令和7年度日本大学大学院理工学研究科 学位記伝達式 轟理工学研究科長式辞

本日、ここに名誉教授 本杉省三先生のご臨席を賜り、日本大学大学院理工学研究科 学位記伝達式を挙行できますことは、大きな喜びであります。
修了生の皆さま、学位授与、誠におめでとうございます。
今日まで皆さまを温かく見守り、支えてこられたご家族の皆さまには、深く感謝申し上げますとともに、心よりお祝い申し上げます。
また、親身にご指導、ご支援いただいた先生方、ならびに職員の皆さまにも、厚く御礼申し上げます。
さて、皆さんの大学院生活はいかがだったでしょうか。
日々の研究活動や国内外の学会発表などを通じた恩師や友人との交流など、数多くの充実した時間の一方で、時には壁にぶつかり、辛い経験をされたこともあったでしょう。新型コロナウイルス感染症の影響が残るなか、世界各地での紛争や、国内外で相次ぐ自然災害など、社会が激しく揺れ動く時期でもありました。
こうした状況下にあっても、決して歩みを止めず、真摯に研究に励み、成果を挙げられた皆さんの粘り強い努力に対し、深い敬意を表します。
これからの人生においても、予期せぬ出来事に直面することがあるはずです。
そこで、Appleの創業者、スティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学の卒業式で贈った言葉を皆さんに紹介したいと思います。
「未来に先回りして点と点をつなぐことはできない。君たちにできるのは、過去を振り返ってつなげることだけだ。だからこそ、バラバラの点であっても、将来それが何らかの形で必ずつながっていくと信じ続けることだ」
この言葉は、皆さんの未来を照らす道しるべとなります。これまで向き合ってきた課題や目標、あるいは成功や失敗、出会いと別れ。その一つひとつは一見バラバラな点に見えるかもしれません。しかし、後から振り返ったとき、それらは必ず線としてつながり、皆さんの成長を支える揺るぎない糧となっていることに気づくはずです。
現在はSDGsやダイバーシティといった価値観の変革、さらにはDXや宇宙開発などの技術革新が加速し、未来を予測することはますます困難になっています。その道のりには、大きな壁が立ちはだかることもあるでしょう。
しかし、だからこそ「信じる力」を持ってください。自らの実体験を通じて得た知見は、生成AIが提示する情報とは次元の異なる、皆さんの血肉となった本物の力です。より多くの経験を積み、自分自身の過去を大切にしながら、それが未来を切り拓くと信じて前進してください。
次世代を担う皆さんの活躍には、大きな期待が寄せられています。
その際、この学び舎で培った日本大学の教育理念「自主創造」、そして理工学部が掲げる未知未踏へ挑戦するマインド「CST × DREAM」は、必ずや皆さんの支えとなります。ここで修得した専門性と、日本大学の誇る広範な人材ネットワークを存分に活用し、大いに羽ばたいてください。
このキャンパスには恩師や後輩、そして志を共にする仲間がいます。卒業後も、皆さんがいつでも戻ってこられる場所として、私たちは温かく迎え入れる準備を整えています。母校との絆を大切にし、末永い交流を続けてください。
結びに、これまで支えてくださった方々への感謝を忘れず、その恩返しは、皆さんが社会で活躍し、豊かな人生を歩むことそのものであると胸に刻んでください。新しい生活を、そして人生を存分に謳歌されることを願っています。
皆さんのさらなるご活躍とご健勝を心より祈念し、式辞とさせていただきます。
令和8年3月25日
日本大学大学院理工学研究科長
轟 朝幸