【参加報告:宇宙エレベータークライマーチャレンジ】精密機械工学科4年小池寿晏さん、豊田真吾さん、土井奈々子さんが、デザイン部門並びにコントロール部門の2部門で受賞しました。
精密機械工学科 4年 入江研究室 小池寿晏さん、豊田真吾さん、土井奈々子さんが、令和4年9月16日~18日に、新潟工科大学で行われた宇宙エレベータークライマーチャレンジに参加し、見事デザイン部門並びにコントロール部門の2部門で受賞しました。
今回の競技内容は、
①参加チームが独自に開発する”宇宙エレベータークライマー(昇降機)”の性能・機能の評価
(クレーンにより垂直60mまで展張されたベルト・ロープテザー上での昇降)
②宇宙エレベーターの基礎工事を担う”高機動ロボット”の性能・機能の評価
(クライマーにより上空まで運搬された降下ロボットの射出・減速降下・着地・移動)
です。
小池さん、豊田さん、土井さんチームは、青木義男理工学部長(精密機械工学科 教授)のもとで、一昨年から未来博士工房のプロジェクトの1つとして「垂直索道自律昇降システム」の開発を行っており、本年はこの開発を入江研究室の研究の一環として行っていました。本競技会では、今年新たに製作したシステムの評価を行い、加えて、競技会から機体の審査をしていただき、デザイン部門並びにコントロール部門の2部門での受賞となりました。
おめでとうございます。
チームからの詳細報告は以下のとおりです。
1.研究課題
垂直索道自律昇降システム
2.経過・成果
我々の開発目標は「安定した台形の速度制御と高精度な位置制御」である。
今大会では昨年の宇宙エレベータ競技会(SPEC2021)にて浮き彫りとなった課題を修正した。課題は、
①走行距離の測定機構の再設計
②新しいモータドライバを用いた制御開発
機械的、制御的なものがそれぞれ1点あった。
①は機械的な課題である。
昨年の機体では、競技会での走行距離データの取得が叶わなかった。これは、ロープの張力や太さ等の状態の変化に対応する構造となっていなかったことが原因と考える。これにより、測定用のローラーが走行位置によってロープに接触せず、測定が不可能な結果となった。上記のことから、本年の機体ではロープの状態に合わせ、測定用ローラーの位置を調整し、確実なデータの取得を可能とする構造とした。
また、昨年度までの機体の問題点とて、ロープを中心とした、重心の位置によって走行中に大きく振れてしまい、機体に想定外の負荷がかかる構造となっていた。このことから、今機体では最も重量物となる駆動部と、バッテリー・回路等のユニットを切り離し、ロープと機体の距離を13㎜に近づけ常に最小距離を保つようにモデルを一新した。ロープとの距離を小さくするため、機体の全長は50㎜長くなったが、ユニットを分けたことにより洗練されたデザインとなり、昨年度より800g軽量化された。
今後の課題として、高速での走行に向けて駆動部分の剛性を見直す必要がある。
②は制御的な課題である。
昨年から「安定した台形の速度制御と高精度な位置制御」に向けて新しいモータドライバでの開発を行っていた。
今大会ではODriveというBLDCのモータコントローラを用いることで開発目標の達成を目指した。速度制御に関しては走行データからも非常に安定した記録が取れたためODriveを用いた成果が得られた。しかし位置制御に関しては現在の制御方法ではモータ軸の位置制御しか行っておらず、クライマーがロープに対してスリップした際に走行距離にずれが生じてしまうためスリップ量の正確な検出と位置補正が課題である。また、ODriveのスイッチング速度が遅く、高回転で運用するのに向いていなかったため新しいモータコントローラで開発を行う必要がある。
以上のように2つの課題に対して再開発を行い、機械構造並びに制御について評価を頂きそれぞれで賞をいただく結果につながりました。
11月に開催が予定される競技会では、今大会で残った上記の課題を修正し評価を行う予定です。

