日本大学理工学部 日本大学大学院理工学研究科
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2018年01月16日

レポート

世界初!!土木工学科の関研究室、ダ・ヴィンチの橋に車を走らせる実験に成功!

午前10時。
快晴の交通総合試験路に関研究室の学生が集まっている。
中には徹夜明けも数人いるが、誰一人疲れをみせず、彼ら全員の目は真剣だ。
全員の気持ちは、これから開始しようとしている世界初の実験のゴールに照準があっている。

釘を一切使わない橋は、はたして自動車の重みに耐えられるのだろうか・・・

彼らに迷いはない。
計算上うまくいくはずだ。
何度も何度も設計図を見直した。
途中何度も何度も不安なところを話し合って修正してきた。
重みやきしみ・ゆがみに耐えうる橋をひたすら緻密な計算をし、設計してきた。
パーツを明るく作っていた彼らも、口から出てくる言葉は
「ミスは許されない・・・」
今回参加しているのは3年生から大学院2年生。
いつもながら、この研究室はチームワークがいい。

木を組む。計算通りに作り上げたたくさんのパーツを組んでいく。橋の両側のバランスが重要だ。
設計通りに作ってあるとはいっても、組んでいくうちにゆがみが発生することもある。
途中でバランスが悪くなれば何かしらの原因がある。
それがみつかると、もちろんやり直し。

「目の前の問題から目を背けるな!」
「声を出せ、声を。息あわせろ!」

関文夫教授の檄が飛ぶ。

そう、ちょっとしたミスも許されないのだ。
声をかけあい同じタイミングでの作業が橋のバランスを左右する。

やがて、その橋は見事きれいなアーチを描き、
左右のバランスも美しい姿を見せた。

ゴールデンウィークのテレビ番組時は人を一人のせる挑戦だった。
今回は、自動車。
しかも上からのせるわけではなく、橋の上を走らせるという無謀とも思えるような挑戦だ。
だから橋自体は以前のものとは設計自体がまったく違い、重みやきしみに耐えられるようなものになっている。

この時点で全長10m。あとは車が走れるようなスロープをつけなくてはならない。昨夜ひたすら作っていた木のレールがここで登場する。実は木を組んでいる間も建物のかげで必死にレールを作っていた学生がいた。

間に合った。

やがて、空が夕暮れのピンク色に染まるころ、スロープを入れて全長18.5mの橋が完成した。

もう時間がない。暗くなる前に実験をしなければ。
そこから数人ずつ橋を渡って荷重をかけていく。
まず、2名・6名・10名・16名・・・
はじめはおそるおそる渡っていた学生も、橋の強度に驚きをかくせない。ただ、16名もガタイのいい学生がのると1000キロを超えるので多少ミシミシ音をたてはじめる。

さて、目標は車だ。
Mitsubishi RVR。

「先生、本当に車を走らせるんですか??」

理論上大丈夫とはわかっていても、学生達は不安そうだ。

そこからの関教授は行動がはやかった。
あっという間に車に乗り込むと、ぐるっと一回りしてスロープ数メーター前に位置し、一気にアクセルを踏みスロープにタイヤをかけ橋を渡り始める。

歓声があがる。

先生は信じているのだ。
考えに考え緻密に設計し学生達が組み上げたこの橋の強さを。

やがて、車は橋の頂上で安定する。
まったく橋はゆがまない。
すごい、安定している!!

学生達はかけよって橋の状態をチェックし、また歓声があがる。

測定後、下りにはいる。
さすがにミシミシ音をたてる橋。
しかし、見事に走り抜けた。

大成功!!!

はじめて笑顔がこぼれる。
車が通れる橋を木を組んで完成させたのだ。

この長い挑戦の期間、どれほどの勉強になったことだろう。
困難の連続が、彼らをたくましくしている。

誰もが無理だろうと挑まなかったことを実証してみせた自信に満ちた背中が、日没間近の薄暗く赤く染まったキャンパスで輝いて見える。

関研の皆さん、お疲れさまでした。

※学生たちの声は後日追加させていただきます。

世界初!!土木工学科の関研究室、ダ・ヴィンチの橋に車を走らせる実験に成功!

世界初!!土木工学科の関研究室、ダ・ヴィンチの橋に車を走らせる実験に成功!

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