日本大学理工学部 日本大学大学院理工学研究科
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2024年08月21日

メディア

【プレスリリース】日本特殊陶業と日本大学、小型で強力な「BLT*¹型超音波エミッタ」を共同開発~世界最高クラス*²の音圧出力が可能な超音波エミッタを実現~  

日本特殊陶業株式会社
学校法人日本大学

Niterraグループ 日本特殊陶業株式会社(社長:川合 尊、本社:名古屋市東区、以下 日本特殊陶業)と学校法人日本大学(理工学部/学部長:轟 朝幸、所在地:東京都千代田区、以下 日本大学理工学部)は、共同研究により、小型で強力な空中超音波の出力が可能な「BLT型超音波エミッタ(BLT type ultrasound emitter)」を開発しました。本共同研究は、日本特殊陶業と日本大学理工学部の三浦 光 特任教授らの研究グループで進めています。
強力な空中超音波は、非破壊検査、音響浮揚、害虫/害獣防除、ならびに、超音波治療応用など、さまざまな分野で応用検討が進められていますが、実用化には装置サイズ等の課題があります。小型で低消費電力のエミッタとして、空中超音波の実用化および応用拡大につながる新しい価値を提供します。

1.背景

空中超音波を出力する超音波エミッタは、距離測定や位置検出が可能な超音波センサとして、自動車用ソナーや一部のロボットセンサなどに利用されています。この空中超音波を高音圧にすることで、凝集、分散、剥離、浮揚、励振などの作用が得られ、幅広い応用が期待できます。
超音波を高音圧化するためには、複数の超音波エミッタをアレイ構造とすることが一般的ですが、装置の大型化や制御回路が複雑になるなどの課題がありました。日本特殊陶業は以前より、高出力を発生する超音波振動源としてBLT(超音波振動子)を製造していますが、今回、日本特殊陶業と日本大学理工学部が共同研究を進め、超音波振動を空中に伝える振動板とBLTを組み合わせた、小径サイズのBLT型超音波エミッタを開発しました。


2.小型で強力なBLT型超音波エミッタについて

 共同研究の成果として開発したBLT型超音波エミッタは、構造の最適化により、本体は直径15mm程度(フランジ部は直径25mm)、全長60mm以下と小型であるにもかかわらず、高音圧を出力できるという点で優れています。さらに、高性能な圧電セラミックスを使用することで、高音圧化と低消費電力化を両立します。また、本エミッタは、本体と振動板を一体化した構造であり、信頼性も併せ持っています。




3.BLT型超音波エミッタの概要

 ・サイズ   :高さ59.2mm×直径15mm(フランジ部:直径25mm)
・出力周波数 :40kHz
 ・音圧出力  :1.7kPa(約159dB)(先端から300mm位置)
 6.6kPa(約170dB)(先端から100mm位置)
・消費電力  :5W


4.今後の展望
このたび開発した「BLT型超音波エミッタ」は、物体への非接触作用などを活用した多岐にわたる用途への応用が期待されます。日本特殊陶業と日本大学理工学部は、製品ラインナップの拡充として、異なる周波数出力に対応したエミッタ開発を進めます。また、近年において要求が高まってきている、環境配慮型の無鉛圧電素子を使用したエミッタ開発も進めることで、世の中の豊かさと持続可能な社会の両立につながる製品づくりに貢献していきます。


*1: BLT : Bolt-clamped Langevin-type Transducer
*2: 単位断面積当たりの音圧出力で比較(日本特殊陶業調べ)



【参考情報】






【問い合わせ先】
日本特殊陶業株式会社  コーポレートコミュニケーション室
TEL 052-218-6248 Email: ml_cc-pr-team@niterragroup.com

日本大学理工学部 庶務課
TEL: 03-3259-0514 E-mail: cst.koho@nihon-u.ac.jp