幹線の保守業務でも,単純な問題は少なく,自ら論理的に考えることで課題解決が図れています。研究活動で培ったこの論理的な思考力は,東海道新幹線の安全性や快適性の確保につながっています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

学部以上に交通工学に関する専門性を高められたことです。学部では講義を聞いて学ぶのが主であったのに対し,例えば,完全自動運転社会に変わる前に備えておくべき懸念材料を議論するなど,深い知識をベースに常に自分の意見を考えたことが印象的です。講義以外では,研究活動において多くの学会に参加し,他大学の先生や学生などと意見を交換するなど,多彩な交流ができたことも大学院に進学して良かった点です。以上のように,大学院では学部で学んだ知識をさらに深め,広げられたとともに,それらの知識をベースに自分の考えを持つことができ,さらなる成長につなげることができたと考えています。

学生生活での思い出を教えてください。

学生生活で印象に残っているのは,講義の一環で地域の交通実態を調査したりさまざまな交通インフラを見学したことです。その中でも最も印象に残っているのは,静岡県伊東市に足を運び,実地調査したことです。伊東市で課題となる交差点の抽出や,観光スポットである伊東マリンタウンの駐車実態調査等を行い,交差点制御の改善案やターゲットとすべき観光客の情報を提供するなどしました。講義を通して地域に貢献したことが今でも思い出として残っています。このように,鉄道施設や道路,港湾などを現地で直接見て,実態を捉えることや,実際の課題を目の前に実践的に検討することで,交通の仕組みや実社会の課題を肌で感じることができました。

交通システム工学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

日大理工の交通システム工学科では,人々の生活に密着した交通工学を学ぶことができます。座学だけでなく,実際に現場を訪れて交通インフラの現物を見たり,実地調査を通じて交通現象を理解したりする実践的な学びが得られます。このような経験を通じて,将来に役立つ知識やスキルを身につけることができます。交通分野は社会を支える重要な分野です。ぜひこの学科で自分の興味を深めながら社会に貢献する力を磨いてください!

電気エンジニアとして世界へ

量子理工学専攻

木方 康一郎

千代田化工建設株式会社
2013年3月 量子理工学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

私はエンジニアリング会社である千代田化工建設にて,米国の液化天然ガス(LNG)製造設備プロジェクトに電気エンジニアとして従事しています。エンジニアリング会社は,化学,機械,電気/制御,土木建築といったさまざまな専門技術を組み合わせ,社会にとって重要なインフラ設備を創り上げていきます。その重要インフラの一つであるLNG製造設備は規模が非常に大きく,世界中のさまざまな専門性を持った人材が集まり,プロジェクト期間は数年にも及びます。私はその中で電気設備の設計,試運転業務を担当しています。LNGを含めた製造設備は電気を動力として使っており,責任も大きく,困難も多々ありますが,やりがいや達成感も非常に大きいです。

電気エンジニアとして世界へ

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

前述したようにエンジニアリング会社では化学,機械,電気/制御,土木建築といったさまざまな工学分野の専門性を持った人材が集まり,日々職務を全うしています。当然,自身の専門分野だけではなく,他の専門分野の人とも議論しながら全体の設計方針や問題解決をしていかねばなりません。そこでハードルとなるのが,自分の専門分野以外への興味と理解を持つことです。私は工学分野の根底となる物理学を学んでいたため,工学の各専門分野にも興味があり,比較的イメージや理解をしやすいと感じています。さまざまな英知を結集するエンジニアリング業務において,物理学を学んでいたことは非常に有意義と感じています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

もちろん大学の時よりも専門性が高いことが大学院進学の大きなメリットの一つと感じていますが,それ以上に私にとっては研究を行っていく上での基本プロセスを学べたことが一番有意義であったと思います。例えば,研究目的の設定,研究手順の設定,研究や実験を行う過程で生じる問題への対応,そして学会発表や修士論文のように期限までにやり切ること等です。社会人になった今でも日々分からないことだらけで,さまざまな問題にも直面し,納期のプレッシャーなどもありますが,これは大学院の研究を進めてきたプロセスと同じで,大学院で学んだことが今に活かされていると感じています。

学生生活での思い出を教えてください。

スキー検定1級を取得したことです。私は基礎スキー部に所属しており,冬/春休みの長期休暇を利用し,スキー場のペンションで住み込みアルバイトをしながら空いた時間でスキーをするという生活をしていました。私は大学入学前からスキー経験もあり,滑りにも自信を持っていたのですが,OB・OGの方々と一緒に滑った際に,彼らのレベルに全くついていけませんでした。悔しさを覚えた半面,彼らの華麗な滑り,また上級者同士の会話レベルに憧れを持ちました。彼らは皆スキー検定1級を取得しており,私もそれから必死に練習し,2シーズンかけて1級を取得しました。1級の取得はもちろんですが,彼らのレベルに到達できたことが嬉しかったです。

量子理工学専攻を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

物理は難しい,堅苦しいといったイメージが先行しがちだと思います。私も実は高校生の時,物理がそれほど好きではなかったです。しかし星空や宇宙に漠然とした興味があり,物理学科を志望しました。実際入学し勉強してみると,物理は身の回りの事象や科学技術の根底となる学問であり,原理や本質を理解するにつれて,面白いと思えるようになりました。そして大学,大学院に進学し多くのことを学び,高校生の時の自分では想像もつかなかった今の自分があります。皆さんも少しでも興味があれば,ぜひ一歩踏み出して挑戦してみてください。将来,今では想像もつかないような面白い世界に出会うことができると思います。

実験で体感した構造設計の要

建築学科/専攻

内田 衞

株式会社日建設計
2015年3月 建築学科卒業

現在のお仕事の内容を教えてください。

主に建築の構造設計をしてします。建築を設計する際に最初に想像されるのは「建築家」(意匠設計者)が多いと思いますが,構造設計者は「縁の下の力持ち」とイメージすると分かりやすいかもしれません。建築家が設計した建物に対して,地震・台風・大雪などの災害に対しても問題なく建っていられるように骨組みを考えたり,難しいデザインに対してもどのように成り立つかを考えたりします。単純な構造計算だけでなく,材料のコストや現場での製作性を考慮しつつ,建物を使う人々の具体的なイメージを持ちながら検討した設計案を図面にまとめます。その図面を基に,現場で施工する方たちと共に現実の建築物へと昇華させる仕事です。

実験で体感した構造設計の要
木材ユニット「つな木」の接合部(専用クランプ)

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

現在の仕事で必要となる基礎知識は大学で学んできたことも多いです。これまで大学で基礎知識を学んできたからこそ,多少なりとも言語を理解し,分からないことに対しても勉強し理解を深めることがよりスムーズにできていると感じています。また,構造設計を行うに当たり「モノが壊れる様を知る」ということは非常に重要と考えています。その点で,実際に実験で体感させていただいたことは今となってもかけがえのない経験だったと感じています。現在,構造設計業務と並行して構造設計をさらに発展させるために研究開発で実験も行っていますが,社会に出てからも大学で学んだ基礎は変わらずに活きていると感じています。

学生生活での思い出を教えてください。

大学3年生の時に建築学科で主催していた海外研修に参加しました。3週間ほどの期間でしたが,ヨーロッパ各地を巡ることができました。そこでは実際に建築を見たり触ったり,実際に泊まって体感したりしながら,先生や現地の方の解説を聞き古代から現代までのさまざまな建築や都市を見て学ぶ得がたい体験をすることができました。私が構造設計に進もうと決意した一因も,そこで出会った建築の構造デザインの素晴らしさに感銘を受けたことが挙げられます。

建築学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

日大理工の建築学科は楽しい学科だと思います。物理的な小難しいことを取り扱うこともあれば,アイデアを凝らしてクリエイティブなデザインを趣向するなど,理系・文系にとらわれず自由に学んで感じ取って行動できる場所だと思います。自分次第で何でもできる,そんな可能性を引き出してくれる場所です。ここで学ぶのはものづくりの原点で,机に向かって勉強するだけでなく,実験などで体感しながら学ぶことも多いです。社会に出てもここで培った経験は何にでも活きると思います。とりあえず建築学科に入ってみる,でも後悔しないでしょう。建築学科,おすすめです。大学生活を楽しんでください。

共済を通じて漁業者を支える

地理学専攻修了

大友 慶

全国共済水産業協同組合連合会
2019年3月 地理学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

JF(漁協)の主要事業の一つである共済事業を取り扱う団体に勤務しています。
JF共済とは,水産業協同組合法に基づき,共済を通じて全国の漁業者(組合員及び家族)や地域住民の方々の暮らしの保障を提供・運営する事業です。

共済を通じて漁業者を支える

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

現在,JF共水連では全国で「浜のあんしんサポート運動」を展開しております。その中で,実際に地域の漁業者の皆様と会話する機会が多くあり,学生時代の聞き取り調査の経験が大いに役立っています。特に,学部から大学院にかけて6年間の学修を通じて漁業者を取り巻く環境や生活事情などについての背景知識を修得し,調査を通じて地域の方々と関わる方法を身につけられたことは,ご契約者様と対話する際の土台として活かされていると感じています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

学部3年生より始めた漁村における地域研究を大学院でも継続したことで,合計で4年間も調査を続けることができました。何度も現地に通う中で地元の方との関係構築も進み,卒業論文執筆時よりもさらに踏み込んだ内容も聞き取ることができました。調査結果はGIS(地理情報システム)を利用して地図化することで発展的な分析・考察も行いました。研究を取りまとめる上では専攻内の合同ゼミを通じた資料作成や議論,学会における口頭発表,仕上げの修士論文執筆など学部時代に比べて遥かに多くの機会があり,より深くその地域を知ることができました。

学生生活での思い出を教えてください。

学部時代では指導教員や同じゼミの同級生と議論を進めることがほとんどでしたが,大学院進学後は専攻内合同ゼミ等で教員,学生,所属研究室にかかわらずお互いの研究内容について意見交換をしたことがとても印象に残っています。特に,院生の自習室では日頃からお互いの専門領域が異なる中で培った知識や技術を共有し合い,それぞれの研究をより良い方向に進められるように切磋琢磨していたことは良い思い出です。得られた意見を参考にして,一回一回の現地調査の内容をさらに充実させることができました。私は大学院からGISを使用し始めたため,それを専門に扱う院生のサポートには特に助けられました。

地理学専攻を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

地理学が対象とする領域は自然科学・人文科学の枠を超えており,一見すると内容が想像しにくい部分もありますが,それ故に幅広い知見を総合して地域の成り立ちを最も深く追及することができる学問だと思います。また,それぞれの興味関心にあった専門性を身につけることが可能です。私自身は地形図を読むことや歩いて地域を観察することが好きだったことが地理学科を選んだ決め手でした。ぜひ,高校の授業を受けて地理に魅力を感じた方や,地図が好きだという方,旅が好きな方は積極的に目指してほしいと思いますし,その奥深さを味わっていただきたいです。

真実を見極める力を育む数学

数学科/専攻

岡田 裕紀

東京都立府中工科高等学校
2014年3月 数学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

都立高校の数学科教諭として日々の授業を中心に,学校業務を担っています。授業では高校1年生から3年生まで複数の科目を担当し,今年度は副担任として学級運営にも関わっています。教諭には教科の授業とは別に校務分掌という仕事があります。私自身は進路指導部の一員として,生徒の卒業後の進路実現に向けた情報収集及び,それに基づいた指導を担当しています。直接的にも間接的にも,その瞬間の生徒のみならず,生徒の未来に携わることができるという,極めてやりがいのある仕事です。そのような仕事を,緊張感を持ちながらも同僚と協力しながら手がけるという,充実した日々を過ごしています。

真実を見極める力を育む数学

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

学生時代には数学を基礎のキソからじっくりと学び,考え抜き,学友とも度重なる議論を重ね,どのように“数学を学ぶのか”を,改めて知ることができたと感じています。偉い人が言ったことを正しいとするものではなく,数学という学問の前では全ての人間が対等ですが,真実なのか虚偽なのかを見極める力が全ての人に求められる時代こそ,大切な能力を育む学問であろうと考えます。数学という学問を通じて獲得した学びのイロハは,特に超情報化社会とも称される現代において,さまざまな困難の解決に通用するものだと実感しています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

大学院とは,学生の一人ひとりが研究テーマを持ち,専門分野に特化した研究に没頭できる場です。高いところに登ると,全体がどうなっているのかが良く見えるように,大学院に進学したことで中学高校の数学もさまざまな角度から俯瞰できるようになりました。学部時代に私は決して優等生ではなかったと思いますが,研究に粘り強く取り組み,トライアルと失敗を繰り返しながらも簡単には投げ出さずに続けたことで,最終的には修士論文も出版できる喜びを経験した,かけがえのない2年間になりました。あの濃密な大学院時代は社会人生活ではなかなか出会えない,何にも代えることのできない貴重なものであり,今も自分自身の大切な糧となっております。

学生生活での思い出を教えてください。

『自主ゼミ』が,特に強く印象に残っています。通常のゼミナールは所属する研究室の先生が輪講に付き添い,先生からその場で助言・進言を受けながら進めることが多いのですが,学生数名だけで行う勉強会を『自主ゼミ』と呼んでいました。理系の学生は,分からないことをワカラナイままにしたくない人が多いのかと思われますが,自分自身も含め,当時の自主ゼミメンバーは些細なことでも誰かがワカラナイときには一緒に考え,手を変え品を変え,たくさんの例を交えながら,皆で納得するまで意見を交わしていました。あの場において,徹底的に議論をしながら物事を考えるという,大切な学びの手法を身につけました。

数学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

少しでも数学が面白いと感じる,数学がどのように応用されるのかに興味がある,という人は,数学科に進むことで皆さんにとって一番良い大学生活を送ることができると私は断言できます。私は純粋数学でしたが,同級生には情報系の応用数学を選ぶ者もいました。幅広い選択肢だけでなく,深く学べることも日大理工数学科の素晴らしいところです。学部の授業で純粋数学とその高度な応用からコンピュータスキルを含め情報数学まで網羅する学び舎であり,貴重な出会いが得られます。若い時代に体得した知識や技法は失われないと言われますが,数学科で学んだことは,どんな世界にもどんな時代でも通用する,一生モノの財産となります。

あらゆる仕事に物理が活きる

物理学科/専攻

柳 凌太郎

ソニー株式会社
2023年3月 物理学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

私は物理学科・物理学専攻を修了し,現在はソニーでカメラ(カムコーダー)の電気設計をしています。カメラは画像処理や制御を行うメイン基板だけでなく,スイッチ,ファンなどさまざまな部品で構成され,さらにはレンズとも連動するため,“最も複雑な家電”といえます。そのため,設計はさまざまなチームと緊密に連携してプロジェクトを進める必要があります。スピーディな日程のため多忙ですが,製品を使うユーザーのことを第一に考えながら商品を仕上げていくことはこの仕事のやりがいとなっています。

あらゆる仕事に物理が活きる

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

物理学科では,計算能力や論理的思考力が身についたと思います。学生数は多いですが,演習の授業などで丁寧なフィードバックがあったため,自宅での学習もスムーズでした。物理学の研究対象の幅広さは学習量に直結しますので勉強は大変でしたが,どんな仕事に就いたとしてもその知識は役に立つと思います。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

大学院では学部と異なりプロジェクトとしての研究を行うことができるのが大きなメリットであると思います。研究の過程で行う課題解決は,コミュニケーション能力や思考能力を高め,就職活動にも役に立ったと考えています。また,大学院では核融合プラズマに関する研究に携わりましたが,このようなスケールの大きな研究を行う機会は貴重であり,視野を広げてくれたことに感謝しています。就活では先生方が相談に乗ってくれますし,さまざまな業界で活躍する卒業生がいることは心強いと思います。

学生生活での思い出を教えてください。

お昼に研究室の友人とインド料理やタイ料理などさまざまな国の料理を食べに行ったことです。キャンパスと研究室があった御茶ノ水にはいろいろなお店がありました。仕事でタイに行った時は,現地の料理を慣れ親しんだ味のように感じました。

物理学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

私が高校生の時は大学や大学院を卒業して何をするかは想像がつきませんでしたが,日大理工の物理学科に入って自分が持つ多様な選択肢の解像度が上がりました。また,さまざまな現象に対する好奇心に応え,最後まで進路に迷ってよいほど万能な学科は物理学科以外にないと思います。入学後も勉強が続きますが,好奇心を持って頑張ってください。

学んだ知識が製品として結実

物質応用化学科/専攻

久保寺 美波

三井化学株式会社
2022年3月 物質応用化学専攻修了

現在のお仕事の内容を教えてください。

現在,私は半導体保護フィルムの技術サポート及び研究開発を行っています。技術サポートとは,お客さまの技術的な困り事を解決する仕事です。初めてお客さまから感謝された時には,人の役に立っているという実感から,喜びを感じました。お客さまは海外にも多くいるため,海外出張に行く機会も多いです。自分の行ったことのない国を周るのは刺激的で,充実しています。研究開発では,お客さまの求める機能を付与した新しい製品銘柄を開発しています。大学ではラボレベルの研究にとどまりますが,会社ではその後に実際の製品を作ることができるのが魅力だと思います。

学んだ知識が製品として結実

現在のお仕事に,学生時代の学びがどのように役立っていますか?

学生時代,私は高分子工学研究室に所属し「有機/無機ハイブリッド材料」というテーマで研究をしました。この研究は簡単に言うと,高分子フィルムに無機ナノ粒子を分散させて,フィルムに新たな特性を持たせる,というものです。会社でもフィルムに携わることになり,学生時代の研究で培った高分子の知識を使って仕事をすることができています。知識以外だと,学生時代に培った論理的な考え方,研究の進め方,資料作成のスキル等が役に立っていると感じています。

大学院に進学して良かったことは何ですか?

大学院時代,私は研究に多くの時間を費やしていました。会社では,どうしても研究とは直接関係のない仕事も多くあります。研究のことだけを考えることができる大学院時代は貴重な時間だったと思います。また,大学院に進学したことで,化学メーカーで研究開発をする,という目標を達成することができました。今の会社の研究開発系の同期の9割以上が修士・博士卒であることからも,研究開発職に就くには大学院進学が求められると思われます。

学生生活での思い出を教えてください。

学生生活で印象に残っていることは学友との時間です。休日の遊びはもちろんですが,一緒に試験勉強をしたり,レポートを書いたりしたのは良い思い出です。私は化学が好きで物質応用化学科に入学したわけですが,他の同級生の多くも同じです。学友と議論を交わしながらレポートを書くのは充実した時間でした。当時の友とは今でも旅行に行く仲です。他にも,自分の研究が論文に掲載された時のこともよく覚えています。自分がコツコツと集めたデータが論文という形で世界に発信されるのは,何とも誇らしい気持ちになります。研究がうまく行くかどうかは運次第なところもありますが,これはぜひ味わってみてほしいです。

物質応用化学科を目指す高校生へのメッセージをお願いします。

人生に目標を持ってください。どこの大学に行くか,どこの学科に入るか,どのような仕事をするか・・・自分で選択する機会は今後どんどん増えていきます。そのときに目標を持っていれば,自分が何を選択するべきか,分かってくるかと思います。目標はたいそうなものでなくていいです。例えば私は「カッコよくありたい」という考えを持っています。ぼんやりとした目標ですが,私が判断に悩んだときの良い道標になっています。この文章を読んでいる方も,ぜひ目標を持って受験してみてください。