日本大学理工学部 日本大学大学院理工学研究科
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2022年11月19日

受賞メディア

物質応用化学科 超分子化学研究室 須川晃資教授、博士前期課程 早川祐太郎さんらの研究成果が、王立化学会「Nanoscale」誌のInside front coverに採択されました。

物質応用化学科超分子化学研究室 須川晃資教授、博士前期課程 早川祐太郎さんらの研究の成果が、王立化学会「Nanoscale」誌にアクセプトされました。

<強い光閉じ込め現象を発現する異方性銀ナノプリズムのボトムアップ2次元集積技術の開発に成功>

物質応用化学科超分子化学研究室 須川晃資教授、博士前期課程 早川祐太郎(現スタンレー電気)さんらは、九州大学先導物質化学研究所・物質基盤化学部門の玉田薫教授らと共同で、新しい光機能性ナノ物質の2次元集積技術の開発に成功しました。
この研究は、科研費基盤Sプロジェクト(代表:玉田教授)の基で行われた成果です。この成果は、王立化学会のハイインパクトファクター誌「Nanoscale」にアクセプトされ、さらに、Inside front coverに採用されました。

■発表雑誌
・雑誌名:Nanoscale(2022年14巻 9278-9285ページ)
・論文タイトル:Two-dimensional assembled PVP-modified silver nanoprisms guided by butanol for surface-enhanced Raman scattering-based invisible printing platforms
・著者:Kosuke Sugawa, Yutaro Hayakawa, Yukiko Aida, Yuto Kajino, Kaoru Tamada
■研究概要
機能性ナノ物質は、望みの形態に集積させることで、その機能をマクロレベルで取り出せる他、物質間の強相互作用の実現を介して新たな機能の発現が期待できます.しかし、それら物質が超微小であるがゆえ、望みの精巧な集積技術は未だ挑戦的な課題となっています。
 この研究では、水-ブタノール混合系における、水/空気界面へのブタノールの表面過剰現象に起因して発生するミクロ対流(Rayleigh–Bénard–Marangoni対流)を利用し、異方性銀ナノプリズムの精巧な2次元集積構造を、センチメートルオーダーで自発形成させる新たな手法を開発しました。さらに、この集積構造が超強力な光閉じ込め現象(表面プラズモン共鳴)を発現することを突き止め、これによって集積構造がステガノグラフィーとして機能することを実証しました。ステガノグラフィーとは情報隠蔽技術の1つで、「情報を他の情報に埋め込む技術」を指します。本研究で開発された集積構造は、通常環境下では集積体の色のみが視認されますが、レーザーを照射した時のみ、表面増強ラマン散乱現象によって書き込まれた情報を視認できることが実証されました。
物質応用化学科 超分子化学研究室 須川晃資教授、博士前期課程 早川祐太郎さんらの研究成果が、王立化学会「Nanoscale」誌のInside front coverに採択されました。