日本大学理工学部 日本大学大学院理工学研究科
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2024年01月12日

メディア

【プレスリリース】本学発スタートアップが民間ファンドから資金調達。筑波大学などと連携し、革新的方式による核融合の早期実現を目指す。

このたび、日本大学の研究成果をもとに筑波大学と共同で核融合スタートアップ・株式会社LINEAイノベーション(本社:東京都港区、代表:浅井朋彦(日本大学理工学部物理学科教授))が設立され、ANRI株式会社が運営するANRI-GREEN1号投資事業有限責任組合より7,000万円のプレシードラウンドでの資金調達を実施しました。
同社は、両大学で研究・開発されてきたFRC(Field-Reversed Configuration/磁場反転配位)方式およびタンデムミラー方式の成果を活用し、両者の概念を複合した革新的な核融合炉方式の実現に向けた開発を行います。


LINEAイノベーションが目指す核融合炉技術について
FRC及びタンデムミラーはともに核融合プラズマの閉じ込め方式として世界的に研究されており、我が国がその中心的な役割を担ってきました。日本大学は米国の核融合スタートアップ企業とも連携したFRCの実験研究において、また筑波大学は世界最大のタンデムミラー型装置GAMMA 10/PDXを有し、90年代に1億度のプラズマ閉じ込めを実現するなどの成果をあげてきました。
これらの方式は、高いプラズマ閉じ込め効率を実現できることから、D-3He(重水素・ヘリウム3)核融合や p-11B(軽水素・ホウ素11)核融合等の中性子の生成が僅かな又は全くない先進燃料核融合の実現が期待されています。
FRCとタンデムミラーそれぞれの長所を活かし、これらを相補的に融合させた革新的な核融合炉概念を提案し、その研究開発を行います。


本学で研究が進められるFRC型核融合実験装置

投資家からのコメント
ANRI株式会社 ジェネラルパートナー 鮫島 昌弘氏
日本で脈々と研究されてきたFRCとタンデムミラーの技術をフュージョンさせた、世界でもユニークな核融合方式の企業が日本から立ち上がり大変嬉しく思います。
浅井先生とは事業化に向けて長年に渡り議論させて頂きましたがついに会社設立に至りました。
世界では核融合に対して期待値が高まっておりますが、投資ブームに流されることなく辛抱強く、人類にとって次のアポロ計画とも呼べる核融合発電の実現に向けて頑張って参りたいと思います。


株式会社LINEAイノベーションについて
社名    :株式会社LINEAイノベーション
本社所在地 :東京都港区六本木6丁目10-1六本木ヒルズ森タワー15F
代表取締役 :浅井朋彦
事業内容  :革新的核融合炉プラント及び周辺機器の研究、開発、設計、製造及び販売
設立    :2023年9月29日
ウェブサイト:https://linea-innovations.com/


【本件に関する報道・メディア関係のお問合せ】
日本大学理工学部
物理学科 教授 浅井 朋彦 
Mail:asai.tomohiko@nihon-u.ac.jp
Tel:03-3259-0894